北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

秋の庭、カンタンとセイヨウマルハナバチ

2019-09-26 02:03:49 | 蝶・昆虫・自然・同好会など
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秋の庭、カンタンとセイヨウマルハナバチ


曇り ゲリラ豪雨 のち雨 のち曇りといった、とある秋の日の午後、孫の上3人の女の子たちが、やたらとハイになり大騒ぎでどうにもならんと、母親が長男君を連れて我が家に避難してきて、のんびり歓談。






秋の庭にはリンドウがきれいに咲いている。







ベニバナヤマシャクヤクは実が割れて種がでてきた。











よく見ると北海道では珍しいカンタンの♀がきていた。





カンタンはこの数年我が家の庭に住み着いて、秋にはなかなか風情のある鳴き声を聞かせてくれる。(日本人以外には雑音にしか聞こえないと言うけれど)



秋の花、シュウメイギクとカクトラも庭一杯に満開の花をつけている。







カクトラの花には、セイヨウマルハナバチがたくさんきている。








この獰猛な攻撃的外来種はハウス受粉用に輸入したものの、たちまちハウスから逃げ出して猛烈に自然繁殖、いまや在来のマルハナバチたちを絶滅に追い込んでいる。




おしりが白いのがセイヨウマルハナバチの特徴。




しばらくすると、3人の孫娘たちが襲来、もはやくつろぐ暇なし。



みんなで北見市の聖母幼稚園のお祭りにゆくことになった。







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クモマベニヒカゲとハンゴンソウ

2019-09-15 15:20:12 | クモマベニヒカゲ
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クモマベニヒカゲとハンゴンソウ


20XX-7-24 (土) 晴れ 猛暑 35℃


この日、 K 氏夫婦は早朝6時から NK 岳へ誰よりも早く登り、最盛期のクモマベニヒカゲを60頭ほどすくって意気揚々と下山した。



そのあとずいぶん沢山の人が登ってきたらしいがまったく採れなかったようだ。



みなさん、今年は隔年発生のクモマベニヒカゲが出ない年だから...etc などと話しあいながら空しく下山。



それでも今日、明日はかなりのクモマベニヒカゲ狙いの採集者が NK岳の狭い発生地に入るらしい。



しかしK氏夫妻が多くの個体をすくってしまったので、この産地ではもはや多くの個体は期待できないだろう。



このところ大雪湖周辺ではクロオオイチはぜんぜん採れていないとのこと。



近年、クロオオイチ狙いの採集者が、クロオオイチが採れずクモマベニヒカゲ採集に転戦するのことが多いので有名産地では絶え間ない採集圧のせいか、クモマベニヒカゲ個体数は激減しているようだ。



しかし、この蝶の発生地は、広大な大雪山系ではほかにも多数あるとおもわれ、この蝶を多数観察したい場合は新天地を自分で捜すしかないだろう。



この蝶に関してもう一つの問題点は、短い発生時期を正確につかむのが難しいことだ。



たとえば 20XX-7-18 (日) この日 NK 岳ではクモマベニヒカゲの発生時期はまだ早く1♂を見たのみであった。



クモマベニヒカゲ発生の指標植物はこの蝶が最も好む吸蜜植物のハンゴンソウだがこの日はまだツボミであった。。



しかし、その1週後にはピッタリ発生最盛期となり多数の個体がみられている。ハンゴンソウも満開状態。多くの昆虫が吸蜜に集まっていた。
















その1週後にはもう汚損個体ばかり。



大雪山系のクモマベニヒカゲの発生最盛期は、積雪量との関係か、平気で7-10日ほど変動するようだ。



最近は大雪山の山奥ではなく国道沿いに大繁殖した外来種コウリンタンポポに吸蜜する個体がみられるようになった。



北海道の高山蝶代表のクモマベニヒカゲが攻撃的外来種筆頭のコウリンタンポポに吸蜜する姿は、異様な光景にも見え、かわいそうな光景にも見える。


          クモマベニヒカゲの写真はすべてX氏撮影。




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オホーツクのリンゴシジミの消長

2019-09-05 18:42:47 | リンゴシジミ
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オホーツクのリンゴシジミの消長


北見市郊外では6月、こんな幼虫が見られます。この愛らしい幼虫たちは何でしょうか?












そうです。全部 リンゴシジミ: エゾリンゴシジミ の幼虫です。


かって、道東ではエゾノウワミズザクラが主たる食樹でした。


しかし平野部の河畔林の樹木は河川管理上の理由からことごとく切り倒されるようになりました。


特にエゾノウワミズザクラはまるでねらい打ちされたみたいに切られてゆきました。


その後、リンゴシジミは離農した農家などの庭の消毒されなくなったスモモに好んで発生するようになっていきます。


しかし、そのスモモも畑作地に近い場所のものはジャガイモの病害虫がつくなどの理由で魔女狩りみたいに切り倒されています。 


スモモが切り倒されれば、そのスモモに依存していた個体群はたちまち絶滅します。


北見市では、そのような理由で絶滅産地が相次ぎ、一方、新規の発生地発見はほとんどありませんのでリンゴシジミの行く末はとても心配です。


ただ、私の実家の庭に植えた3m ほどのエゾノウワミズザクラに放蝶したところ10年ほどは発生を繰り返していたので、みなさんその気になれば何とかなる可能性はあります。


最近、リンゴシジミが最も好むのは庭に植栽された梅。


盆栽風の梅も好むといいます。


ここに示したリンゴシジミは 全部ウメに発生したものです。













このように里のチョウ、リンゴシジミは日々変遷する自然環境に素早く適応しながら、したたかに世代をつないでいます。
 


今回お示ししたリンゴシジミ幼虫の写真は すべて X 氏撮影。


PS . 私の実家のエゾノウワミズザクラで発生していたリンゴシジミはその後どうなったのでしょうか。


母が庭木にヤマボウシを植えるためにこのエゾノウワミズザクラを切り倒してしまいリンゴシジミは消えました。



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