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ギルチェは、チョンチョニとダジムと3人でウネの家を出て行きました。
清に拉致され乱暴されたと言う噂は、やはりギルチェだけじゃなく、妹や弟の将来にまで差し障るモノです。
だから、ギルチェは別々に生きる事を選択したのです。
装身具を売って、小さな家を買いました。
3人で夕焼け空を眺め、どうやって生きて行こうかと、話しました。
不安だったでしょうが、自由でもありました。
仁祖の周辺では、真偽不明の噂が飛び交っていました。
謀叛を起こそうと準備をした者がいるとか、彼らが推挙しようとしたのは、最初世子だったが、後に別の者になったとか・・・。
仁祖の世子への疑念は膨らむばかり。
確たる証拠も無いのに、思い込みで臣下を疑ったりしています。
呪いの札を埋めた者がいると言っては、女官たちに拷問を加えています。
ヨンジュンは、そんな朝廷のありさまを情けない思いで見つめています。
ヨンジュンの報告を聞いたチャン・チョルも心を痛めました。
ジャンヒョンに幸せに生きると約束したのに、このありさま・・・とギルチェは流石に気落ちしています。
そんなある夜、一人の女性が井戸に身を投げようとするのを見かけ、引き留めました。
見ると、以前、清の兵に崖に追い詰められた時、一緒に生き残る約束をした女性でした。
やはり、帰国したものの、一族の恥だと言われ追い出されてしまったようです。
その女性スンアを家に連れて行きました。
その後、親や家を失くした孤児たちの世話もするようになりました。
カクファは、今のところドルゴンに大切に扱われているようですが、臣下たちはその権力が長続きしないだろうと見ている者も多いようです。
カクファ自身も、それは十分分かっているようです。
だから、ジャンヒョンに傍にいてほしいと思っているのかもしれません。信じられる者が他にいないのでしょう。
ただ、そうとは言えないようですね。プライドの高いカクファは・・・。
ジャンヒョンも、それを察しているようですね。
自分とギルチェの邪魔をし続けるカクファを、排除しきれない理由は、哀れみを感じているせいかもしれません。
ドルゴンが、世子の朝鮮帰還を許可しました。
世子と世子嬪は勿論、家臣たちも泣いて喜びました。
しかし、仁祖は素直に喜ぶどころか、世子に自分の地位を奪われるのではないかと、恐怖におののいています。
ジャンヒョンの元にいる捕虜たちも喜びました。
以前、世子は自分が朝鮮に戻る時には、必ず彼らも連れて帰ると約束してくれたからです。
しかし、それが反故となってしまったのです。
仁祖が世子の勢力が拡大することを恐れていると、察せられたからです。
以前帰った時、捕虜を連れて帰ったことが、問題視されて、当時の担当者が罰せられていました。
それでも、世子は約束したんだからと捕虜を連れ帰ると言いましたが、ピョ内官が必死に止めました。
世子の身の安全を考えると、仁祖に余計な疑いを抱かれない事が最優先だと思ったからです。
報告を受けたジャンヒョンは憤慨しました。
今回はダメでも、後に・・・と言われても、その日が来ない事は容易に想像が出来ました。
ジャンヒョンから話を聞かされたヤンチョンも怒りました。
ヤンチョンは、残された捕虜が心配だから、自分が一緒に残ると言いました。
様々な事情を考えると、今回は、ジャンヒョンが世子と共に朝鮮に戻り、ちゃんと捕虜の話をつけてくることが最善だと思われました。
不安がる捕虜たちに、ヤンチョンは丁寧に説明し、納得させました。
ジャンヒョンは、カクファに朝鮮に戻ると告げました。
ギルチェとよりを戻すことを恐れているようなカクファ。
ジャンヒョンは、カクファに言いました。
ギルチェに付きまとう様なことはしないし、望むのなら、カクファの傍に残ると。
一旦朝鮮に戻るが、必ず清に戻ってくる代わりに、残された捕虜たちを保護し、無事に国境を超えられるようにしてほしいと。
ギルチェは、世子が朝鮮に戻ると言う話を聞きました。
ジャンヒョンも戻ってくると思いました。
幸せに生きると約束したのに、今のこの生活を知られたくないと思いました。
世子の行列を見に行ったギルチェとチョンチョニ。
確かに、ジャンヒョンはいました。
しかし、思わず顔を背けてしまったギルチェでした。
ジャンヒョンはギルチェの近況を探りました。
が、なかなか分かりません。
リャンウムは、あっという間にギルチェの住まいを探し当てました。
ジャンヒョンに知らせず、一人で会いに行きました。
そして、貧しい暮らしをジャンヒョンに知られたくないのでは?と、策を授けたのです。
幸せな姿を見せれば、ジャンヒョンはギルチェを諦める筈だと言いました。
ギルチェは、リャンウムの提案を受けました。
ギルチェは、両班の奥様の格好をして、ジャンヒョンに会いに行きました。
お腹に詰め物をして妊娠中と偽りました。
駕籠まで用意し、夫に大切にされている妻のフリをしました。
ジャンヒョンは微笑みながら、ギルチェの話を聞きました。
そして最後に言いました。
リャンウムが今度久しぶりに歌を歌うので、聞きに来てほしいと。
ジャンヒョンが騙される筈がありません。
ちゃんと、ギルチェの芝居を見破っていました。
クジャムが調べ上げていましたし。
住まいも突き止めていました。孤児たちを養いながら、貧しい暮らしをしていると知りました。
心から楽しそうに笑うギルチェを見ると、乗り込んで事実を暴く気になれませんでした。
ただ、悔しそうでした。胸が痛んだ事でしょう。
リャンウムの歌を披露する夜、ギルチェが現れました。
リャンウムの歌を聞くと、ギルチェは昔の思い出が蘇りました。
これまでのジャンヒョンとの様々な思い出が蘇り、涙がこぼれそうになりました。
狼狽したギルチェは、体調が悪くなったと、急に背を向けて出て行きました。
ジャンヒョンは、ギルチェに芝居だと分かっていると言いました。真実を知っていると。
ギルチェは、ジャンヒョンにばれるかもしれないと予感していました。
それでも、清ではジャンヒョンの思いを酌んで別れたのと同じように、今回は自分の気持ちを察してくれと言いました。
「幸せなんです、哀れだと思わないでください。」
リャンウムは、ギルチェから、事実がばれたが、ジャンヒョンを説得したと聞かされました。
でも、リャンウムには、ジャンヒョンが説得されたとは思えません。
ジャンヒョンがギルチェのために苦しむのを見たくないと思いました。
ジャンヒョンの気持ちを全く理解していないギルチェなど、ジャンヒョンに愛されるに値しない女だと思いました。
ギルチェへの憎しみが募ったようです。
リャンウムは、ジャンヒョンに言いました。
「あの女はこの世で己が一番大事なんだ。お前の想いなど・・・。」
口を慎めと、ジャンヒョンが言葉を遮りました。
リャンウムのためなら死ねるとジャンヒョンは言いました。
「しかし、今はギルチェのために生きたい。私を邪魔する者は、それが誰であっても縁を切るつもりだ。」
リャンウムは、ジャンヒョンの想いを知り、心を決めました。
ジャンヒョンはギルチェのために生きろと。そして自分はジャンヒョンと行動を共にする・・・と。
ジャンヒョンはギルチェの元に行きました。
ギルチェも、ジャンヒョンが来ると察していたようです。
ジャンヒョンは言いました。
「貧しいギルチェ、裕福なギルチェ、奔放なギルチェ、素直なギルチェ、私を慕わぬギルチェ、私を慕うギルチェ、何であれ、ギルチェがいればいい。」
ギルチェは、ならば・・・と、清の者に辱められたギルチェは?と言いました。
「辛いだろうから、抱きしめてやる。」
そう言って、ジャンヒョンは優しくギルチェを抱きしめました。
辛かっただろう・・・でも、もう大丈夫だ。私が傍にいると。
やっとギルチェは素直になれました。