北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

エゾスジグロチョウの大集団の下にあったのは。

2024-08-16 17:20:04 | エゾスジグロチョウ

 

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エゾスジグロチョウの大集団の下にあったのは。

 

20XX-7-29 (土) 晴れ 27℃

 

この日、北見市近郊の山奥の渓流にヤマベ釣りに出かけました。

 

 

この時期、オホーツクの山奥の林道ではエゾスジグロチョウ夏型が大挙して発生し、羽化したてのオスたちがしばしば大吸水集団を作りその光景は圧巻です。

 

普通は水たまりや湿った地面などに多いが、なんとなくいつもとは違ったような違和感を感じる集団を発見しました。

 

おびただしい数のエゾスジグロチョウ集団の中にはキバネセセリやアカマダラ 夏型の姿も見えます。

いつものことだが、このようなエゾスジグロチョウの大集団の撮影は、そう簡単ではありません。

 

 

これ以上は無理というほどそーっとそーっと注意深く接近してシャッターを切ってゆきますが、大集団の中にはどうしても見張り役みたいな敏感な個体がいて、いち早く私の接近を感じて舞い上がってしまいます。

 

 

それにつられて次々とチョウが舞い立って、最後は少数のチョウが残るのが普通です。

 

 

今回はズームを効かせてやや遠くから撮影しながら接近しましたが、やっぱり同じで当初の見事な大集団を撮影するには至りませんでしたが、まあまあの集団写真が撮れました。

 

 

 

ほとんどのチョウが飛び去ってしまったところでよく見ると、チョウたちはエゾタヌキの半ばミイラ化した屍体に群がっていたことがわかりました。

 

なんらかのの理由で( 車にはねられる、いわゆるロードキルが多い )非業の最後を遂げたエゾタヌキ君はもうすぐ林道に吸収されて、毛は少しづつ風に飛ばされて、やがて誰にも知られず消えてゆくのだと思います。

 

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エゾスジグロチョウ夏型オスの大吸水集団。

2023-09-29 15:45:06 | エゾスジグロチョウ

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エゾスジグロチョウ夏型オスの大吸水集団。

 

202X-7-25 (土)曇り のち霧雨 18度C

 

 

 

午前9:30起床。  午前中は庭や畑の雑草とり。

 

 

 

昼食は 冷や麦。 午後、何となく釣に行きたいりモードになった。

 

 

 

そこで午後1時。近郊のヤマベとニジマスの多いへ渓流へ向かって出発。

 

 

 

 

この渓流沿いの林道は昨年、大雨で道路崩壊部分ができて入れなくなっていたが、きっと修復されているだろう。

 

 

 

 

予想どおり、林道の状況は良くなっており渓流釣りポイントまでまっすぐ進んだ。 

 

 

 

 

林道に 二カ所 エゾスジグロチョウ♂の100匹ほどの吸水集団がいて撮影。

 

 

 

こういった吸水集団の常で♀は見られず♂ばかりなのは他のチョウ類と同じである。

 

 

 

 

今のところオホーツクでは超普通種なのだが、羽化したての個体ばかりでそれなりに美しいと思う。

 

 

なぜか、この数年、エゾスジグロチョウの大吸水集団がしばしば見られるようになっている。

 

 

これらの何倍も多数の個体の吸水集団もしばしば見られ、ちょっとした異変を感じている。

 

 

一カ所はわからず通りすぎてチョウ吹雪が舞い上がって気づいた。

 

 

 

 

かなりの個体が、私以外の車に轢かれてぺっちゃんこになっていた。

 

 

 

 

ここは道東、オホーツクなので、いわゆるヤマトスジグロチョウはいないことになっており、これら吸水に集まっているのは全てエゾスジグロチョウなのでしょうか。

 

 

 

 

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早春、キタミフクジュソウ、エゾアカガエル、エゾスジグロチョウなど

2021-01-20 13:33:39 | エゾスジグロチョウ
早春、キタミフクジュソウ、エゾアカガエル、エゾスジグロチョウなど


20XX-5-14 (土) 晴れ



気温がなかなか上がらないが北見市郊外、エゾヒメギフチョウの発生する林道へ向かった。




途中でライフルを持ったハンターがいた。また春の熊でもいたのだろうか。




雪解けがやや遅れたせいかエゾヒメギフポイントはまったく植物がなく。蝶はなにもいない。




それでも2時間ほどねばったが諦めて、林道を下り始めた。




明るい斜面にこのブログでしばしば登場するキタミフクジュソウが咲いている。







かってはフクジュソウと混同されていたが、ガクが花びらより長く、葉裏・茎に微細な毛が密生することなどからキタミフクジュソウの別名で独立種とされた。











北見市産の個体群で記載されたのでしょうか。





春から初夏に群生して咲く水芭蕉の群落をたいそうありがたがるのは世界中で日本人だけらしく、独特の悪臭を発することから欧米ではスカンクキャベツとまで蔑称されている。

 



日本人が水芭蕉に特別の感情を持っているのは  夏が来れば思い出す  はるかな尾瀬............といった有名な歌のなかに出てくる水芭蕉群落のせいだと思います。





道路脇の小さな池にはエゾアカガエルが産卵している。













フキノトウの多い場所でエゾスジグロチョウ春型が吸蜜している。




オホーツクにはヤマトスジグロチョウは分布しないとされ、同定に苦慮することはないが、当然ながら私自身はこれら二種を肉眼的に区別することができない。











盛んに♂がプロポーズしているが、♀は腹部をピンとあげてしまい断固交尾拒否の体制です。もう交尾済みなのか、気に入らない♂なのか不明。






さて、気温も上がってきたようなのでエゾヒメギフチョウを求めて別の場所に移動してみます。



     この項、続く。




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エゾスジグロチョウ夏型♂の大吸水集団、♀の交尾拒否.......と青い鳥。

2020-07-19 21:50:51 | エゾスジグロチョウ
エゾスジグロチョウ夏型♂の大吸水集団、♀の交尾拒否.....と青い鳥。


2017-7-23 (日)  曇り  22度C


いつもの林道分岐の広場には100頭規模のエゾスジグロチョウ夏型♂の大吸水集団がいくつもみられた。





吸水集団を作っているのは全て♂で♀はみられない。




吸水集団と言ったものの本当に水分を求めて集まっているのか、なにかミネラルを求めて集まっているのかはわからない。



というのは、枯れ木などに集団で集まったり獣糞に集まったりすることも多いので必ずしも水分補給という目的ばかりではないのかも知れない。






ミヤマカラスアゲハ吸水集団では、まさに水を吸ってお尻からぴゅっぴゅと水を飛ばすポンピングがみられるがエゾスジグロチョウはじめシロチョウ科の集団ではポンピングは観察されない。





セセリチョウ科の吸水集団などでみられる吸いもどし行動もシロチョウ科ではみられない。




集団を作る目的もチョウの種類によっていろいろなのかも知れない。




エゾスジグロチョウの吸水集団はミヤマカラスアゲハの吸水集団と異なり、さほど敏感な様子はなく十分に接近して撮影することが可能でした。




それにしても今年はかなりの数のエゾスジグロチョウが羽化したようで実に壮観です。





せっせと撮影。 






吸水集団とかなりはなれたところではヨツバヒヨドリの花に吸蜜中のエゾスジグロチョウ♂がみられました。エネルギー補給中といったところでしょうか。




さらに少し離れた木陰の葉の上にひっそりと止まっているエゾスジグロチョウの♀を発見しました。そーっと近づくと♂の接近と勘違いしたのか、ピッと尾端を持ち上げました。




これはシロチョウ科の♀が交尾拒否を表明している、いわば交尾拒否行動といわれているものです。





すなわち、このメスはすでに交尾済みということです。






かって猛烈ネットマンであった頃の私は稀種ばかりを熱心に追い求め、超普通種代表のエゾスジグロチョウ等にはほとんど興味がありませんでした。




しかし、このブログを始めるようになってからは、エゾスジグロチョウは多くの意味で謎だらけ、さらには生きているこのチョウの美しさにも目覚めてしまい、最高のターゲットになってしまいました。




幸いなことにはオホーツクでは本種と紛らわしいスジグロシロチョウはとても少なく、さらに紛らわしいヤマトスジグロチョウは分布しないことになっているので、これらの奥歯に物がはさまったようなやたらとあやふやな基準での肉眼的同定に苦慮する心配はありません。




少なくともオホーツクの山間部で見られるものの殆どはエゾスジグロチョウとみなしてもさしつかえない状況なのもうれしいところです。










私は日本のみならず世界中の辺境(フロンティア)を回ってひたすら珍しいチョウを艱難辛苦のすえ捕獲して標本を作製、それらをたくさん標本箱にならべては大満足、それを誇示したり、文献や書籍にまとめて発表したりして多くのチョウ収集家・愛好家たちの賞賛の声などをこのうえない快感として過ごしていたような気がします。


しかし、私は年をとり猛烈ネットマンは肉体的・精神的に無理となりました。


高度経済成長と引き替えに殆どの身近な自然環境を失ってしまった日本では、これまでのような採集一辺倒のチョウの趣味は成り立ちにくくなり、さらにかっての熱心なチョウ愛好家の多くは長年の不摂生のせいか、比較的早めの鬼籍に入ってしまいました。


世界の人口の爆発的増加で日本のみならず世界各地でも貴重な自然はことごとく消滅、かっての私の舞台であったフロンティアも、その多くは消えてしまいました。




こんな状況下で、青い鳥を求めて世界中を回り続けてみた結果、実は本当の青い鳥はもとから目の前にあった、今はわずかに残された日本の自然そのものなのだとつくづく感じ入る昨今です。








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