ネズミに齧られたのか、断面が半円形。折口から白い渋がにじみ出る。
ムラサキマサリ(その1)
なんだか貴重種の蝶の名前のようだが、これはサツマイモの名前だ。前にも述べたが、それまで見様見真似というやつで何年もサツマイモを作り続けていた。それが、滝沢種苗のオジーさん、滝沢久寛さんの知己を得て初めてマルチ栽培の方法を学んだ。マルチの張り方に苦労する私を見かねて、妻がオジーさんに指導を願い、我が家の裏の狭い庭で実演までお願いしたものだ。
何事にも研究熱心な人で、見たことも無いような品種も栽培しておられて、苗を分けて頂いたりもしていた。ある日「日本芋類研究会に聞いてみようかな」なんてつぶやきを聞き、冗談を言ったのかと思った。
調べてみると、確かに存在する機関で伝統もあるらしい。曰く、そこからまだ市中に出回っていない品種の苗を購入し種芋を採り増やしているのだという。紫色のサツマイモとしては今でこそ一般的になったがパープルスイートロードを始めに、同じ紫色の珍しいアヤムラサキやムラサキマサリなども作っておられた。
(続く)