「汗」(その3終わり)
しかし奇跡的に、当日夕立が来た。レールは計画設定温度まで下がった。
流した汗が報われたと思った。唇まで日焼けする事を知ったのもこの時の事である。
作家の故中上健次氏の「男は汗をかいて妻子を養うものだ」と言う趣旨の言葉にも同感で、
力を得た気がする。
こんな経験をしての良かったと思うのは、汗をかくことが気にならないこと、
めったに風邪も引かない頑健な体になった事などである。
むしろ暑い夏が好きで、休日は畑で汗をかく。食事時には乾いた身体に一杯のビールが染み渡る。
この頃は、夏場に太ってしまう始末で家族を驚かせている。
夏にたっぷりと赤外線を浴びた体は少々の寒さにも負けません。
風邪も滅多に引かない頑健な体にいつの間にかなっていたのだ。
(終わり)