畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載23『マムシ』(嫌いな人は写真スル―!)

2015-06-12 19:56:43 | 山菜


  堀之内のマムシ

 母がその実態よりも伝説化され、まむし獲りの名人と呼ばれていた事は知っていた。
母を真似た訳でもないが小さい時から母の仕種を見ていて自然に覚え何時の間にか一人でも捕まえるようになった。

 母が前掛けにそっと包み込み持ち返ったような具合にはまだいかず、
首に細く裂いた手拭いを縛り付けつつも生かして帰る。最近はレジ袋にそのまま収める獲り方に方法は変わった。

 可愛そうでもあるがそこは堪忍してもらい普通は三十五度の焼酎をたっぷり飲んで頂く。
で、或時ウィスキーに入れると、その強烈な匂いがしないと聞き、
タイミングよく捕まえた蝮に安物で申し訳なかったが飲ませてみた。

 家内が捜し物で地下の物入れを明け大声で悲鳴を上げた。
そこにはほぼ空になり底に蝮の鎮座するウィスキーの空き瓶があった。父が飲んでしまったのだ。

 捕まえる際、運悪く殺してしまった蝮は焼いて食べるが埃臭い煮干のようで旨くも無い。
最近は度数が四十七度もある、マムシのイラストのラベルを貼った「マムシ用」なる焼酎も売られている。

 その宣伝ではあるが、マムシ焼酎が独特の悪臭を放つのは、アルコール度数が低いために、
蛋白質が腐敗してしまう匂いだと言う。
それでは度数が高いほど良いのかと言うと、それも駄目で、蛋白質が凝固して成分が出無いと言うのが、
焼酎メーカーの言い分である。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マックスに学ぶ日々

2015-06-12 04:35:44 | マックス

 マックスの寝たきりの暮らしが続いています。
昨年の春、15歳を越えた頃から顕著な老化現象が見られ、何回も危篤状態に陥った。

 昨年は、何回か娘達を呼び寄せたりもしたが、その都度奇跡的な生命力で復活した。
その時は、それから一年以上も生き延びるとは思えなかったのです。

 しかし、寒い冬さえ無事に乗り越え16歳の誕生日を迎え生き続けています。
この冬は認知症気味で、雪の降る夜中にさえ何回も吠えて起こされ、散歩をしていた。



 散歩の距離も徐々に短くなり、そして転びやすくなってハーネスを付け上から引いて身体を支えて歩いた。
なんとか、家から100メートルほどの駅まで歩いていたのがそれもできなくなり寝たきりの生活に。

 今はハーネスも、リードも、首輪さえも必要無くなり生まれた時の姿のまま。
表のシャッターの前に毛布を敷いての暮らしが続いています。

 虫よけに家具屋さんから、赤ちゃん用の「蚊帳」を買い求めて被せています。
昨夜は2時頃に鳴く声で目覚め、マックスのところに行き、おしめとペット用シーツを交換。

 そして、水を口元に持っていくと、しばらくその水を飲み再び寝る体制に。
蚊帳をそっと掛けて、枕に頭を載せて上げて、疲れた身体で再び眠りに落ちた。



 マックスの介護用品です。
ペット用のシャンプーと、除菌ウエットティッシュは娘が買ってきてくれました。

 下の用も自分では、ままならなくなり「おむつ」の暮らしになってからしばらくになります。
それでも、排尿、排便はその都度鳴いて知らせる。ええ、夜中でもです。

 波は多少あるものの、朝晩の食事もしっかりと摂り続けている。
枕に、頭を乗せた状態で寝たきりなので、食事の際は枕をはずし、左手で首を支える。

 そして、右手でプラスチックのスプーンに載せた食べ物を口に運ぶ。
赤ちゃんに食べさせるように「はい、アップーン」なん言いながら食べさせるのです。

 マックスは3歳の時に致死率の高い法定伝染病の「レプトスビラ」に感染。
獣医さえ、諦めて死亡後の解剖の話しさえ口にしていたのが奇跡の復活。

 奇跡の復活の陰には、半ば諦めて泣いているスベルべを横目に献身的に看病した妻と娘の力が有った。
16キロから12キロにまで体重が減少し、一口も食べ物を口にしなかったのに、一カ月以上も経ち、
大好物の鶏肉の一片を口にしてから、奇跡の復活劇を見せてくれたのでした。

 そして、今も奇跡的な生命力で生き続け、命の大切さ、尊さを教えてくれる毎日です。
生き物は、命ある限り頑張って生き抜く。生きなければならないのだと教えられる思いの日々。

 正直なところ、超多忙な農作業の合間の看病は大変です。
そして、日々衰えが激しくなる中で、安楽死の考えも二回ほど本気で考えました。

 でも、今はこうして必死に生きる姿を見て、最後まで見取ろうと覚悟を決めています。
やがて、そう遠くは無い我が身にも来るであろう、老いゆく姿です。

 黙って、嘆かずに淡々と老いていく。生老病死は世のならい、そんなものだと教えられるような日々。
年を取る、老いていくってそんなものだよと、マックスに教えられるような日々が続きます。
 

 
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする