埋葬手続きの仕上げの書類提出に霊苑事務所へ行き 墓掃除もしてきた
お墓は山にあるので 掃除をしていたら桜の花びらが風に乗って流れてくる
淡いピンク色のひとひら ひとひら
墓石に降りかかるそれを指で摘んで取り除ける
帰り道 散り際の桜から花吹雪がフロントガラスにかかる
最後になった入院の前 家で 父は今年は花見までは生きていられないだろうと言い その通りになった
体調から何より誰より父も長くないことを悟り 繰り返し言っていた
俺は もう あかん
花見まで せめて生きていられたらーささやかな願いだったろうか
今年の桜の花を見てから死にたいと
花屋さんに頼んでお供えに飾る桜を仕入れて頂き お仏壇前に飾っているけれど
お骨納めはまだ先だけれど
魂だけになった父は この桜を見ることが出来ているだろうか
かなしみは いかばかりなるか 山桜