畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

新聞掲載「風」(その1)

2020-05-29 06:17:41 | 暮らし
     風(その1)

 皆さんは風を知っていますか、などと言うと叱られるかも知れない。
でも線路上の熱風は知っている人は、そう多くは無いのではと思います。

 私も砂漠の熱風を知っている訳ではない。
しかしそれに近いのではないかと思われる経験は持っている。
真夏の線路上である。

 ご存知のように夏場のレール温度は55度を超える事も珍しくはない。
その中での気温は図ったことも無いが、陽炎が燃え立ちレールからの輻射熱と、
砕石からの熱気は喉が痛くなるほどの事もある。

 その熱気を吹き飛ばしてくれるのが風である。そよ風でさえ全く温度は違ったものになる。一時期働いていた保線管理室と言えば、足で歩いて検査データを集めるのが専門だった。

 灼熱の線路上さえ、当然のように歩いた。風のありがたさを思うのはこの時だ。
微風でさえ、向かい風なら汗の蒸発を助け涼しくしてくれる。
しかし反対に追い風、しかも歩く速度と同じ程度となると最悪である。

 サウナ風呂に入ったような状態となる。
シャツのみでなく、作業ズボンさえ汗まみれになってしまうのだ。
         (続く)
コメント (2)
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