Eテレビのドキュランドと言う番組で「美貌の女スパイ・マタハリ」の再放送があった
マタハリという名前を知ったのは子供の頃 市川ジュンさんが描かれた少女漫画「暁の眼の娘」
(これはマタハリの娘の物語だったか)
それからマタハリをモデルとしたマレーネ・ディートリッヒ主演の映画などからであっただろうか
そうしたことで興味をひかれて書店でマタハリについて書かれた本が目に付きー数冊 読んだことがある
裕福な商人の娘として育つが父が事業に失敗し
この父親も自分が貴族であると言ってみたり より自分を大きく見せたい虚栄の人物であったようだが
マタハリと名乗るようになる女性は 父親の血を濃く引いていたのかもしれない
学生時代に校長先生と今でいう不適切な関係を結んでしまい放校
やがて随分トシの離れた軍人と結婚
好き妻になろうとした時もあったが 色好みで暴力ふるう夫
娘を授かるがー
一説によれば 妻は夫を殺したらしい
結婚から解放されて自由の身となった彼女は娘を手放し
生きていく為に己の若さと美貌を売る
その美貌を利用することを思いつく
その素性を様々な創作話で彩り 薄物をまとった煽情的な振付と踊りで評判をとる
その生活を多くの男達が支える
男達 男達 男達
だがー美貌も魅力もいつしか薄れる
飽きられる
新しいスターが次々に現れ 人々の興味は移る
世界各地で興業していた彼女は 何処か愚かだった
自分を過信していたのかもしれない
寝室での男達の寝物語
スパイとして告発され処刑される
幕切れは呆気ない
「死」ただ それだけ
番組の終わり近く マタハリについて語っていた男性の一人が言う
そう伝記作家が
「彼女は幸運でした」と
老いさらばえて死ぬことなく 若くして美しさが残る年齢で死んで その生涯が伝説となり映画化される
若いうちに死んだからこそ
ーそうだろうか?と私は思う
それは男の目線ではないかと
稀代の大嘘つきで 若さと美貌を最大限に利用し 人々を煙に巻き
身勝手な生き方ではあっただろう
けれど人生をぶつんと断ち切られて 何が幸せなものかと
生きたかっただろう
どうして私がこんな目にーと思ったはずだ
半年間 下着の着替えも赦されなかった
美貌をほこった女性が顔の手入れどころか 下着までも着替えさせてもらえなかった
どれほどの屈辱だろうか
処刑される前 どれだけ恐ろしかっただろうか
救いを求めて彼女は自分を知るありとあらゆる男達に手紙を書いている
「助けて!」と
彼女の魅力に溺れその身体を堪能したであろう 男達は動かなかった
男達にとって彼女が珍しいオモチャに過ぎなかったのだろう
目新しくなくなれば魅力は褪せる
しわくちゃの老婆になろうが 彼女は生きたかったはずだ
生き続けたかっただろう
男達を利用しているつもりだった女は
男達に利用されて命を奪われた
ならば ならば その数奇な偽り多き人生が伝説となり映画にもなったことを
その女性の一生を書いたという伝記作家が「彼女は幸運でした」
などと言ってはなるまいーとも思った
幸運な「死」などないと 私は思う
マタハリという名前を知ったのは子供の頃 市川ジュンさんが描かれた少女漫画「暁の眼の娘」
(これはマタハリの娘の物語だったか)
それからマタハリをモデルとしたマレーネ・ディートリッヒ主演の映画などからであっただろうか
そうしたことで興味をひかれて書店でマタハリについて書かれた本が目に付きー数冊 読んだことがある
裕福な商人の娘として育つが父が事業に失敗し
この父親も自分が貴族であると言ってみたり より自分を大きく見せたい虚栄の人物であったようだが
マタハリと名乗るようになる女性は 父親の血を濃く引いていたのかもしれない
学生時代に校長先生と今でいう不適切な関係を結んでしまい放校
やがて随分トシの離れた軍人と結婚
好き妻になろうとした時もあったが 色好みで暴力ふるう夫
娘を授かるがー
一説によれば 妻は夫を殺したらしい
結婚から解放されて自由の身となった彼女は娘を手放し
生きていく為に己の若さと美貌を売る
その美貌を利用することを思いつく
その素性を様々な創作話で彩り 薄物をまとった煽情的な振付と踊りで評判をとる
その生活を多くの男達が支える
男達 男達 男達
だがー美貌も魅力もいつしか薄れる
飽きられる
新しいスターが次々に現れ 人々の興味は移る
世界各地で興業していた彼女は 何処か愚かだった
自分を過信していたのかもしれない
寝室での男達の寝物語
スパイとして告発され処刑される
幕切れは呆気ない
「死」ただ それだけ
番組の終わり近く マタハリについて語っていた男性の一人が言う
そう伝記作家が
「彼女は幸運でした」と
老いさらばえて死ぬことなく 若くして美しさが残る年齢で死んで その生涯が伝説となり映画化される
若いうちに死んだからこそ
ーそうだろうか?と私は思う
それは男の目線ではないかと
稀代の大嘘つきで 若さと美貌を最大限に利用し 人々を煙に巻き
身勝手な生き方ではあっただろう
けれど人生をぶつんと断ち切られて 何が幸せなものかと
生きたかっただろう
どうして私がこんな目にーと思ったはずだ
半年間 下着の着替えも赦されなかった
美貌をほこった女性が顔の手入れどころか 下着までも着替えさせてもらえなかった
どれほどの屈辱だろうか
処刑される前 どれだけ恐ろしかっただろうか
救いを求めて彼女は自分を知るありとあらゆる男達に手紙を書いている
「助けて!」と
彼女の魅力に溺れその身体を堪能したであろう 男達は動かなかった
男達にとって彼女が珍しいオモチャに過ぎなかったのだろう
目新しくなくなれば魅力は褪せる
しわくちゃの老婆になろうが 彼女は生きたかったはずだ
生き続けたかっただろう
男達を利用しているつもりだった女は
男達に利用されて命を奪われた
ならば ならば その数奇な偽り多き人生が伝説となり映画にもなったことを
その女性の一生を書いたという伝記作家が「彼女は幸運でした」
などと言ってはなるまいーとも思った
幸運な「死」などないと 私は思う
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