北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

超高解像度デジカメ時代、北国のチョウの体毛に注目。

2017-05-30 19:41:22 | エゾヒメギフチョウ
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超高解像度デジカメ時代、北国のチョウの体毛に注目。


2015-5-1 (金) 晴れ


この日は天気が良い日で、近郊のエゾヒメギフ発生地をまわって、撮影をこころみた。


発生の盛期をやや過ぎたようで汚損、破損個体も少し混ざるが、この年は各発生地とも個体数が多く、撮影には適した時期であった。 


午後になると吸蜜中の個体は見かけず、あちこちに静止している個体が多かった。



この日撮影できたのは35♂♂1♀で、♀が少ないことより、今日の撮影場所は蝶が羽化したあと♂が集まる場所のように思われた。


それとも♀の羽化はこれから本格化するのだろうか。


この日はエゾヒメギフ♂が主体だが、それこそイヤになるほど撮影した。




しかし写真をコンピューターに取り込んでチェックすると、まあまあの写真は案外少なく絵に描いたような傑作写真というほどのものは1枚もなかった。







きれいな花に吸蜜しているといった、よく雑誌などで見かける優等生写真は、吸蜜シーンが無かったため撮れず、草や木や地表などに止まる個体を撮影出来たにとどまった。


エゾヒメギフチョウの幼虫が食べる食草、オクエゾサイシンの株。


木漏れ日の入る豊かな林床。 ここがエゾヒメギフの発生地。



ウバユリが多い。種子を飛ばしたあとのウバユリ。



最近ではカメラの性能がよくなり、まあまあの写真は誰でも撮れるようで、以前のようにただ花と蝶が写っているというだけでは評価は低いみたい。






 


しかし、それなりにチョウが写っているだけでも私は、とても嬉しい。


チョウのデジカメ撮影をしていて特に気づいたことがある。


それはチョウの体毛である。


北国のチョウはとりわけ毛深い。


特にエゾヒメギフ新鮮個体は毛むくじゃら。





このエゾヒメギフの体毛の状況がデジカメ画像ではっきりわかって、当初は大きな驚きであった。



銀塩写真のころは、それなりにチョウの生態写真も撮ってはいたが、体毛には気がいかなかった。


デジカメの超高解像度のせいでしょうか。








さらにチョウが死んでしまうと体毛は ねてしまうようで、人間でいう立毛筋のようなものがチョウにもあるのでしょうか?。






飛び古した個体では体毛ははげ落ちてしまうのかも知れない。


たとえば羽化直後のムモンアカシジミの前脚の見事な体毛は野外品では見られない。


生きているチョウの美しい体毛は高解像度デジカメ時代の新しい検討課題かも知れません。


従来は猛烈ネットマンそのものであった私だが、この日は写真撮影に徹してエゾヒメギフは一匹も採集しなかった。


この付近のエゾヒメギフ発生地は北見市の蝶愛好家たちは、とりわけ大切にしているので、目につく蝶を全部採集して持ち帰るということは、はばかられるということもある。


しかし他地域からここへ来る採集者を見ると、かっての私がそうであったように、普通目につくチョウは一匹残らず採集して持ち帰る。


これから撮影に向かう時は、どうかネットマンは誰もいませんようになどど祈りながら出かける昨今です。


幸い、これまでのところ、撮影目的で出向いたのにネットマンが現れてしまってオシャカということは経験していません。


とは言っても、状況によっては、私もいまだに一瞬にして古典的な猛烈ネットマンに変わってしまう性癖は変わらず、特段ネットマンを非難しているのではないこともご理解いただければ幸いです。


標本の重みは、それなりに変わりません。珍奇な蝶、珍しい蝶の標本には依然食指が動きます。


近年、チョウを取り巻く環境が大きく変遷しています。


日本のみならず世界的な趨勢として、私のまわりの古典的猛烈ネットマンは絶滅危惧種みたいな速度で鬼籍に入って行きます。






一方、若いチョウ愛好家を中心に採集のみならずデジカメ撮影に快感を覚える人は間違いなく増えているように思います。





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世界一美しいセセリチョウ、美麗カラフトタカネキマダラセセリ激写。

2017-05-24 01:19:43 | カラフトタカネキマダ...
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世界一美しいセセリチョウ、
美麗カラフトタカネキマダラセセリ激写。






2015-5-29 (金) 晴れ 気温30℃ 強風



私は世界中のセセリチョウをずいぶん見てきたつもりですが個人的にこのセセリチョウは世界で一番きれいなセセリチョウだと思っています。



この日、北見市近郊で、カラフトタカネキマダラセセリ(カラタカ)を撮影した。


この日本一長い名前の美しいセセリチョウは一般の人々の目にとまることはまず無いだろう。


とても小型である上に飛翔は電光石火、やたらと速く素早く飛び、おまけに蝶そのものが近年かなり珍しい。


昔と違って一箇所で10頭以上の個体を見ることは稀である。


私の場合、いけば必ずこの蝶を見れる北見市界隈の秘密ポイントは現在、わずか2箇所しか知らない。


とはいっても何かのはずみにこの蝶を発見することは毎年たまにある。


今回もまったく予期せぬ形でこの蝶に偶然会った。


しかも4♂♂も。


これらの蝶がいれかわり立ち替わり吸蜜したり草の葉上に静止したりしてポーズを取ってくれた。







同時に撮影したツマキチョウとくらべるとシャッターチャンスは毎回10秒以上もあって、撮影しやすい。


とても良いモデルさんであった。









4頭とも羽化したてと思われ黄金色の美しい羽根、北国の蝶らしいビロード状の細かな体毛が生き生きと逆立って、まばゆいばかり。








ドイツ箱にずらり並んだ展翅ミイラ標本からは想像もできない美しさに圧倒される。










カラタカに関してこんなに余裕のある撮影チャンスに恵まれたのは初めてであった。 


これまでの私がそうであったように、見つけ次第ひたすらネットしてゆくネットマンの採集とは異なり、写真撮影は相当に難しい蝶であるとおもう。


このとき思いがけずコチャバネセセリの1化も現れた。


北見市で、こんな早い時期にコチャバネセセリをみたのは珍しく、この間オホーツクではとても暖かい日が続いていたからだろうか。


午後2時30分。やがて強かった風がもっと強まってくると、さすがに蝶たちはみんな消えてしまったので撮影終了、帰路につく。


ちなみに今回使用した撮影機材は20年以上前に発売されて、いまだに幻の名器の誉れ高いコニカデジカメKD500Zです。



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ヒメギフチョウのブローチ

2017-05-20 11:36:53 | 蝶・昆虫・自然・同好会など
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ヒメギフチョウのブローチ


長野県佐久市産のヒメギフチョウの蛹10個があったので羽化箱に出したのですがほどなく羽化してきたのは羽化失敗個体ばかり。


結局完全に羽化したのは1匹のみでした。










エゾヒメギフとの違いは 前翅表面にY字紋がでないことですが、このY字紋の出現機序については以前論文を書いたことがあります。


かわいい孫三女君がやってきて、ヒメギフを見たいというので手にのっけたり飛ばしたりして遊ばせました。


最後は 服にとまって 粋なヒメギフブローチになっていました。









姉二人はエゾヒメギフチョウ採りの名人ですが彼女はまだ採ったことがありません。


来年、いきましょう。




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春の終わり、エゾスジグロチョウ春型、ツマキチョウと遊ぶ

2017-05-18 21:12:18 | 蝶・昆虫・自然・同好会など
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春の終わり、エゾスジグロチョウ春型、ツマキチョウと遊ぶ

2016-5-21 (土) 晴れ 暑い

夏みたいな日が3日続いて庭がひどく乾燥、水まき少しやった。

朝10時に家を出て近くの林道に蝶を見に出かけた。しかし期待していた崖ではジョウザンシジミみかけず。


エゾキリンソウの花はまだ咲いていない。キジムシロの黄色い花は咲いているがチャマダラセセリも見かけず。



風がけっこう強く吹いているためだろうか。林道を進むと木漏れ日の中を飛び抜けてゆくオナガアゲハらしきもの1匹目撃。


他は蝶まったく見かけずエゾスジグロさえいない。川沿いの林道を源流までかなり詰めたが蝶をみかけず引き返す。


渓流に、とてもよさそうなたまりを発見し釣ってみたが魚信なし。


しばらく我が家方面にもどって別の林道に入った。


まだ道路脇には植物の芽吹きが少なく、林道は乾いてほこりっぽい。


林道を走り、一山越えてまた下って、小さな小川を横切るポイントへゆくとエゾスジグロチョウ春型と思われるチョウたちが多数飛んでいた。



採集してみると小型で裏面の翅脈が太く飛翔が直線的で速いものと、やや大型で後翅裏面、羽根の付け根基部が黄色くゆっくり飛ぶもの、と二つの個体群がいるのに気づいた。



後翅裏面羽根の付け根基部が白く、小型で裏面の翅脈が太く飛翔が直線的で速いもの。






やや大型で後翅裏面、羽根の付け根基部が黄色くゆっくり飛ぶもの。







両者とも♂ばかりだ。最初はこの二系統の個体群はもしかすると別種どうしかも、などと思ったがたくさん採集してみるとクラインのように見えないこともない。どうも何とも言えない。





アカマダラ春型が多い。







やや発生が遅いサカハチチョウ春型はまだ1♂のみ。




モンキチョウ春型。



ツバメシジミ春型。



キベリタテハの越冬個体などもみられた。



キベリタテハはじめタテハチョウの越冬個体はみんな貴重です。ジンジンと筋肉の震動が指に伝わってくる。産卵よろしくと頼んでリリース。



山を下って平地部にさしかかるとツマキチョウ♂が小刻みに羽根をふるわせ山裾に沿って速く直線的にやってきた。


全速力で走って素早くチョウの前方に位置して待ちかまえ射程距離にはいったところで一発ネットイン。



快感だ。


またかってのネットマンの血が騒ぎだし、気がついたら血眼になってツマキチョウをさがしていたのであった。


遠くにツマキチョウを発見し、走って位置どりを決めて待ちかまえネットする。


空振りしたら、すかさず必殺ネット返しで追いすがりネットする。


いい大人が死にものぐるいで小さな蝶に追いすがり大型ネットを振り回してネットする。


知らない人が見たら、こんなに異常な光景は滅多にないだろう。


そう、誰も見ていないからこれでいいのだ。他人の目があったらこんな浅ましいなりふりかまわぬ採集はできない。


久しぶりに猛烈ネットマンの原点に戻ったのであった。


まったく止まる気配のなかったツマキチョウたちだが突然1♂が、目の前のタンポポに吸蜜に止まった。





チャンスと思い連写につぐ連写。この間数秒で飛び立ったが、なんとか吸蜜中のツマキチョウ♂を撮影できた。
 






川沿いに咲く美しいクリンソウを撮影。





このときネットを地面においたつもりがドジって川の中においてしまいネットぐっしょり。


これではもうチョウを採れない。


結局、この日 ツマキチョウは5♂♂をネットしたが♀は見られなかった。


私は恥ずかしながら北見市で一度にこんなに沢山?のツマキチョウを採集できたのは初めてである。


北見市では従来ツマキチョウはさほど多いチョウではない。


考えてみればオオイチモンジのほうがはるかに多い。


フキノトウがおびただしい数の種子を飛ばし始めていた。








 2時頃 帰宅した。



そのあと、庭の家庭菜園の掘り起こし作業で汗だく疲労困憊。


発酵牛糞堆肥を1坪あたり1袋すき混んだ。  


お向かいさんから旬のアスパラをいただき夕食に食べたがうまかった。 


夜 女子バレー 日本対イタリアをみた。 


2対3で負けたがリオ五輪枠は確保して一安心。




といった、他愛のない春の終わりの一日でした。






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北見市、2017年5月15日のリンゴシジミ幼虫

2017-05-16 21:03:43 | リンゴシジミ
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にほんブログ村北見市、2017年5月15日のリンゴシジミ幼虫

今日はリンゴシジミの幼虫を観察しに行ってきました。

3令と終令がみつかり中には全身赤色のもいましたよ。




さて、リンゴシジミの幼虫がついているこの食樹はいったい何でしょうか。

北見市の蝶愛好家 Z氏からのメールと写真でした。


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昆虫サロン 開催のご案内

北大総合博物館で、昆虫関係者の交流会を、毎月第4火曜日夕刻に開催します。
第2回目は、牧田 習さんが、ホソカタムシについて、紹介をしてくれます。
 
■ ■ 北大総合博物館 昆虫サロン ■ ■ 
 
話題提供 「アジア(日本・台湾)産ホソカタムシの紹介と
研究エピソード」(北海道大学理学部 2年(博物館ボランティア) 牧田 習)
 
会場 北海道大学総合博物館 1階 講演室(カフェぽらすの北側)
日時 2017年5月23日(火)午後6時半開場、午後7時から1時間程度
主催 北海道大学総合博物館 昆虫ボランティア
連絡先 大原昌宏(メールでお願いします)
 
○ 誰でも参加できます。参加の連絡は不要です。
○ 昆虫に関する講演を毎回一人30分ほどを予定しています。
○ 「カフェ ぽらす」で、One drinkを注文してください(これが参加費になります)。
センベロセットもあります(ビールなど酒類2杯とツマミ一品)。夕飯も食べられます。
○ 標本・文献交換会を行います。お手持ちの余分がありましたらご提供ください。
○ 講演後は、一人一話を予定しています。自己紹介と近況をお伝えください。
 
では、ふるってご参加ください。お待ちしております。
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大原 昌宏 (おおはら まさひろ)
 
060−0810
札幌市北区北10条西8丁目
北海道大学 総合博物館 
 
Masahiro Ôhara, Ph. D.,
Vice Director, Professor,
 
The Hokkaido University Museum
N 10, W 8, Sapporo, 060-0810 Japan
 
Tel. +81- (0)11-706-4506
mobil: +81 -(0)90-5984-0623
 
返信はohara@museum.hokudai.ac.jpへお願いいたします。