夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

畠中恵著「ねこのばば」新潮社

2005-05-07 15:49:14 | 本と雑誌
祖母ぎんの正体は 「皮衣(かわごろも)」なる人ならぬモノで 人間の世界では 死んだことになっている

姿は そのぎんの一人娘で 縁談が降るようにあった母たえに 似たのだから 若だんな一太郎は かなりの色男なのだろう

勘も鋭い 頭も良い
だが・・・体が弱かった

祖父母のつけてくれた これも人外のモノ 犬神の佐助と 白沢の仁吉

若だんな様大事の二人に守られ 屏風のぞきや 鳴家(やなり)達と共に 一太郎は 病気の合間に 寝込んでいる間も奇妙な事件の謎を解いていく



ーカリカリに痩せ あばらは浮き 顔は骸骨に皮を張り付けたようで 見てると何故か気分が暗くなる(中略)
上等の古着を貰って着ても まるで つぎはぎのぼろを纏っているかのように見えてしまう

四十なのか五十なのかも分からず 古びた人の干物が歩いているようだったー(「茶巾たまご」より)

と描写される金次の正体も面白い


利発な迷子於りんには鳴家が見える「花かんざし」

くえない坊さんと一太郎のやりとりが楽しい「ねこのばば」

佐助の切ない思い出がからむ「産土(うぶすな)」

幼馴染お春の縁談と その嫁入り相手 「たまや たまや」

このシリーズは映像化が予定されている・・・らしいです


畠中恵著「ぬしさまへ」新潮社

2005-05-07 01:10:25 | 本と雑誌
朝昼晩と それぞれ別の病気で死に掛けるほど 体の弱い一太郎

度胸も良く頭もいいのに 勿体無いねぇーと岡っ引きの親分は思う

色男の仁吉の失恋話も入った短編集

妖しは思う 人のほうが よっぽど恐いさね