北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

ある日のミヤマカラスアゲハ夏型オスの話

2024-09-04 15:12:33 | ミヤマカラスアゲハ

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ある日のミヤマカラスアゲハ夏型オスの話

 

 

20XX-7-23 (日) 薄曇り 22℃ 朝は肌寒く出撃しようかどうしようか迷う天候だ。

 

 

朝から庭の草取りをかなりやった。

 

 

午前11時。行こうか行くまいか迷っていたが、やっと決心して近郊の湧別川水系支流源流域に チョウとオショロコマの調査に出発。

 

 

森へ入ってすぐ、いつもの林道分岐広場は100頭規模のエゾスジグロ大吸水集団2つ。せっせと撮影。

 

 

コムラサキ、シータテハ夏型、アカマダラ2化 サカハチチョウ2化 メスグロヒョウモン♀、ミドリヒョウモン交尾中ワンペア、ヒメキマダラヒカゲ、オオチャバネセセリ、ミヤマカラスアゲハなど多数が発生していて撮影。ヨツバヒヨドリバナが脇道などにびっしり開花しておりこれに吸蜜にくるチョウが多い。ヨツバヒヨドリバナにはもう少しするとキタベニヒカゲが群れる。

 

 

ミヤマカラスアゲハ夏型オスの吸水集団はあちこちに見られた。しかし接近すると大抵やたらと敏感な1個体がいて、そいつが最初に舞い上がると、たちまち全部がシャッター直前に舞い上がることの連続。思い余って一網打尽にネットをかぶせると10数頭がネット内で大暴れ、ことごとく尾状突起破損などで破損品になってしまい、やはり1-2頭ずつ採集するしかない。

 

 

ということで1匹づつ採集したミヤマカラス夏型オスの手のひら写真(同一個体)でした。

 

 

 

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真冬のミヤマカラスアゲハ は美しい。

2024-01-17 17:22:51 | ミヤマカラスアゲハ

 

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真冬のミヤマカラスアゲハ は美しい。

 

冬になり、チョウはシーズンオフ。外は矢来の吹雪は止んで一面冬景色。

 

 

窓を見ると、レースのカーテンに何かがいます。

 

 

庭のコクサギで飼育したミヤマカラスアゲハ の越冬蛹を居間のコルク板にたくさんつけてあるのですが、春が来たのと勘違いして羽化し始めました。

 

 

 

久しぶりのミヤマカラスアゲハ 、春型オスが冬の居間に飛ぶのもなかなかいいものです。

 

 

鉢植えのクチナシの葉に止まったところ。真冬の北海道、南国の植物、イワカワシジミの食樹クチナシの葉にミヤマカラスアゲハ 春型オスといった光景は自然界ではあり得ない光景ですが、我が家では毎年の情景です。

 

 

これから、ぼちぼちとミヤマカラスアゲハ の羽化が続きます。

 

 

 

 

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ミヤマカラスアゲハとコクサギ。

2023-08-30 15:18:21 | ミヤマカラスアゲハ

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ミヤマカラスアゲハとコクサギ。

 

 

 

 

コクサギ ( Orixa japonica ) は一属一種のコクサギ属ミカン科の落葉低木で朝鮮半島南部、中国大陸南部およびわが国では本州、四国、九州に分布しますが、北海道には自生しません。

 

 

 

ただ何事にも例外があり、北海道オホーツクの北見市の私の家の庭には3mほどの大株があります。

 

 

北海道でコクサギを庭に植えている方は極めて稀ではないかと思っていますがどうでしょうか。

 

 

このコクサギの由来は昔、東京目白の蝶愛好家大野義昭さんと一杯やったおり、彼の自宅庭のコクサギを株分けしてもらったものです。JALで北海道に運びました。

 

 

ところで、従来、蝶類図鑑その他で、ミヤマカラスアゲハ の食樹としては、もっぱらキハダ、カラスザンショウ、ハマセンダンがあげられ、コクサギは出てきません。

 

 

 

コクサギは飼育で与えても利用されないとする図鑑もありました。

 

 

 

北海道ではキハダしか分布せず、そのためミヤマカラスアゲハの食樹はもっぱらキハダあるのみです。

 

 

 

ある時、我が家のキハダが完全にアブラムシにやられ利用できなくなり、この時、試みにミヤマカラスアゲハの採卵、飼育にコクサギを利用してみました。

 

 

 

思いがけずミヤマカラスアゲハ 母蝶は、キハダと同じようにコクサギの葉によく産卵し幼虫はコクサギを一見よく食べて発育しました。

 

 

 

しかし、令が進むにつれ少しづつ弱って、ついには死亡するものが続出し、最終的に蛹化できたのは10%ほどに過ぎませんでした。ただ蛹化した蛹は全て普通のミヤマカラスアゲハが順調に羽化しました。

 

 

 

蛹化直前のベチャ糞。

その後もキハダがだめになったこともあり、ダメ元でコクサギを利用し続けたのですが、その結果いろいろわかってきました。

 

 

 

 

すなわち、きちんと糞などの処理を怠らず、飼育環境をとくに清潔に保ち、常に新鮮なコクサギを与えて温度、湿度環境にも気を配って丁寧に飼育すると蛹化率は80-90%になりました。

 

要するにこれまでのようなズボラほったらかし飼育(キハダならこれでもうまく飼育できた)ではだめだがとりわけ丁寧に飼育すればコクサギによるミヤマカラスアゲハ飼育は十分可能ということでした。袋がけではうまくいかなかったのでおそらく自然環境ではだめでしょう。

 

 

 

 

幼虫の種々の免疫力、抵抗力、体力など、総合的な環境適応力がコクサギ飼育では不十分になるということだとおもいます。きっとキハダに比べ何かが足りないのでしょう。

 

蛹化したものは、キハダで飼育したものよりやや小型になりますが、順調に羽化します。

 

これはごく普通の夏型として羽化したオス。

 

 

これは普通の夏型タイプとして羽化したメス。

 

 

これらの経過をブログなどSNSで何度か発信したことがあります。

 

 

 

 

そうすると、その後、話が飛躍してミヤマカラスアゲハ の食樹としてコクサギがあげられたりしているのを見かけることがあります。しかし、未だ自然界での産卵や幼虫発見の記録はないように思われますがどうでしょうか。

 

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北海道天塩岳産ミヤマカラスアゲハ春型の特徴

2022-06-21 01:28:21 | ミヤマカラスアゲハ

北海道天塩岳産ミヤマカラスアゲハ春型の特徴

 

2021-8-6 (金) 晴れ 35℃ 猛暑

手塩岳からの帰路、かなり下流域の林道までおびただしい数のキベリタテハが発生していて、午後5時を過ぎても飛んでいた。ミヤマカラス1♀ A-  夕刻の林道を低く飛んでいるのを採集、ごく普通タイプの夏型♀であったが採卵用にもちかえった。 

 

 

2021-8-14(土) 薄曇り 25℃

天塩岳のミヤマカラスアゲハをコクサギに袋がけして採卵を試みていたが、この日、死亡しているのを確認。ネットや コクサギの葉に 合計60卵産卵していた。

 

 

コクサギの葉を与えて飼育したところ、やや小型の越冬蛹 30蛹を得た。これらの蛹を蝶友のK氏にあずけたが、蛹死や羽化失敗がけっこうあったが、2022-3-20~28 にかけて順調に羽化した7♂♂6♀♀を展翅標本にして持ってきてくれました。

 

天塩岳産ミヤマカラスアゲハ春型♂表面

 

 

天塩岳産ミヤマカラスアゲハ春型♂裏面

 

 

 

天塩岳産ミヤマカラスアゲハ春型♀表面

 

 

天塩岳産ミヤマカラスアゲハ春型♀裏面

 

 

時期的には春型として羽化した格好で♂前翅長平均40mm   ♀前翅長平均42mm  で♂♀ともにとても小型です。

 

翅表の色調・斑紋は春型のパターンで特別変わった個体はないのですが、裏面の白帯は春型にしてはやや狭い。かといって夏型の白帯ほどは狭くない。 

 

春型の翅表と春型にしてはやや狭い裏面白帯といった変わったパターンになりましたが、これが天塩岳のミヤマカラスアゲハの特徴なのか、コクサギで飼育したせいなのか、それとも他の理由があるのかはよくわかりません。

 

 

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夏、炎天下の林道にミヤマカラスアゲハの吸水集団。

2021-11-05 03:20:55 | ミヤマカラスアゲハ

夏、炎天下の林道にミヤマカラスアゲハの吸水集団。

 

 

2020-7-31 (金)  晴れ  30℃  暑い。

 

 

 

 

湧別川支流のYS川へ初めてオショロコマを見に行ったときのこと。

 

 

 

 

 

山奥の林道でミヤマカラスの給水集団を3カ所発見したが、そのうち一つは、気づかずにすぐ横を突っ切り、舞いたつミヤマカラスアゲハのチョウ吹雪になった。 

 

 

 

 

この時期、晴天、高温炎天下の林道には大抵、羽化したての美しいミヤマカラスアゲハ♂たちが吸水集団を作っている。

 

 

 

汚損個体や♀は集団を作らない。

 

 

 

吸水集団の撮影はけっこう難しくて、接近するとたいてい見張り番みたいな敏感な♂がいて、そいつがまず舞いたつ。

 

 

 

続けて、1匹、また1匹、最後は数匹の鈍いのを残して、全部飛び去ってしまうことが多い。

 

 

 

 

吸水に酔いしれている数匹の撮影は容易で、最後は指でつまんで採集も可能。

 

レンタカーを1か月借りて道内で蝶の採集をしてきたという20歳台のチョウ屋さんがやってきたので少し歓談。 

 

 

 

 

2020年はオオイチモンジが極端に少なかったという。今日はミヤマカラスでも採ろうかとと、ここにやってきたという。オショロコマは関心ないとのこと。 

 

 

 

 

ミヤマカラスアゲハを撮影しながらオショロコマのポイントをさがし、この日もまあまあのオショロコマを撮影できた。

 

 

 

 

帰路、逃げ散ったミヤマカラスアゲハ♂たちが、ふたたび吸水集団を作っていた。

 

 

 

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