北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

大好きな生態系とは

2021-01-29 02:18:02 | フタスジチョウ
大好きな生態系とは


20XX-6-19(日) 曇のち 晴れ のち曇  強風




朝 10時。近郊のエゾリンゴ(リンゴシジミ)のポイントへゆくも強風でスモモが激しくたなびいており リンゴシジミはまったく飛べないでいる。

 

引き続き一走りして 別の廃屋ポイントのスモモを叩いたがリンゴシジミ飛ばず。



ここは風がこない。






アカマダラ汚損しはじめ サカハチチョウ、ヒメウラナミジャノメ、コキマダラセセリ、フタスジチョウが出始め。





ヤマキマダラヒカゲ多い。






このポイントは私のお気に入りの場所で低地帯に産する北海道特産の蝶の殆どがみられるところだ。





やや汚損したアカマダラ春型が気持ちよさそうに日光浴している。














サカハチチョウ春型は新鮮個体が見られ、アカマダラより発生時期が遅いことがよくわかる。











ヒメウラナミジャノメも新鮮個体は Photogenic だと思う。





フタスジチョウは 奥只見、東北、本州中部では近年激減して準絶滅危惧種や絶滅危惧種にされているという。







ここでは、フタスジチョウはごく普通に見られいたるところにとても多く、いまだ棲息環境がよく残っています。








皆さん、コレクターとしては、少なくなったり絶滅したりした稀種に血道をあげる方が多いようですが、私は稀種よりもごく普通種としてたくさん飛んでいる蝶が好きになってきました。



というより、オショロコマの森 と同様にそのようなすぐれた美しい生態系そのものに魅力を感じるようになってきました。





とはいっても稀種が嫌いというわけではまったくないのでこのブログでは時々稀種も登場します。








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白帯がとても幅広い北海道産フタスジチョウ

2020-10-09 17:33:54 | フタスジチョウ
白帯がとても幅広い北海道産フタスジチョウ




北見市付近の林縁や湿地には 6月下旬からフタスジチョウはよく見かけるが、本州の蝶愛好家の方が北海道のフタスジチョウを初めて見ると、白帯のあまりの幅広さにアッと驚いてしまうことが多いようです。






関東北部〜中部の山地に棲息するものは、この白帯がせまく Neptis rivularis insularum Fruhstorfer とされ、白帯の狭い北海道産は N. rivularis bergmanni Bryk. 別亜種とされています。




ところが岩手県の個体群にはしばしば白帯が幅広いものが多く ssp. shirouzui Okano とされています。



フタスジチョウは、このブログでもしばしば登場する蝶ですが、今回はキタキツネの糞にきたフタスジチョウの写真です。














このほか 奥只見産は 黒化いちじるしい真っ黒フタスジチョウ ssp. tadamiensis Higuma で私は以前200匹ほどを飼育羽化させたことがありますが迫力のある個体群です。




最近、変異の多いフタスジチョウをまとめた立派な本が出版されましたが、そのうち購入したいと思っています。





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釧路動物園のフタスジチョウは白帯が狭い ?

2015-12-13 11:20:49 | フタスジチョウ
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釧路動物園のフタスジチョウは白帯が狭い ?



2014-8-3 (日)  晴れ 釧路は曇り

この日、阿寒湖温泉に一泊した私たちは急遽思い立って釧路動物園にいった

広大な天然林のなかに作られた動物園は、緑の森にひろびろとした空間があり、不思議な感じの心休まる動物園だ。

次の動物のいるところまで、かなり距離があるので森の中を、しばらく歩かなければならないのが、さらに のんびり度 を高めてくれる。

大勢の観光客でごったがえす旭山動物園とは両極端、まったく対照的な動物園で私はいっぺんに気に入ってしまった。

森をぬけ湿地帯のなかの遊歩道を次の動物のいるところまで、のんびり歩く。

油断するとヤブ蚊に刺されたりする。

こんな自然度満点の動物園は日本中で釧路動物園だけだろう。

シモツケの花がいたるところに群落をつくている。




きっといるぞとおもっていたら、はたしてフタスジチョウがいた。みるといたるところに飛んでいるがネットもないし、なにしろ動物園内なので見るだけである。

遊歩道から外は湿地で長靴でもはいていないと入って行けないので写真撮影もままならない。

やっと近くに止まった 1♂を撮影したが、あれ? ちょっと違う感じ。

写真の角度かもしれないが、他地域の北海道産フタスジチョウとくらべて白帯が狭い感じ。 








もっとたくさんのフタスジチョウを見たいが孫にせかされ移動。

釧路動物園のフタスジチョウはちょっと違うかもしれない。





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日本からフタスジチョウが消えてゆく

2015-09-17 21:29:37 | フタスジチョウ
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フタスジチョウ 北海道亜種 Neptis riivularis insularum Fruhstorfer

北海道のフタスジチョウは北見界隈では 例年6月中旬から下旬が最盛期。変異があり日本では4亜種が知られている。北海道亜種は白帯が発達して美しい。 

この蝶が 福島県 新潟県 岩手県 秋田県 岐阜県 群馬県 埼玉県 栃木県などでは 近年激減して まさかの絶滅危惧種 レッドデータに記載されているとは、今日まで寡聞にしてまったく知らなかった。

これまでずっと、ごく普通種と認識していて、皆さん、この蝶を見ても走ってネットすることなどあり得ない蝶であった。

モンゴルでもとりわけ多い蝶であった。 

昔、奥只見産 黒いフタスジ幼虫を大量に送っていただいて 居間にビンざししたユキヤナギで大量飼育したことがある。

そのとき以来フタスジチョウにはまったく興味を示さないでいたが、北海道昆虫同好会ブログを担当するようになって、少し撮影しようかなという気になった。

2015-6-28。確かに、昔と比べるとフタスジチョウは、北見市近郊でも明らかにかなり減っていた。

それでもこの時期、北見市近郊の大抵の湿地周辺でシモツケがあるところには飛んでいた。 

この日は気温が高かったせいか、撮影しようとすると、さあシャッターという寸前に例外なく飛び立つ。けっこう苦労して撮影した。 





















近年、ただ蝶が写っているというだけではつまらない写真としか評価されない時代だが、なかなか芸術的な写真などは撮れない。

この時、フタスジチョウを追いかけながら私は長いこと コミスジを見たり採集したことがまったくないのに気づいた。

考えてみれば、かっては超普通種で展翅標本もあまり無い。

今回、コミスジか?と思って近づくとどれもこれもフタスジチョウで、まさにコミスジはうそみたいにいなくなっていた。ちなみにモンゴルではコミスジは超稀種である。

あるとき、知らないうちに身近にごく普通であった蝶が消えていることは近年日本国内において実に多く経験する。

ごく普通種と思っていたフタスジチョウが本州各県のようにある日 うそみたいにパッタリといなくなる可能性は、まったくないわけではなかろうと思う。



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