(まだ若く、そして元気だったマックスも冬の山が大好きでした)
チーズフォンデュ(その3終わり)
7、8年前の冬に、妻と娘を誘い、犬のマックスを伴って勇躍山に向かった。
しかし、中間地点で「トーちゃん、ワインは持ったよね」と言う妻の声に慌てた。
山用のガスコンロ、そして洒落たあのフォンジュパンはリュックに入れた記憶は有るが、
肝心のワインを入れた記憶が無かった。
慌てて、リュックの中を掻き回したが入れた記憶の無いワインが見つかるはずも無い。
「ヨシッ、先にマックスと行っていて、取りに行ってくるから」、
と大慌てで山道を滑り降りて取りに入って来る羽目となった。
しかし、美味しいチーズフォンジュが待っているから山道の往復だって楽なもの。
やがて、妻たちが待つ、山の畑に着いた。
山の畑の端、もっとも良く宇賀地盆地が見える場所でスキーを脱ぎ、雪を踏み固めて臨時のテーブルが出来上がる。
ガスコンロにフォンジュパンを掛け、オープナーでコルク栓を抜き、ワインを注ぐ。
ワインの温度を見計らって、フランスパンの角切りを長いフォークに刺し均一に溶け出したチーズを絡めて、
熱々を口に運ぶ。
冷たい白ワインが喉をうるおし、汗をかいた身体に沁み渡る。
ゆっくりと景色を眺めワインを楽しみたいのだが、残念な事に邪魔が入る。
マックスはチーズが大好物なものだから、そうでなくても鼻が良く気付くと言うのに、
温まって香りを立てるチーズが気になって仕方ない。
フォンジュパンをひっくり返されたらたまらないから、まだ入れていないチーズの塊を遠くに投げ、
マックスが食べている間に食べる事になるのだ。
こうして、楽しくて美味しい、冬の散歩は終わった。下り道は快調だ。
負けず嫌いでコースを譲らないマックスをからかいながら下ったのだった。
(終わり)
自慢じゃないですが、雪国で無かったら出来ない事ですからね(笑)。
雪国も昔に比べたら屋根雪除雪などに苦労することも無くなり、楽しめる環境に。
今年は小雪で、コンディションが悪く山には登れないかもしれませんねー。
魚野川を挟んだ反対側の山にもスキーで登ったし、一口で言ったら物好き、酔狂者なのでしょう。
奥様はスキーの選手ですから雪山は慣れたものだしご夫婦でお出かけはいいですね。お似合いだね、ヒューヒュー♪