北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

2020年、オホーツクのエゾヒメギフチョウとコロナ騒動。

2020-09-26 14:16:42 | エゾヒメギフチョウ
2020年、オホーツクのエゾヒメギフチョウとコロナ騒動。


オホーツクのエゾヒメギフチョウはエゾエンゴサクとフキノトウの花がお好き。






2020-5-3 (日)  薄曇り のち晴れ のち曇り 20℃ 

 

コロナで学級閉鎖、外出自粛要請の日々が続き、閉じこもりがちで孫たちも私たちもストレス相当たまり気味。



この際、旬のオホーツクのエゾヒメギフチョウを見て、そのあと海遊びに行こうということになった。



午前10:30 フォレスターとセレナに分乗して、みんなで北見市の自宅を出発。
 


近くのセブンイレブンで昼食と御菓子色々など買う。とても客が多く皆さん思いは同じで、今日は家族連れのお出かけのよです。
 



コロナは怖いぞ、死ぬぞ、だから外出は自粛しよう 、お店の営業は控えよう とマスコミ、テレビ、行政が連日執拗に訴え続けている。





しかし、最近の北見界隈では、いかにコロナだコロナだと煽りにあおられても、どうにも実感がない。





今日は休日のせいか、先の見えないコロナなんか無視とばかりに国道を走る車がやたらと多いのでびっくり。




今では市民のほとんどのみなさんはコロナは多少は心配ではあるが、東京や札幌界隈で流行っている所詮は他人事に過ぎないと考えて生活している人が多いと思います。




今日は天気も良く絶好の外出びより。 




ホーマック、コープの生協のスーパーは広大な駐車場が車で溢れそうなほどの盛況だ。



コロナが猛威を振るっている札幌方面の惨状とは裏腹に、この2か月 新型コロナウィルス感染者ゼロの北見市民は鈴木知事の懸命の呼びかけにもかかわらず外出自粛に応じる気配などまったくない。





順調に走って1時間ほどでオホーツクのエゾヒメギフチョウ発生地に着いた。




人の気配はない。




エゾエンゴサクがエゾヒメギフチョウの飛来を待つかのように美しい空色ブルーの花を咲かせている。









オホーツク海からの冷たい風が吹き、陽がかげると急速に気温が下がり身震いするほどだ。





すぐ向こうのオホーツク海からの身震いするような風が何となくおさまり、雲の切れ目から太陽がのぞくとみるみる気温があがり、やがてスプリングエフェメラルの主役、エゾヒメギフチョウが舞いはじめる。




孫たちが蝶を追って嬌声を上げる。





地面を低く這うように飛ぶエゾヒメギフチョウがあちこちでエゾエンゴサクに吸蜜をはじめる。





一般的には、ヒメギフチョウの吸蜜写真といえばカタクリに吸蜜する写真が定番。




とても絵になるし、まさに定番というほどあらゆる場所でよく見かける。



しかし、エゾエンゴサクへの吸蜜写真はあまりみかけない。



エゾヒメギフの多かった旭川市でもカタクリへの吸蜜が最も多くエゾエンゴサクへの吸蜜はさほど多くなかった。



北海道東北部になるとエゾノリュウキンカが重要な吸蜜植物になる。




一方、北見地方ではカタクリやエゾノリュウキンカは極めて稀な植物になるので、このあたりではエゾエンゴサクへの吸蜜が多くなるのだろう。










北見地方のエゾヒメギフチョウにとって、エゾエンゴサク以上に好まれる吸蜜植物はフキノトウの花だ。







フキノトウの花は花期が短いが蜜量はとても豊富とみえて、エゾヒメギフチョウはこの花が大好き。



野外で採集すると体中フキノトウの花粉がついているエゾヒメギフチョウは多い。


ただ、この日のフキノトウの花は時期がはやいせいか、このあたりには唯1個のみしか見つからない。







それでもエゾヒメギフチョウはめざとくこの花を発見し、飛来していました。










エゾヒメギフチョウの幼虫が食べる食草オクエゾサイシンは笹のない日当たりのよいところでは葉は展開して大群落になっている。












この日のエゾヒメギフチョウ採集隊、全員ではありませんけれど。







     この項、続く。







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セイヨウオオマルハナバチのいる風景, このハチの存在意義は?

2020-09-20 14:43:19 | ハチの仲間
セイヨウオオマルハナバチのいる風景, このハチの存在意義は?



ネギボウズの花にきているセイヨウオオマルハナバチをせっせと撮影してみました。




このハチはヨーロッパ原産のハナバチの一種でそれまで手作業で行われていた温室内でのトマト受粉用に1992年から日本に導入され、そのおかげで安全高品質なトマトが大増産されるようになりました。






いまや日本の温室トマト生産には欠かせない存在になっています。








このハチの同定はいたって簡単で尾端の毛が白いことで他のマルハナバチ類と容易に鑑別できます。







当初からこのハチが温室から逃げ出すと在来のマルハナバチ類に多大なる悪影響をあたえることが危惧されていて、ハチの逃亡は断固阻止するといった体制をとることを前提に導入が許可されたのでした。







しかし不吉な予想は的中し、温室からの逃亡防止用のネットなどたちまち突破して野外に出たセイヨウオオマルハナバチは北海道の環境に適応し猛烈な勢いで野生化しました。




在来のマルハナバチたちをたちまち駆逐したり交雑したり、盗蜜行動による野生植物の生殖妨害を行ったり、生態系破壊の限りを尽くしていることは 渓流における攻撃的外来種筆頭の野生化ニジマスとよく似ています。





しかし、そんなセイヨウオオマルハナバチですがさほど憎まれている感じがしないと思っているのは私だけではないかもしれません。




我が家のトマト、キュウリ、ナス、サヤインゲンなど家庭菜園で受粉は、ほとんどこのハチに依存しているような気がするのです。




我が家の畑で数千個のトマトの花を次から次へと飛び回っているセイヨウオオマルハナバチは、なんとなく頼もしい存在にすら見えてしまいます。




もはや、北見の市街地でセイヨウオオマルハナバチ以外のマルハナバチをみることはきわめて稀で、北見市界隈で畑をブンブン飛んでいる大きなハチは全部セイヨウオオマルハナバチであるといっても過言ではないと思います。




在来種のオショロコマなどが全て駆逐されてニジマス一色に染め上げられた渓流みたいなものです。




このような状況に陥ってしまったが最後、セイヨウオオマルハナバチもニジマスも、駆除など不可能な段階に陥っており、もうどうにもなりません。





しかし、北見市郊外、いまだオショロコマが生き残っているような自然度の高い森、いわゆるオショロコマの森ではいまのところセイヨウオオマルハナバチをみかけることはありません。




これは エゾキリンソウの花にきている在来のマルハナバチの一種と思われますが、この付近ではセイヨウオオマルハナバチはまったく見かけません。















農耕地におけるこのハチの存在意義に関しては、もはや認めざるを得ない状況に陥っていると思われ、物理的な駆除や生物化学的手法でこれを完全駆逐するよりは、現状を認めた上で、これ以上の分布拡大を防ぐ手立てがを考える方が現実的かもしれません。



この私個人的な考えは攻撃的外来種ニジマスに対する今現在の考えと同じです。



生態系とは、ある一定の状態にいつまでもとどまることはむしろ少なく、人為による変化も含めて常に流動的であるとおもいます。







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北海道オホーツクのエゾミドリシジミとは。

2020-09-14 19:23:03 | エゾミドリシジミ
北海道オホーツクのエゾミドリシジミとは。



2020-7-17(金) 晴れ 30℃ 暑い



午前10時 近郊の山にでかけた。



やや時期遅れだがウラジャノメ♀を狙って撮影にはいり、同時に種々のチョウやカラフトセセリなどを撮影した。




この間、いままで調査したことのなかった支流の源流を数カ所調査しオショロコマを発見したりして、はや今日の一日が終わりそうになっていた。




山奥の造材作業のときに作られた一時的な飯場跡の広場でキラキラ高く飛んでいるゼフィルス1♂を発見。




激しく飛び回り、ちょっと止まる気配は無いかに見えたが、急に垂直降下してフキの葉に止まったのでとりわけ慎重に接近して撮影を開始した。




この類のチョウは美しい羽根を開いたところを撮影すると評価が高くなるとされるが、当然なかなか羽根を開いてはくれない。




しかし、辛抱強く待っているとやっとメタリックグリーンの羽根を開いてくれた。




最後はきれいな羽根を全開にしてくれたのでせっせと撮影したがゼフィルス♂の撮影は本当に久しぶりだ。





撮影時は、てっきりジョウザンミドリシジミと思っていたが帰宅後、コンピューター拡大画面でみるとそうではなかった。




まず、ジョウザンミドリシジミにしては尾状突起がやたらと短い。





翅裏面の色調はハヤシミドリシジミよりはやや明るい感じ。 




後翅白帯の性状をみると、消去法的には エゾミドリシジミではないだろうかという同定結果になった。




オホーツクでは、実はエゾミドリシジミは少ない。





というより同定上の問題がありすぎて実態があまりよくわかっていないチョウだと思う。





このチョウの鑑別法など成書にはくわしいが多くは本州方面の個体を中心に述べてある。





採卵による飼育はずいぶんやってきたが、このチョウの野外品を見るのは 恥ずかしながら初めてなのでした。




今回、消去法的同定で このゼフィルスを 北海道 オホーツクの エゾミドリシジミ としたが、野外品に関しては経験不足のため、どうにも確たる自信はありません。




できましたら 北海道の エゾミドリシジミの同定に経験豊富な方の 同定根拠付きのコメントをお願いします。





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美しいエゾトンボとの遭遇

2020-09-11 10:50:28 | トンボ
美しいエゾトンボとの遭遇







2020-7-10 (金) 晴れ 25度C 夕方 雨


AM 9:30 自宅を出発。この日、オオイチモンジをさがして北見市郊外の山に入ったときのこと。



オオイチモンジは少なく、深い山の中、源流に近い渓流沿いの林道のやや開けたところを比較的大型のトンボが数匹飛んでいた。




5月下旬ころにはムカシトンボが多かったあたりだ。




ムカシトンボよりは軽やかに飛び、飛翔はあまり力強くはない。





飛翔ルートを確認して先回りして待ちかまえ近くにきたところを大口径ネットで採集した。












きれいなトンボだ。胸のあたりがメタリックグリーンでとてもきれいだ。












はじめて見たトンボだが、トンボマニアではない悲しさで名前はわからない。







少し 撮影してリリース。











続いて♀とおぼしき個体も採集し、撮影後リリースした。








帰宅して、またあのやたらと重たい日本産トンボ大図鑑を出して同定するのがおっくうだなあ。




と思っていたら。




帰路、中学校時代の恩師 進 基 先生御夫婦がオオイチモンジを採集しているのに会った。




先生はチョウはもちろんトンボにもとてもくわしい。





写真を見ていただき、ただちに エゾトンボと 同定していただいた。





やはり、美しいトンボとして有名だとのこと。 





チョウ愛好家の私としては初めてお目にかかったトンボでした。



PS: エゾトンボ Somatochlora viridiaenea (Uhler, 1858) - ロシア、中国、朝鮮半島と日本の北海道、本州、四国、九州に分布する。きれいな水質環境の湿地などに生育する。







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2020年度オオイチモンジ初見日。

2020-09-05 14:58:39 | オオイチモンジ
2020年度オオイチモンジ初見日。





2020-7-4 (土) 晴れ 強風  30℃





この日はちょっと風が強すぎる気がするが、丁度この時期に羽化し始める初夏の美麗蝶オオイチモンジを見に北見市郊外の林道へ出かけた。





従来この林道には若い♀のヒグマがいついている。





例年ならやや開けた空間のある数カ所、林道のあちこちにこのヒグマが糞をするのだが、オオイチモンジがその糞に集まるのだ。





ところが、今年はそのヒグマの糞がない。 もしかしたら、♀ヒグマ君はどこかへ行ってしまったのだろうか。





かろうじてキツネの糞に飛来したオオイチモンジ1♂を見たにとどまった。








オオイチモンジは地面に止まったり、キツネの糞に多少執着してパタパタやったりして1分ほどで飛び去った。











オオイチモンジのほかには出始めのヤマキマダラヒカゲやコチャバネセセリが少しみられたのみでした。



羽化したてのヤマキマダラヒカゲ。




コチャバネセセリ春型♂。縁毛に注目。





ただ、この日は気温は高いが猛烈な強風が吹いており沢筋を強風が駆け抜けてゴウゴウと風の音が響く。






この強風のために蝶が少なくて、結局どうにもならない天候でした。






オオイチモンジ発生場所からかなり離れた林道上に、やっとヒグマの糞を一カ所見つけましたが蝶はきていませんでした。





この後は、この林道をしばらく走ってヤマベの釣れる渓流に入り、旬のヤマベを少し釣って帰ることにしました。






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