北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

北海道松前町で発見されたヤマトシジミ 補追

2019-12-05 01:31:12 | ヤマトシジミ

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北海道松前町で発見されたヤマトシジミ 補追


函館市の対馬誠さんから 松前のヤマトシジミについて 2019-11-30 さらなる情報のメールがとどきました。


函館市の対馬誠です。

先日は北海道昆虫同好会の総会、懇親会で少しの時間でしたがお話をすることができて嬉しかったです。

ブログに松前町のヤマトシジミ、掲載ありがとうございます。

若干、日付等が違っている部分がありますのでお知らせいたします。

山下寿春氏が採集したのは、2019年9月1日です。

その日は私と山下氏二人で松前町で迷蝶を探していました。

松前町で山下氏が採集したシジミを、その場で私がヤマトシジミと確認しました。

9月1日は1時間程で山下氏が3♂、私が5♂の計8♂を採集しました。

飼育した蛹は11月中旬に大半が羽化しました。

室内で気温が高かったので羽化したと思われます。

松前町で幼虫が越冬して来年発生できるのか?楽しみでもあり、不安でもあります。


今後も宜しくお願いいたします。




道新の記事から山下寿春さんが2019-9-1 に松前町で8匹のヤマトシジミを発見したと前ブログ記事で報告しましたが、実際はその日、山下さんが3匹、対馬さんが5匹を採集したということのようです。



種ヤマトシジミは亜熱帯から日本東北地方まで分布するとされていましたが、今回北海道松前町で140匹もが採集されたことから、もしかすると北海道に定着の可能性もあるのではとの期待もあります。



原色日本蝶類生態図鑑(Ⅲ) 保育社 p250 1983 によれば本種にはもともときまった越冬態がないと述べられています。



亜熱帯地方では幼虫は冬期でも摂食を続け脱皮、変態を行うが、日本本土では中齢〜終令幼虫で越冬する場合が多いとされています。



本州の暖地静岡県久能山下での越冬態調査では越冬態の多くが終令幼虫であったが越冬蛹も発見されたという。



もし土着とすれば、より寒冷な北海道での越冬態はどのようなものなのかも興味深いとおもいます。



今後の対馬さんたちのご健闘を期待します。





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本州最西端、下関のヤマトシジミを撮影

2019-11-20 03:32:40 | ヤマトシジミ
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本州最西端、下関のヤマトシジミを撮影







2019-9-12(木) 晴れ


この日、下関での学術集会に出席するため前夜から下関ドーミーインに宿泊している。



今回はビデオワークショップと一般演題の二題を発表するため、はるばる北海道からやってきた。



フグ(現地ではふくと呼ぶ)料理で有名な下関は明治維新のきっかけとなる種々の出来事があった。



歴史マニアにはたまらない魅力的な地らしい。



本州最西端の地でもある。



朝 6:00 起床。  



屋上の温泉に入って 6:30からバイキング朝食。




ふく雑炊がおいしく おかわり2杯。



そのあと散歩がてらホテルの近くを歩いてみた。



焼き肉店と、ふく料理店が多い。




公園があり高杉晋作の像があったが 女性みたいな顔立ちの像であった。









このあと奇兵隊発祥の地でみた高杉晋作像は一変して精悍な若者の姿であった。



下関の街路樹にピンクの花満開のサルスベリがあった。






白花のサルスベリもあった。
 


高い階段の大歳(おおとし)神社があり石段を登ると115段あったが 毎日病院5階まで階段を登っているので苦もなく登れた。







この女性はきつい階段を上るのをためらい、下から神社を見上げて参拝していた。




 

公園の日陰になっている草地に ヤマトシジミ が5-6匹チラチラ低く飛んでいて、まだ早朝のせいかよく止まってくれたのでせっせと撮影した。





この蝶は本州以南では最普通種の、それこそどこにでもいるらしいシジミチョウのようだが北海道には生息しないとされてきた。












それで、北海道人の私には、本州の蝶愛好家がシロオビヒメヒカゲを見たときみたいに、とても嬉しい蝶である。











♀翅表は真っ黒け。






以前富山県富山市で 同じく9月に撮影した明るい色調の個体と較べると斑紋が大きく 黒っぽく見えて明らかに異なる気がするのだが。



この♀はカタバミの葉表面に産卵している。


  


亜種かなと思ったが 種ヤマトシジミは屋久島以北のものはすべて Zizeeria maha argia Menetries とされていて同一亜種。



奄美以南のものが Z. maha okinawana Matsumura とされていて外見的にとても異なる。




すなわち九州、四国、本州のものはすべて同一亜種扱いのようだ。




昭和56年発行の図鑑 日本の蝶 藤岡知夫著によれば岩手県野田村が本州の分布北限とされている。






その後、最近の温暖化にともない近年、この蝶の分布北上はどうなっているのだろうか。






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