レビュー一覧は、こちらから。
ユ・リヘは命を取り留めました。意識不明のままではありますが。
3年前の一件があるので、ヨハンはただちに容疑者扱いされました。まぁ、それも仕方が無い状況ではありましたが。
そして、担当はソン検事。
担当刑事もまた、3年前と同じキム刑事でした。
カン院長たちは、それ見た事かとシヨン母を責めたてました。
シヨン母も、事情が分からないだけに、まさかと思いながらも不安でした。夫の事があるだけに、このタイミングで・・・と思ったのです。
ヨハンはハン弁護士にも何も話しませんでした。肯定も否定もしません。
取り調べには誠実に応じると言うだけ。
駆け付けて来たシヨンに、一言耳打ちしました。キム刑事が来るのが見えましたから。
「何かあったら、君に最初に話す。約束する。」
「警告した筈です。何もしないでくれと。」
と、ソン検事は会うなりヨハンに言いました。
医者が何もしないと結果として患者は死ぬほど苦しむか、苦しんだ末に死んでしまう・・・とヨハン。
ソン検事は、細かくヨハンに質問しました。
3年前と違うのは、教授だけじゃなく、チーム員も取り調べを受けると言う事です・・・と最初に一言。脅しですわな、一種の。
細かく質問を受けるヨハンは、一つ一つきちんと答えました。
ヨハンは、自分が集中治療室に行った時、既に呼吸器のスイッチは切られていたと言いました。事件について話したのは、それだけでした。
でも、眩暈がまた襲って来たのです。
幸い、意識を失うほどではありませんでした。
いえ、机の端を掴んで必死に耐えたのです。
イ医師たちも、一人一人事情を聞かれました。
皆、正直に答えました。
家族の同意が取れていない今の状態で、ヨハンが安楽死などする筈が無いとシヨンは言いました。それは殺人になりますからと。
ユ・リヘの病室で『願い事クラブ』と書かれたカードを見つけていたキム刑事は、事件の発端となった一件についても質問しました。
自分が提案したことで、こんなことになってしまったと罪悪感に苛まれていたウォニは、騒動についてきちんと話しました。
リヘ姉がペインクリニック科に来ました。
怖がりのリヘが飛び降りたほどに死にたがっていたことを考えると、引き留めて良いのかわからなくなったと言いました。
「これ以上容体が悪くなったら、何の措置もせずに逝かせてください。」
と、姉は泣きながら頭を下げました。あらかじめ、延命治療を拒否すると言う書類にサインしていましたからね、リヘは。
監視カメラの映像を見て、ソン検事は不審に思いました。
ヨハンが必死に集中治療室に向かって走ってるからです。それは、これから安楽死をさせようとする人間の行動じゃありません。
リヘが心肺停止となりました。
イ医師たちは、すぐに駆けつけましたが、リヘ姉の申し出によって、何の応急措置も取りませんでした。
しかし、そこにヨハンが来たのです。
ヨハンは、すぐに心臓マッサージを始めました。イ医師は、延命措置を拒否していると言いましたが、ヨハンは止めません。
ミレも手伝いました。
「死んではダメだ、まだやることが残ってる。」
そう言いながら、ヨハンはマッサージを続けました。
リヘの元夫からリヘ姉に連絡が入りました。息子がいなくなったと。病院に行ってる可能性が高いと。
なんと、元夫が嘘をついてリヘと息子を会わせない様にしたんです。
自殺を図ったとリヘ姉が連絡を入れた時、その傍に息子がいて事実を知ったと言うわけです。
シヨンが病院中を駆け回り、やっとのことでリヘの息子を発見。
ここから事態は急展開です。
呼吸器を止めたのは、リヘの8歳になる息子でした。
母親に会いたくて病院に来た息子は、ヨハンと偶然会いました。
そこで、母親がまだ生きていると聞かされ、他の家族に紛れて集中治療室に入り、母の姿を見ました。
美しかった母が、機械に繋がれて生きていました。
とても痛くて辛かったから屋上から飛び降りたんだとリヘ姉が父に話しているのを聞いていた息子は、自分が楽にさせてあげようと思ったのです。
ヨハンは、それを知り、慌てて集中治療室に駆けて行ったのです。
スイッチを入れに。
ヨハンが息子と一緒にいる映像が監視カメラに映っていました。
リヘの心臓が動き出しました。
意識を取り戻したリヘ。愛する息子と会う事が出来ました。
だからと言って余命が延びたわけじゃありません。
残された時間を精一杯生きる決心をしました。
「何故正直に話さなかったのですか?」
と、ソン検事はヨハンに問いました。
「母親が目覚めた時、息子が呼吸器を切った件で取り調べを受けていたと知らせたくなかった。」
と、ヨハンは言いました。
少しヨハンを見る目が違って来たかと思いましたが、やはりソン検事とヨハンでは考え方が違うのは変わりません。
安楽死を含めて、患者にとって最善の判断をするのが、医師の役割だとヨハンは考えています。
しかし、生と死の境が医学の発達によって曖昧になっている今、誰かがその決定権を握ったら、それは権力となり、腐敗し、乱用されることになると、ソン検事は言いました。
「生死を握られ、その犠牲になった人は、もう戻らないんです。」
確かに・・・。ソン検事の主張もありうることです。
「正しい決定とは、常に死ではありません。」
と、ヨハンは言いました。
「ただ、生死の境にいる患者にとって何が最善か、最後まで真剣に悩み決定するだけです。」
その決定が正しいかどうかは、法が判断する・・・と、ソン検事。
「完璧な法はなく、完璧な医療もありません。法も医療も時代に合った価値観を見つけるべきなんです。」
ソン検事は、返す言葉がありませんでした。
ヨハンの言葉に間違いはないと思います。でも、私はなんだかそのまますんなりとは納得できない気がしました。どう説明すればよいか分かりませんが、何となく全肯定する気にはなれなかったのが正直なところです。
シヨン母は、ヨハンを懲戒処分に・・・と院長に進言しました。
しばらく出勤停止にした方が良いと。
おそらく、シヨン父の事があるから、ヨハンを遠ざけておきたいと考えたのでしょう。
一人屋上にいたヨハンに、シヨンが声をかけました。
話してください、“何かあった時”とは?・・・と。
スルーしようとしたヨハンを引き留め、続けました。
「“大丈夫だ、何でもない”なら、頷いてください。」
ヨハンは動きません。
「“大丈夫じゃない、でもすぐよくなる”なら、頷いてください。」
やはりヨハンは動きません。
「“大丈夫じゃない、よくならない”なら・・・慰めてください。」
慰めてもらうのは、俺だ・・・とヨハン。
「教授を失うのは、私です。」
ヨハンは近づき、そっとシヨンの肩を抱きしめました。背中を撫でました。
大きくため息を一つついたシヨン。涙がこぼれました。
シヨンも、ヨハンの背中をぽんぽんと優しくたたきました。
泣けた・・・