北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

道東、晩夏のメスグロヒョウモン

2015-11-30 19:08:12 | メスグロヒョウモン
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道東、晩夏のメスグロヒョウモン

2015-8-29 (土)  晴れ

近年、林道のヒョウモン類の主役はいつのまにかメスグロヒョウモンだ。

今から40年前は北見地方ではこの蝶を見ることはなかった。

少なくとも私は見たことがなかった。

やがてクモガタヒョウモンが完全に消え、カラフトヒョウモンが消え、ホソバヒョウモンがしばらくは増えて、その後漸減。

そして私が20年ぶりに北見市にもどってきたとき、メスグロヒョウモンはとても多い蝶、ごく普通に見られる蝶になっていてとても驚いたことを覚えている。

きっと地球温暖化に伴い北上してきたものと考えているが確証はありません。

この蝶はかなり長生きで♂は6月から見られ、最初はヨブスマソウの花が大好きで、その後ヨツバヒヨドリバナ、その後アキノキリンソウ、そして最後はこの白い穂状の花に吸蜜して最後の最後まで、9月まで林道の主役をつとめたあと静かに消えて行きます。


メスグロヒョウモン♀。











メスグロヒョウモン♂。






ミドリヒョウモン♂、 この蝶も相当長生きだと思います。











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夏の終わり、イチモンジチョウ、C-タテハ、猛毒トリカブト

2015-11-29 17:25:21 | シータテハ
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夏の終わり、イチモンジチョウ、C-タテハ、猛毒トリカブト

2015-8-29 (土)  晴れ



ヒメマルハナバチがひとしきり見られたあと、さらに林道を登ってゆくと汚損したヒョウモン類やイチモンジチョウが吸蜜していた。







色鮮やかにシータテハが1頭、日溜まりに止まっていた。


シータテハは採集後に手のひら写真をとったが何故か左後翅が破損していた。

左後翅破損の理由は何だろう。

きっと、小鳥につつかれかろうじて逃げ切ったのではないか....などと思いをめぐらせたのであった。





後翅裏面の白い C の紋が シータテハの由来です。


ここはイチモンジチョウの個体数が多いので、来年この蝶の撮影にくるには良い場所かも知れない。

きっとチシマヒョウタンボクも多いことが考えられ、そうすると近年人気の例のタマムシも多いかもしれない。

この林道はトリカブトの群落がいたるところに見られて青い花が壮観であった。

トリカブトの毒はアイヌの矢尻に使用されたが小樽の近くの銭函のものが最も毒が強く、好んで用いられたという。







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ヒメマルハナバチでしょうか?

2015-11-28 14:14:25 | 蝶・昆虫・自然・同好会など
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ヒメマルハナバチでしょうか?

2015-8-29 (土)  晴れ

ここは北見市近郊の標高300m ほどの林道沿い。

トラノオを思わせる白い穂状の花が林道沿いに見事な群落を作っています。

その花には沢山の蜂が蜜を集めにきていました。



ここまでの山奥になると、さすがにセイヨウオオマルハナバチの姿はありません。

ところで、この蜂の名前は何でしょうか。

ネットなどで画像検索すると、ヒメマルハナバチみたいに見えるのですが、いかがなものでしょうか。

蜂の同定に覚えのある方は是非、同定のポイントを含めてコメントしていただければありがたいです。








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野外におけるオオムラサキ矮小型の前翅長測定

2015-11-26 20:15:15 | オオムラサキ
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野外におけるオオムラサキ矮小型の前翅長測定

2015-11-14

モルフォオオムラサキの入っている高木秀了氏の標本箱に、たまたまとても小型のオオムラサキが入っていました。

小型・矮小型オオムラサキとしては、これまで稀にみられるオオムラサキ2化個体で観察されています。

または飼育時のひどいエサ不足などでもみられます。 

しかしこれらはそのどちらでもなくて 八剣山でオオムラサキが大発生した年に採集されたものでした。

試みに物差しを持ってきてもらい前翅長を測定してみました。


普通型♂  2012-7-4  八剣山 前翅長 46mm
矮小型 ♂ 2011-7-23 八剣山 前翅長36mm



普通型♀  2012-7-22 浜益村 前翅長53mm
矮小型♀  2011-7-23  八剣山 前翅長40mm




ついでに、夕張産オオムラサキによく見られる三日月紋の個体がありました。

一時期夕張産オオムラサキに特有の形質かとおもわれましたが、その後夕張以外でもしばしば見られることがわかりました。

ちなみに私の標本箱には40年前、札幌円山公園で野外で終令幼虫多数を採集してドイツ箱一杯のオオムラサキ標本をつくりましたがかなりの三日月紋個体がでていました。



2012-7-21 札幌市藻岩山 三日月紋オオムラサキ

 上は 普通型の♂



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2015年、モルフォオオムラサキ大拡散の試み

2015-11-25 22:04:40 | オオムラサキ
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2015年、モルフォオオムラサキ大拡散の試み

最近、話題になっているモルフォオオムラサキ。

雄の翅表の青がモルフォチョウの構造色のようにギラリとスカイブルーに青く輝き、一瞬これがオオムラサキかと目をうたがってしまいます。



何年か前のインセクトフェアで初めて見たような気がします。

通常のオオムラサキ鱗粉の櫛状構造の櫛上のヒダ間隔が103nmであるのに対し、モルフォオオムラサキでは169nm で、とても広くなっており、これがギラリ青く輝く構造色発現の理由であるという。

これまでも日本各地や中国山東省などで、比較的個体数の少ない産地において稀に見られていたようです。

あまり報告されることはなく、稀少性が高いが故にマニアの間で高額で取引されていたようです。

2014-9-7のオークションでは 1♂ 60800円で落札されていました。

劣性ホモで出現するとおもわれるこのモルフォオオムラサキを5年間にわたって累代・かけあわせを続けた結果、モルフォオオムラサキの純系種苗が確立された模様です。

種苗を確立された方のご苦労は大変なものであったと思われますが、この方の立派なところはこのモルフォオオムラサキを、ごく普通に見られるものにしてしまいたいと考えたことです。

すなわち稀少種、稀少個体を追い求めるマニアたちがあまり見向きもしない、ごくありふれたものにして、このチョウが自然状態で見られる滋賀県某発生地の個体群や生態系を乱獲から守ろうと考えたことです。

正にすばらしい発想の転換だとおもわれます。

単に採集禁止の指定のみ、看板をかかげるのみ、密猟者検挙に明け暮れるのみの、古典的でほとんど効果がない一般的な希少種保護対策に一石を投じるものです。

程度の差が大きいのですが多少なりともモルフォ的な輝きを現すオオムラサキ♂は大発生時の札幌近郊の八剣山でもみつかり jezoensis に高木秀了氏が発表しています。

昨年は 3000匹を越える純系モルフォオオムラサキの越冬幼虫がつくられ全国の愛好家に発送されたといいます。

これらがさらに累代されればおびただしい数のモルフォオオムラサキが日本中にあふれることになります。

jezoensis への発表が縁で この幼虫35匹が札幌市の高木秀了氏のところにも送られてきました。

北海道の蝶の飼育の達人、小高密春氏がこれらを飼育して 7♂♂2♀♀が見事に羽化しました。



このうち1♂が 2015年度北海道昆虫同好会懇親会のオークションに出品されたことは先のブログ記事に書いたとおりです。

落札価格は 7500円でした。

白熱したセリではさらに高額に発展しそうな勢いでしたが名音頭取り、事情をよく知っている島谷会員の裁量でこれで急遽落札、この蝶大好きの女性会員の手元にわたったものです。

モルフォオオムラサキ全国大拡散の動きはすでに北海道においても見られ、たとえば F氏の標本箱にもすでに名古屋方面からのモルフォオオムラサキ♂が鎮座していました。


北海道浜益村オオムラサキ♂♀


 左2列はモルフォオオムラサキ。右2列は浜益村通常型オオムラサキ。


モルフォオオムラサキ♂。


モルフォオオムラサキ♂。



もう一度、北海道浜益村オオムラサキ♂♀。


なかなか写真ではモルフォオオムラサキのギラギラスカイブルーをうまく表現できませんが 通常型オオムラサキ♂との違いはおわかりになられたのではないかと思います。






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