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「中の岳」で学んだこと(その1)
中の岳に家族四人で登る事になった。三山縦走は家族の力では無理とあきらめ、越後駒ケ岳、
八海山に続いての単独登山となったのだ。
中の岳を単独でと登るには三国川沿いの「十字峡コースが最適」とそのコースを選んだのだったが、登山仲間には笑われた。
「あのコースは三山縦走時の避難路みたいなもので登る奴はあまりいないぞ」と。理由は登り始めて知る事になる。
さて、登り五時間の長丁場になると、家族は張り切って朝食をカレーライスで身体が重く感じられるほど食べた。
そう、食べる、食べられると言う事も若さと体力の証しなのだ。
登山口に車を止めて、日の出前に昇り始めたが、日が差し始めて初めて木陰の無い、
太陽をまともに背負うような登りには不向きで、きついコースだと知ったのだった。
途中で下山して来る、学生と思われる登山者と出会った。
その登山者は「山頂の小屋に遭難寸前の単独行者が居て、誘っても一緒には下りなかった、
会ったら一緒に下山するよう勧めて下さい」と言われた。
家族は快調に歩を進め、ガイドブックに有った登山予定時間よりも一時間ほど早く山頂に着いた。
避難小屋に入ると、疲れ果てた感じの初老の登山者が濡れた靴下を絞っていた。
食べ物やその他必要なものは無いかと尋ねるが「何も要らない」と言う。
(続く)