はじめ予告編を見て、心臓移植をめぐっての複雑な人間たちの葛藤の物語と思った。まあ、そういう物語だったが。
主役はショーン・ペンとナオミ・ワッツ。二人とも素晴らしい役者だ。
私は、ショーン・ペーンという役者の演技が怖い。多分「アイ・アム・サム」を見てからだろう。ロバート・デニーロより狂気を演ずるのがうまい。過去の配偶者がマドンナとロビン・ライトというから驚きだ、まるで筋肉との結婚だ。
ロビン・ライトは数年前にケーブル・テレビで見たドラマ「ハウス・オブ・カード」で副大統領の妻役で見た時から注目していた。硬質な魅力を持つ女優だ。
ナオミ・ワッツは始めて見た時にニコール・キッドマンの小型版かと思った。ところが、二人とも無名の時にオーストラリアの同じ演劇学校で、今も個人的に仲がいいと、後から知って驚いた記憶がある。
ストーリーは時間の前後が錯綜しているが、途中からわかりやすくなる。白黒映画のような色彩感であった。
ネットで映画を見るときは、いつも細切れに見るのだが、これは通しで見てしまった。
久しぶりに肩が張った映画であるが、良かった。
タイトルの21グラムは初めは心臓の重さかと思った。どうも魂の重さであるとか。人は死ぬと21グラムだけ体重が減るそうだ。
日本人的には魂の重さが2.1gぐらいなら信じるかもしれない、…。(2003年公開)