(二回、出向を経験しましたが一回目は純然たる民間会社。勉強になりました)
「汗」(その2)
時は過ぎ、平成六年の未曾有の日照りの際も現場にいた。
軌道関係会社に出向して、軌道工事管理者として毎日走り回っていた。
これも今では許可にならないが、八月の猛暑の中で、二キロメートルのロングレール化を行なった。
日中の間合を利用して、打って返し(同じ工法で、少しずつ繰り返して行う方法)の散水工法だった。
十日あまりの工事が終わりに近付いた時、とうとう散水用の水の水源が無くなってしまった。
前日地元の土地改良区に出向き、水田の用水を回してもらえないかと、頼みに行った。
返事は「私たちも困っています。あなた方に回して上げられる水はありません」の一言だった。
そのままでは延期にせざるを得ないかと頭を抱えた。
(続く)