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ジェイの覚悟を知ったファン。
命がけで地方から都を目指したのなら、命がけで東宮殿を目指せと、言いました。
「最初の民になるそちに、力を示す機会をやろう。」
いいぞ、そうしろ、やってみろ・・・と。ただし、方法は自分で考えろと。
ところで、ファンの護衛の中に、スパイがいます。
まだ誰なのかは分かりません。
テガンと同じ扮装をした人物が、ファンの日々の動向を書いたメモを決められた場所に入れ、それを女官の格好をした人物が取り出していました。
ジェイは内官として東宮殿に入り込みました。
「雲が描いた月明り」と同じシチュエーションですな 世子と追われる者と言う点で。
今のところ、ジェイに主導権があるように感じるところが、違う点でしょうか。
ところで、キム・ミョンジンの弟子になろうとしているガラムですが。
ミョンジンは初めての弟子をちゃんと弟子として鍛えるつもりのようです。
言い合いをしながらも、とっても良いコンビニなりそうな予感がします。
ガラムは、ずっとジェイの探偵活動の助手をして来たようです。
2人は共に男装し、村の事件の解決に一肌脱いでいたのです。
ジェイが追っ手の兵を何人も倒したのも、そうした活動の中で鍛え上げて来た武術のおかげでした。
男装して世の中に出る娘に、父は忠告しました。
それは法に逆らう事で、そのまま進もうとすると、世の中の壁が立ちはだかるだろう。厳しい習わしが行く手を阻むだろう。
それでも耐えられるのか?・・・と。諦めることなく、進んで行けるのか?・・・と。
その言葉に、ジェイは覚悟を示しました。
「そんなことを恐れて閉じこもってはいられません。私は世の中に出たいのです。壁があれば越えればいい。世の中は面白く気になります。力の続く限り走って世の中の隅々まで見てみたいのです。」
ジェイはあっさり東宮殿の新人内官に成りすまし、東宮殿を目指しました。
が、あまりにも広い宮殿に、途中で迷子になってしまったのです。
そこで出会ったのが、ファンの妹ハヨン公主。
正直に迷っていると伝えたジェイに好感を持ったハヨン公主は、丁度ファンのところに行くところだと、案内してくれました。
兄妹仲は良さそうです。ハヨン公主は兄に真心を尽くして仕えてほしいと言いました。本当は優しい人だからと。
よりによって公主と一緒に東宮殿に現れたジェイを見て、流石のファンも驚いたようです。
こんなに短時間で目の前に現れるとは、思ってなかったでしょうから。
ファンに仕える内官や女官は、新しい内官を入れたと言う事で驚いていました。これまで、なかなか新人がいつかなかったようですね。
自分たちに何の報告も無く勝手に決めたことに不満も持ちました。
おそらく、周囲の誰も信じられないファンは、長年仕えて来た者以外の者を近づけたくなかったのでしょう。
ところでここにも見知った顔が
ソ内官を演じているのはチェ・デチェルssi。「雲が描いた~」で、キム・ユジョンさんが女性だということを早い段階で知ってしまった内官役でしたよね。
ハヨン公主と後から来たミョンアン大君に、祝詞の一件を見破ったのは、ジェイだとファンは話しました。
聞かれて、誤魔化さず、きちんと答えたのです。
それを聞いて、ハヨン公主はさらにジェイの事を気に入り、ミョンアン大君も尊敬の眼差しを向けました。
名前を聞かれたジェイは、困りました。こればかりは正直に答えるわけには行きません。
おろおろするジェイに、ファンが助け舟を出しました。
「コ・スンドル、情けない奴だな。自分の名前を忘れるなんて」
ジェイ、コ・スンドルと言う名前で内官務めが始まった瞬間でした。
「誰にも疑われることなく、世子様の傍にいられます。身を寄せる場所を探しているのでも安らげる場所を探しているのでもありません。私はただ、“ミン・ジェイ”と名乗り家族の恨みを晴らして許嫁の元に戻りたいだけです。」
「父の最期の言葉は“世子様をお守りせよ”でした。私を信じて下さるなら、呪いの書の秘密を解いて見せます。」
ジェイはファンにきっぱりと言いました。
ファンはジェイの能力を試すことにしました。
当時都で起こっていた2つの殺人事件を解決しろと言いました。
それが出来たら、ジェイの家族の死の真相を探ろうと。
ソンオンは、ファンの命で祝詞に細工をしたと思われるオ・マンシクと言う下っ端の役人を調査しようとしていました。
が、既にオ・マンシクは姿を消していました。
家族は随分前に家を出たようだし、本人も金目の物を売り払って逃走したようです。
ソンオンは、売り払った物を調べました。
そこで見たのは、亀の形をした方位磁石。
中国から渡って来た貴重品だと店主は言いました。
ソンオンは密かにそれを袂に入れました。店主は見逃してませんでしたが、何も言いませんでした。
ソンオンがそう言う行動に出た理由。それは、同じ物を父が持っているのを知っていたからでした。
父がオ・マンシクに与えたのでは?と言う疑念が湧いたのです。
ソンオンの報告を聞いたハン左議政は、この一件を起こした目的は、ファンを手なずけるためだろうと言いました。
ファンを震え上がらせ、好き勝手できないようにしようと考えたのだろうと。
「王は強すぎてはならぬ。」
と、ハン左議政は言いました。
ファンが世子の地位にいるのは、父が王で祖父も王だからだと言いました。つまり、血筋ゆえだと。
だから、必ずしも素質が備わっているわけではなく、優れた者の中から選ばれた大臣たちが王の素質をつくるのだと。
その上で言いました、ファンは最も危険な王になる器量を持っていると。
賢いが傲慢で臣下を頼らず信じないからだ・・・と。
「世子様はまだ王ではない。ともに歩む臣下がおらねば、王座につけないおそれもあると気付いてもらいたい。」
王の息子はファンだけではなく、ミョンアン大君もいます。
有力な貴族であるチョ右議政を後ろ盾にしているわけですから、ファンより心強いと王が思ってもしょうがないでしょう。実際、ハン左議政にそんな言葉を発したりしてますからね。
「世子様は私が守ります。」
と、ソンオンは言いました。
守り切れるのか?と、ハン左議政は言いました。
ソンオンがファンを大切に思うほどには、ファンはソンオンを信じてはいないと感じ取っているようです。
父にそう言われると、ソンオンは痛い所を突かれたと言う表情になりました。きっと彼も薄々は感じているのでしょう。
ファンは、ジェイを書庫の奥にある秘密の部屋で寝起きさせることにしました。
得体のしれないジェイを厚遇する事に納得できないテガンは、ファンに何故なのかと聞きました。
「きっとそちのように私にとって必要な臣下になるからだ。」
なんと、テガン、護衛武者になる前は、町のならず者だったようです。
しかし、この時点でファンはまだジェイを信じてはいません。
怪しい事だらけですから。当時の女性では考えられない生き方をしているからでしょう。
一方、ジェイもファンの性格を判断しきれていません。
散々自分を突き放そうとしていたわりには、こうやって受け入れてくれたし・・・と。
ファンは、その秘密の部屋を1年ほど前から使っていたようです。
部屋を見回したジェイは、ファンが1人、そこで血のにじむような努力を続けて来た事を知りました。
矢傷で痛む右手で必死に筆を握り、弓を絞り、字を書けるようにし、弓を射る練習をして来たのが容易に想像できました。
強い人だと思いました。
物おじする事無く、ファンの傍仕えを始めたジェイ。
ジェイの顔をまじまじと見つめたファンが言いました。
「幼い頃の面影が残っているな。」
嬉しそうにジェイが言いました。お会いしたことがありますね・・・と。
覚えていたのかと、ファンも嬉しそうでした。
幼馴染に会った感覚だったのでしょうかね。
その頃、ソンオンの元に、ジェイの靴が届けられていました。
ソンオンが贈ったものでした。