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ジェイは、祈祷師の部屋から持ち帰った香炉を調べました。
中にあったのは、牡丹の花を乾燥させたもののように見えます。
その匂いを嗅いだことがあると、ジェイは思いました。
記憶が一つ、甦りました。
あの事件の日、台所で同じような花が焚かれていたのです。
そして、シム・ヨンが台所にいた・・・。
だけど、何を話したのかが思いだせません。
とにかく、ファンに知らせなくてはと、ジェイは駆け出しました。
ファンは、その頃、シム・ヨンの遺書を手に、悩んでいました。
遺書に嘘を書くとは思えません。
とすると、ジェイは、これまで嘘をついていたのか。
しかし、両親や兄を殺す理由など、ある筈もなく・・・。
ジェイを問いただすしか無いと、ファンは思いました。
で、テガンにジェイを呼びに行かせたのです。
丁度、ジェイが東宮殿に駆けてくるのを見たテガン。
そのまま、襟筋を掴んで、ファンの前に引っ立てて行きました。
ファンは、テガンをはじめとした内官や侍女たち全員、東宮殿の外に出るよう命令しました。
その上で、ジェイに疑念を突きつけたのです。
ファンは、遺書と共にあった腕輪をジェイに投げて寄こしました。
「愛の証か?」
勿論、ジェイは否定しました。義兄妹の証だと。
しかし、今のファンは、ジェイの言葉が信じられなくなっていました。
ジェイがどう説明しようと、ファンの心には言い訳としか思えません。
やはり、死を前にした者が嘘をつくとは、とうてい考えられません。
ジェイは、シム・ヨンの遺書を見せられ、愕然としました。
ジェイだって、死のうとする者が嘘偽りを記すとは思えません。それも、シム・ヨンが・・・。
混乱しました。
ファンは、激怒し、ジェイを東宮殿から追放しました。
ジェイは泣きながら、内官によって連れ出されました。
書庫に入るのも禁止されたジェイは、テガンに、香炉の件をファンに伝えてくれと言うのが、精一杯でした。
ソンオンは、ジェイの事件の記録資料やシム・ヨンの遺書等をファンが持って来させたことを不思議に思っていました。
いつからこの事件を追っていたのか・・・と思いました。
ガラムも指名手配されてしまいました。
使用人のうち、ガラムの行方だけが分からない事から、ジェイと共に逃げているのでは?と思われたのです。
自分の手配書が街角に貼られているのを見て、流石にガラムは驚き、怖くなりました。
ミョンジンに聞くと、このままではガラムも罪に問われるだろうと言う事です。
顔に焼き印を押され、奴婢として役所で使われることになるだろうと聞くと、恐怖におののきました。
従兄のチャン・チスの家に兵が探索に来ました。
咄嗟にチャン・チスのフリをして難を逃れる事は出来ましたが、これからの事を思うと、不安でたまりません。
1人になったファンは悲しみと絶望とに苛まれていました。
これまで、父である王でさえ、自分の悲しみを理解してはくれませんでした。
王は、母親が卑賤な身分出身だということを、とても引け目に感じています。
周囲にいるのは、血筋の立派な重臣たち。臣下としてひれ伏してはいるけれど、常に厳しい目を卑賎な出自の王と世子に向けています。
その中で王として権力を握り続けるためには、壮健な世子の存在は必要不可欠です。
なのに、ファンは毒矢のために右腕が不自由になってしまいました。それでは、廃位して別の息子を世継ぎとするしかないと、王はファンに言ったのです。
不安に苛まれていたファンは、父に縋りました。
すると、王は言いました。絶対に腕のことを周囲に知られてはならないと。
そのために、治療に当たった医師も、殺してしまったほどです。
「世子の座は情に流されては守れない地位だ。」
誰も信じるなと、王は言いました。勿論、父親である自分も・・・と。
「民を守るために、何としても生き残り、自分の地位を自分で守れ。」
辛く悲しい時、ファンは誰にも頼れなかったのです。
しかし、お尋ね者となったジェイが必死に生き残り、目の前に現れた時、ジェイこそが信頼出来る者だと、ファンは感じたのです。
ジェイこそが、待っていた者だと。
ジェイは自分に王宮の外の世界を見せてくれました。
「私が世子様のそばにいます。私が世子様を守ります。」
と、真っ直ぐに見つめながら言ってくれました。
なのに・・・。
行く宛ての無いジェイは、王宮を出て、ミョンジンの作業所に泊まりました。
翌朝早くやって来たガラムは、ジェイの姿を見て、泣き出しました。
ジェイが頭を怪我したことも心配でしたし、お尋ね者になった事も不安でしたし・・・。
ジェイは、ガラムまで指名手配されたことを知り、心を痛めました。
自分のせいで、こんなことに・・・と申し訳なくて泣けて来ました。
ガラムは、ジェイと会えたことで、心を強く持つことが出来るようになりました。自分がくじけていては、ジェイを支える事は出来ないと、思ったのでしょう。
なんて良い子なんでしょ
まんじりともせずに一夜を明かしたファン。
ジェイの守り刀を返していなかったことに気づき、テガンを呼びました。
追い出した後のジェイのことを聞きたかったようです。
テガンが、書庫にも入らせなかったと聞いて、心配になりました。行く宛てが無い事を知ってますから。
ジェイは内官として、王宮で働き始めました。
それを、ファンは遠くから見つめています。
ソンオンがファンに会いに来ました。
ジェイの事件とシム・ヨンの事件のどちらの記録も、ファンが持って行ったと聞いたからです。
ソンオンは、シム・ヨンの遺書が見たいと言いました。
しかし、それは今、ジェイの手元にあります。
生きて戻ったとしても、死罪を言い渡されるジェイを、待っているのかとファンが問いました。
ソンオンは、懐から例の結婚の許可を記した書を取り出しました。
「結婚の許しを得、祖先にも報告しました。たとえ道ならぬ恋をした不道徳な女でも、この書状を破棄しない限り、ミン・ジェイは私が守るべき人なのです。」
ジェイを信じているのかと、ファンが問いました。
ソンオンは、ジェイを信じながらも、揺れていました。しかし、信じたいと思っているようです。
ファンに、ジェイを守ろうとして事件を追っているのかと聞きました。
「お師匠様の娘だ。罪が無ければ、守るつもりだ。あの者が生きて戻ってきて、潔白を証明したら、そちのもとへ行かせよう。」
約束ですよ・・・とソンオン。ファンなら、ジェイを助けられると。
「強い女だ。助けずとも、自力でそちのもとに戻るだろう。」
ソンオンは、ほっとしたような表情を浮かべました。
ファンは・・・ちょっと複雑な表情です。
ファンが、ミョンジンの作業所に現れました。
例の、香炉を調べてもらおうと思ったのです。
そこに、ジェイがいるとは知らなかったのかな
ミョンジンは、乾燥させた牡丹の花を詳細に調べてみると言いました。
一方で、これだけのためにここに来たのかと問われ、ファンは動揺。
私たちに会いたかったからだと正直に言えばよいのにと、ミョンジンやガラムから言われても、決してそうとは言いません。
思ってる事を口に出して言えば、すっきりするのに・・・なんて揶揄われるファンが可愛くて面白くて良いです
ジェイは、ファンに事件の日のことで思いだした事があると言いました。
台所で牡丹の花が焚かれていたこと、そして、シム・ヨンが台所にいたということ。
それ以外にはまだ思いだせないけど、どう考えても、シム・ヨンは恋人ではないと断言しました。
ただ、シム・ヨンが命がけで嘘をつく理由が思い当たらないと。
ある日、王宮で、ファンは、ジェイが自分の悪口を思いっきり叫んでる所に出くわしました。
近づいても、ジェイは気づかず、散々悪口を並べ立てていました。
「誰がなんて言っても、あんただけは信じてよ信じるって言ったんだから」
大声で叫んでおいて、涙をふいて立ち上がったジェイ。
すると、そこにはファン。
驚いて一歩下がろうとして、池に落ちそうになっちゃった。
それを、ファンが片手で抱き留めたーっ
それも、右手