うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

凶悪-ある死刑囚の告発を読む

2007年04月24日 11時30分21秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧
‘凶悪-ある死刑囚の告発’を読む。本を開いたとたんにあっという間に読みふけってしまった。本当に良くないことだが、ほかの作業を打っちゃっている。
 これは、2つの殺人事件を起こし既に東京高裁で控訴棄却になり死刑が確定した元暴力団組長、後藤良次氏の告発を「新潮45」編集部がまとめたもの。
 茨城県日立市の不動産ブローカーである、“先生”が主導した約10年前からの一ダースにもなる殺人事件を告発したケースである。世間から漠然とした疑惑をもたれつつも、なぜか、これは事件として警察の捜査をたくみに逃れて立件されずにいたのだ。
 小菅にある拘置所から「新潮45」編集部あてにおととしの春に告発取材の依頼があった。それをまとめた記事がその年の10月に雑誌「新潮45」に掲載し、続いて茨城県警察捜査一課に上申書を提出し受理された。やっと、告発に至る。そしてそれからは捜査当局は証拠固めに難航して、ほぼ一年たってから、そのうちのひとつ「カーテン屋保険金殺人事件」で、昨年11月に被害者家族4人、12月に“先生”がやっと逮捕された。
 (中略)

 まるで推理小説的な展開ではあるが、今現在、それとは別件で北茨城市の“先生”所有の原野を不動産詐取目的の「生き埋め事件」で捜査員40名と重機をもちいて捜索中である。
 ところで、この“先生”は現在57歳であるが、わたしには『団塊の世代』の特徴が見えてしょうがない。犯罪の発想、態様がそうだ。何事も政治的に見て、(政治第一だからと)なんでも理解できると思い込み、融通無碍になんにでも興味を示し口を出す。そしてなにか問題が起きると良くも悪くも極端な方向に走る。当然なことに下の世代に煙たがられているのに気付かないのだ。
 犯罪の時代性とでも言うのか、そういう突拍子もないことを感じた。

 閑話休題。
 かつて、わたしは過去に在社中に千葉県鴨川市のS元市議会議長の贈収賄事件に間接的に関わったことがある。千葉県警のA刑事が場所を変えおこなう事情聴取、捜索に対面させられた。この件について、わたしは業務上もあり社内向けに小レポートを作っていたのだが、総務部長がそれを事前に提出していたのである。その時に言われた、「あなたには、調査能力がある」とのほめ言葉がわたしの中に妙に残っている。
 この事件は地元の政界、建設業界では知れわたっていた。犯罪内容と対象も多方面にわたっていたが、当社は約3億円の被害をこうむった。S被告の身柄拘束、つづいて刑事起訴されたのでわたしは千葉地裁に事件の全貌を求めて公判ごとに通った。わたしの裁判所の印象としては、S被告の入廷時の腰縄手錠のすがた、その表情に異様な感情を覚えたし、そこでは生々しい犯罪の具体的な事実が出されるのだが進行が早くてメモしきれない。不動産がらみの悪の商売のからくりが明らかになるのだ。さすがに、そのときには速記者の必要性を感じたものである。実は、社内的にこのことは社長とわたしだけの了解事項であり、むろん、先々の損害賠償請求の民事訴訟をも視野に入れていた。(しかし、のちに未決囚としてあっけなく病死する)
 それゆえに、持ち前の探究心と好奇心旺盛なわたしの性分もあり、刑法、裁判には相当詳しくなったものである。

 いずれにしても、この事案は社会の底流としてバブル景気に端を発するものとおもわれる。事実は小説より奇なり、とは全くその通りである。
 今まで知らない内に殺人犯罪がおこなわれ、“先生”がこの事件を商売としてひそかに終息させて来た。これから、警察当局による社会の暗部の解明を期待したい。今後の展開によってはマスコミにとってもそうだが、連続殺人として大事件となるに違いない。
         

コメント (2)
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