北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

北海道北見市、ついに住宅地にヒグマ出現

2024-05-19 13:32:19 | 採集記・旅行・写真

88_31.gifにほんブログ村

 

北海道北見市、ついに住宅地にヒグマ出現

 

2024-5-17(金) 晴れ 一時雨 のち曇り 23℃

北海道では札幌を筆頭に旭川など主要な市町村多数の住宅地にヒグマが出没し話題になってきたがひとり北見市だけは、これまで住宅街へのヒグマ出現事件はありませんでした。

 

 


しかし、北海道新聞によれば 2024-5-15 午後8時45分頃。北見市北央町の住宅街に体長1.5mほどのヒグマが現れ、目撃した70代男性が警察に通報したという。ながらく北見市に住んできたが住宅街にヒグマが出たのは初めてではなかろうか。ヒグマが住宅街に出現したというニュースなど皆さん聞き飽きたことでしょうが、北見市民としてはぶったまげてしまう大事件です。

 

 

 

クマさん対策で  戸締り徹底を というのが噴飯モノですが。

 

 

 

 

 

北見市近郊の山林は、いつの間にか気がついたらクマさんだらけになってしまったような印象ですが住宅地にまで現れるとなると、これは別次元の話になります。

 

 


我が家からも車で15分くらいなので、庭仕事を休んで素人ながら現場検証にいってみた。現場付近はまさにたくさんの住宅が建ち並ぶ住宅地。

 

 

川を挟んで対岸は南丘森林公園のある低山地。付近にヒグマを誘因するようなものがないか車で住宅街をウロウロしてみたが(きっと不審車としてかなり怪しまれたのではなかろうか。)、庭の境界に板塀をつくりクレオソート系の防腐材を塗っているようなところが数カ所あったが、板の臭いを嗅がせてもらうと無臭。もうクレオソート揮発成分は抜けてしまったのだと思う。

 

 

 

ヒグマは目撃者の住宅から2mまで近づき、やがて市道の蘭英橋をわたり南丘森林公園のある低山地へ消えたという。今日の常呂川は水量は少なくヒグマはどこでも徒渉は可能とおもわれるが橋を渡っていったという。橋のたもとには大きな食肉加工工場があった。

 

 

 

 

森林公園へ向かう道沿いには木製の電柱が2本あり恐らく防腐剤を塗っていると思われたが各所で塗装は剥げ、嗅いでみてもクレオソート系の臭いは無かった。ちなみに私の嗅覚は副鼻腔炎のためかひどく衰えています。

 

 

 

高速道路下を通っている市道は森の中の心地よい遊歩道的な感じでウォーキング中の4人がいたので聞いてみたが、5月15日夜にすぐそばの住宅街にヒグマが出たことをそれとなく知っていたのは一人のみ。しかも全然気にしていない。一方、一人は驚いてウォーキングを中止し、あわてて帰っていった。

 

 


長年、このルートを歩いているという二人組に聞くと、かなり昔に近くで小熊がはねられて死亡したことがあるという。また10年ほど前、南丘森林公園のトイレ横でヒグマの糞をみたという。同じ頃、栗林にクリを拾いに行ったおり、ヒグマが寝ころんだ跡をみたという。さらに昔、道路を横切るヒグマらしきものを二人で目撃したことなどを教えてくれた。

 

 


橋をわたって山沿いの家で庭作業中のご夫婦に聞くと、むかし小熊が近くで轢かれた以外はこのあたりでヒグマの話は聞かないという。今回、自分の家のすぐそばでのヒグマ出現事件もまったく知らなかった。

 

 

おそらく市職員も事務的にヒグマ出没の見飽きた図案の看板を数カ所立てておしまいといった感じで、新聞をとっていない家が多くなっており今回も現地の人ですらヒグマ出現のニュースをほとんど知らないのに驚いてしまった。

 

 

 

 

この付近の自然をみると植林が多い2〜3次林が主体で自然度はきわめて低くヒグマが定着できるようなものではなさそう。森林公園周辺を車でぐるりとまわってみたがあちこちに廃屋や太陽光パネルが目立つのみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついで北見市の市役所に電話でヘアトラップ設置の有無を聞いてみた。最初は森林環境科から緑地なんとか課、ついで農政課、さらに再び森林環境課へ電話はぐるぐるまわされて、結果、皆さんがヘアトラップの意味がわかっていないのに気づく。畑の作物被害がでたときにヒグマ捕獲用ハコワナを設置することについての質問と勘違いされていたもよう。

 

 

 


ヒグマの体毛採取のためのヘアトラップについて説明すると北見市市役所としては一切関与はなく、やるとすれば道庁が一括してやっているのではないかとのことでした。

 

 


要するに、北見市近郊の山林などに、人知れずヘアトラップが仕掛けられたとしても、北見市民はそれを知る手立てはないということで、ある意味これは恐ろしく危険なことと思います。

 

 


これまで北見市では住宅街にまでヒグマが侵入してきたことはなく、今回のヒグマ住宅地出現につき、その理由について色々考えてみましたがわかりません。

 

 

 

ヘアトラップ設置や住宅街のクレオソート臭の有無などはないか調べてみましたが、その視点での証拠となるものは見あたりませんでした。ヒグマが渡っていったという橋のふもとの大きな食肉工場の存在がすこし関連はあるかもしれませんがヒグマがその工場に執着し行動したということもなさそうです。

 

 

 

結局、許容範囲を超えて増えすぎたヒグマ(体長1.5mの成獣)が、春の移動時期に あぶれてたまたま人里に紛れ込んできたというのが妥当な判断でしょうか。

 


しかし、こんな芸のない聞き飽きた解説に終始することなく、何かほかに本質的な原因はないだろうかといった視点は常に必要だとおもいます。

 

最後まで見ていただきありがとうございます。できましたらランキングポイントアップのために下記の バナー をワンクリックしていただければ幸いです。

 

 88_31.gifにほんブログ村

 

 

88_31.gifにほんブログ村

 


アンデスアマゾンの巨大なゴキブリ、怪虫など。

2023-10-12 15:16:06 | 採集記・旅行・写真

不明.gifにほんブログ村

 

アンデスアマゾンの巨大なゴキブリ、怪虫など。

 

南米ペルー、アンデスアマゾンにチョウの採集に出かけたわけですが、チョウ以外の昆虫その他の生き物たちも見るもの全てが珍奇で目新しく、それこそ何でもかんでも夢中でデジカメ撮影しました。もちろん種名などは分からなくて申し訳ありませんが、時々このブログにアップしてみたいと思います。

 

 

アマゾンの巨大ゴキブリ。

 

 

 

 

アマゾンの緑色のセンチコガネ?

 

 

 

 

アマゾンのキリギリス。

 

 

 

 

チョウにそっくりの昼行性蛾。

 

 

 

アマゾンのバッタ。

 

 

 

 

アマゾンのカミキリ。

 

 

 

 

これもアマゾンのカミキリ??。

 

 

 

 

怪虫。足を広げると40cm以上ある ウデムシ の一種。

 

 

 

とても大きなカタツムリ?。

最後まで見ていただきありがとうございます。できましたらランキングポイントアップのために下記の バナー をワンクリックしていただければ幸いです。

 

 不明.gifにほんブログ村

 

 

不明.gifにほんブログ村


ヒマラヤのチョウ代表、オオヤマミドリヒョウモン Argynnis childreni  Gray, 1831 

2023-10-07 14:30:14 | 採集記・旅行・写真

不明.gifにほんブログ村

 

 

ヒマラヤのチョウ代表、オオヤマミドリヒョウモン Argynnis childreni  Gray, 1831 

 

 

 

北インド東部、ネパール、ブータン、から中国北西部にかけての山岳地帯に分布する、大型美麗なヒョウモンチョウです。

 

9月上旬のドチュラ峠への途中の原生林。濃い霧が流れて、晴れたり曇ったり。寒くなったり暖かくなったり。

この黄色い花にチョウが吸蜜に飛来します。

 

 

このオオヤマミドリヒョウモンは、いわゆるヒマラヤ回廊に多く見られるようで、私は1968年に出版された北海道大学のヒマラヤ(ネパール)調査隊の報告書ーヒマラヤの動植物ーで白黒写真の図版を見たのがこのチョウとの最初の出会いでした。

何故か、この大型ヒョウモンチョウは私にとってきわめて印象深く、以来、私の頭のなかではこのチョウをヒマラヤのチョウ代表と位置ずけてしまったのでした。

 

 

 

当時北海道大学に入学したばかりの赤貧大学生だった私は、強い意志はあっても経済的な問題でネパール行きなど到底かなわぬ夢でしたが、後に厳重な鎖国を続けてきたブータン王国が1978年に開国され、その翌年ブータンにチョウの調査で入国することができました。

 

 

 

ヒマラヤ回廊の中心に位置するブータンではおよそ2000m前後の山岳地帯でこのチョウをよく見かけましたが個体数はさほど多くはなかったとおもいます。

 

 

 

 

この大型のヒョウモンチョウの飛翔は小気味よいほどに力強く、春と秋に出現します。

 

 

 

秋には個体数が多いようですが多少飛び古したような印象をうける個体が多くみられます。

 

 

 

これらのことから、日本(本州)における一部のヒョウモンチョウたちと同じく、春に羽化した個体が暑い夏は夏眠して、秋、気温が落ち着く頃に再出現し産卵している可能性がないかと推定しています。

 

 

水車で回り続けるマニ車。

 

ラマ教ではマニ車をせっせと回すことによって願いが叶ったりご利益があったりとされるみたい。道路脇にある小型仏塔の中にはマニ車があり、沢水を引いてその水力で延々と回り続ける仕掛けがありました。

 

 

 

 

最後まで見ていただきありがとうございます。できましたらランキングポイントアップのために下記の バナー をワンクリックしていただければ幸いです。

 

 不明.gifにほんブログ村

 

 

不明.gifにほんブログ村


ブータンでミダヌスルリマダラ♂翅表のギラギラとヘアペンシルを撮影した。

2023-09-03 21:22:11 | 採集記・旅行・写真

88_31.gifにほんブログ村

 

ブータンでミダヌスルリマダラ♂翅表のギラギラとヘアペンシルを撮影した。

 

XXXX-6-17 (木)  曇り 時々晴れ 一時 雨  暑い

Puntsholing Bhutan.   ブータン王国南部、インドのアッサムとの国境の町、プンツォリン郊外の河原で吸水中のミダヌスルリマダラ(Euploea midanus splendens Butler )をつまんでとらえ、手のひら写真を撮影した。

 

 

 

 

オスなので 盛んにヘアペンシルをだした。

 

 

 

 

マダラチョウ科のオスの多くはこのヘアペンシルからメスを誘因するフェロモン大気中に飛ばす。

 

 

 

 

ミダヌスルリマダラのオスはルリマダラ属のなかでも最も強く輝く幻光を発する。特に、東南アジアに広く分布する本種のなかでもこの亜種ssp.splendens が最も美しいブルーの構造色を呈するとされる。

 

 

確かに、野外で強い太陽光の下で生きている本亜種のギラリぎらりと輝く青い幻光のものすごさは展翅標本からは到底想像できず、見る者を圧倒します。

 

 

 

 

この亜種はブータン以外ではアッサム、シッキム、ネパールに分布します。

 

 

 

 

 

ミダヌスルリマダラ♂翅表のギラリギラリをうまく撮影しようと種々工夫をこらして撮影してみたがいかがでしょうか。

 

 

 

プンツオリンの風景。

 

 

インドとブータンの国境のゲート。この付近ではブータン人とインド人はお互い自由のこのゲートを行き来しているように見えました。そこで、私もブータン人のふりをして何度かインドへ出て、またもどってきました。一応係官が目を光らせておりちょっとヒヤヒヤでした。

 

 

最後まで見ていただきありがとうございます。できましたらランキングポイントアップのために下記の バナー をワンクリックしていただければ幸いです。

 

 88_31.gifにほんブログ村

 

 

88_31.gifにほんブログ村


ドゥルガイチモンジ、最強の女性戦士の名を持つブータンの美蝶。

2023-04-19 11:50:15 | 採集記・旅行・写真

88_31.gifにほんブログ村

ドゥルガイチモンジ、最強の女性戦士の名を持つブータンの美蝶。

 

Bhutanのドゥルガイチモンジ(Euthalia durga   :   Bassarona durga とされることもある)。

 

 

Sikkim , Abor Hills,  Nagaland   Bhutan などヒマラヤ回廊一帯からビルマ北部まで分布する大型で美しいタテハチョウ。大型のメスは羽根を開くと大人の手のひらほどになります。

 

 

ドゥルガイチモンジ発生地周辺のブータンの風景。

 

 

 

 

ブータン王国の料理の必需品唐辛子や、ウリを売っている。

 

ドチュラ峠の風景。

 

 

 

 

ブータンでは  Punakha周辺や Thynleygang の小高い崖で観察しました。

 

 

 

普段は灌木の多い小高い崖の上部にいますが時々、ゆっくりジグザグに飛びながら舞い降りてきます。

 

 

 

 

崖にペタッと張り付くように静止したり、地面に降りて吸水することもあります。

 

 

 

8月中旬が発生の盛期ですが個体数は多くない。

 

 

 

 

この蝶の種名に当てられたドゥルガはヒンドゥ教の神話上の女神ドゥルガーにちなんでおり、その名は「近づき難い者」を意味するとされています。

 

 

外見は優美で美しいが、実は最強の戦いの女神。額の中央にも目があり顔に合計3つの目を持つのは、最新のスバルのSUV、クロストレックのアイサイトみたい。8本もある腕には、それぞれ超能力を有するすごい武器を持ち、まさに無敵です。普通はまたはライオンに乗る姿で描かれます。

 

 

 

ブータンやネパールは主にラマ教、シッキムはイスラム教が半分ほどなのでヒンドゥの女神ドゥルガーとは無縁の地域です。

 

この蝶が記載されたときの標本はヒンドゥ教がメインのインド北部産のものかも知れません。

 

 

今回、図示したドゥルガイチモンジは全てN.M氏採集のものです。

 

 

 

最後まで見ていただきありがとうございます。できましたらランキングポイントアップのために下記の バナーのいずれかを をワンクリックしていただければ幸いです。

 

 

 

88_31.gifにほんブログ村

 

 

 

88_31.gifにほんブログ村