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一瞬、理解するのに時間がかかりました。
時間が巻き戻された?と思いましたが、そうじゃありませんでしたね。
ドンギョンと滅亡の中から・・・いえ、この世に存在する全ての人から、滅亡の存在が削除されてしまったのです。
滅亡は、本来の役目を果たしていました。
冷たい目をして、哀れみも憐憫も感じず、この世に存在するものの“滅亡”を見守っていました。
それを邪魔する者に対しては、一切の恩情を施しませんでした。
悪事を働く人間も少女神は愛している事が、滅亡には理解出来ませんでした。排除してしまえばよいのにと、常に思っています。
ドンギョンは余命短い編集者です。
入院して治療をする予定になっています。
それでも明るく、誰にでも優しく生きています。
滅亡もドンギョンもお互いの記憶は全くありません。
ただ、ドンギョンは何か思い出せない記憶があることは感じているようです。
病気のせいで忘れてしまっていると思っています。
病院の廊下で、ドンギョンと滅亡がぶつかりました。
以前も同じ事がありましたよね。でも、2人とも全く覚えていません。
そのまますれ違って行きました。
ドンギョンと滅亡の記憶は操作されていますが、周囲の人たちの記憶は時の流れを正確に刻んでいるようです。
例えば、ガンが見つかった女性作家は、ドンギョンの表情が少し変わったと気付いています。
以前に比べて暗くなったと感じました。
「生きるのが楽しいと言ってたじゃない。どーしたの?」
ドンギョンは、そんなことを自分が言った事も忘れていました。
ソンギョンも、滅亡のことが頭のどこかに残っているようです。
元カレのデハンの事は覚えています。でも、もう一人いた気がする・・・と呟きました。
滅亡は、深夜0時少し前になった時、思わず立ち上がってどこかに行こうとしました。
でも、立ち止まりました。
何処に行こうとしていたのか、何のためなのか、全く分からず、無意識の行動だったからです。
ドンギョンに充電する習慣でしたよね。
ドンギョンは入院しました。
その日、滅亡は一人の男の元を訪ねていました。
男は自分の息子を暴行で殺したにもかかわらず、罪を逃れようとしていました。
息子は事故死とみなされたようです。
病院の葬儀場でお葬式が行われていました。
滅亡を強請屋だと思った男は、スルーしようとしました。
が、滅亡は男の足と肋骨を折りました。念じるだけでそれは可能でした。
男は必死に逃げ、駐車場に向かいました。
「滅亡は俺の権限だ。それを乱用されたお返しをしたい。」
そう言った滅亡が男の首を絞めようとしたとき、滅亡は誰かが見ている事に気が付きました。
ドンギョンでした。
ドンギョンは入院の手伝いに来てくれたジナを見送って駐車場まで来ていたのです。
その時、右手首の赤い腕輪が切れちゃって。それを探していたのです。
面白いのは、こんな状況を目撃したにもかかわらず、ドンギョンがコーヒーを驕ったこと。
普通の友人同士の様に、話を始めたこと。
俺は何も飲まない・・・と滅亡。
ドンギョンは、先日病院の廊下でぶつかった人だと気付きました。
そう言うと、滅亡は驚いたようにドンギョンを見つめました。
普通の人は、滅亡を見分けることは出来ないからです。同じ顔、同じ容姿に見える筈が無いからです。
噂の幽霊かとドンギョンは思いましたが、それとも違う様子。ドンギョンの心の声を聞くことが出来るのですから、普通の人間じゃないですよね。
それに、ドンギョンがもうすぐ死ぬと言う事も知っていましたし。
ドンギョンは一人になると、恐怖がこみ上げて来ました。
滅亡から一旦は逃げ出した男ですが。逃げ切る事は不可能でした。
結局死ぬほどの恐怖を味わわされた挙句、耐えきれずに自首しました。
ジナの新作をジュイクもヒョンギュも読みました。
ジュイクはそれが自分の事だとすぐに分かりました。
ジナに会いに行きました。
「あの主人公は俺だろ。読むのも分かってただろ。」
ジナは否定しました。
「俺が好きか?はっきりと答えてくれ。身の振り方を決める。奪うか、片思いでいるか・・・。」
諦めることは無いと言う事ですね。
ヒョンギュはジナの作品を読み、ペンネームが自分の名前由来だと気付きました。
嬉しくなりました。
そこにジナから食事のお誘いが。
いそいそと出かけて行きました。
ジナとヒョンギュの話題は、昔の思い出の話しかありませんでした。
別れて以来、いろんなことが変わり、知らない事が多いと言う事を改めて気づいたジナでした。
2人の間には、予想以上に距離があるということです。昔の2人じゃないということです。
アイドルになった青年作家がお見舞いに来ました。
なんだかんだと言いながら、青年作家はドンギョンを信頼しています。
青年作家が聞きました。
「あの話、どうなった?」
最後に会った時、ドンギョンがした話の続きがどうなったか気になっていたのです。
“愛する人を選べば世界が滅亡し、世界を守れば愛する人が死んでしまう”という設定の物語をいかにすればハッピーエンドに出来るかとドンギョンが問うたことです。
ドンギョンはやはりこれも覚えていませんでした。滅亡の記憶と共に、契約も消えてしまったのですから。
青年作家は、自分が考えたストーリーを話しました。
「時間を巻き戻して選択の瞬間を避ける。でも、結局運命の恋に落ち、再び選択を迫られるかも。」
滅亡は少女神に、ドンギョンが自分を見分けたと告げました。そんな人間はいなかったのに・・・と。
少女神は何も言いませんでした。
鉢植えの植物が芽を出し、蕾を付けています。でも、しおれそうです。
「あなたよ。」
と、少女神が滅亡に言いました。
ドンギョンは廊下で会った同じ入院患者の少女に、屋上からの景色が綺麗だと聞き、夜になって上がってみました。少女神です。勿論、ドンギョンは覚えていません。
そこで、また滅亡に会いました。
あー言えばこー言う・・・という感じで言い争う2人。まぁ、腹を立てているのはドンギョンだけで、滅亡は何処か面白がっているように見えますが。
「どうでもいいけど、喧嘩を売らないで。今、世界なんて滅んじゃえって気分なの。」
と、ドンギョン。
気に入った・・・と滅亡。
揶揄われていると思ったドンギョンが、戻ろうとエレベーターに乗り込むと、滅亡も乗り込んで来ました。
「すぐに痛くなる。」
と、滅亡。
すると、本当にドンギョンを激しい頭痛が襲いました。
崩れるように座り込んだドンギョン。
お願い・・・助けて・・・。
滅亡に縋ろうとしました。
「助けたら、何をしてくれる?」
と、滅亡。
滅亡が手を握りました。痛みが嘘のように消えて行きました。
「俺に世界の滅亡を願え。死ぬついでに悪党どももこの世界も道連れにしよう。」
ドンギョンは、そんな事できる筈が無いと、信じられません。
そりゃそーですわな。
すると、今度は滅亡、ドンギョンをあの海岸に瞬間移動させました。
ドンギョンが好きな場所だと察したのです。
いったいあなたは何者・・・とドンギョン。
「滅亡。お前が望んだじゃないか。」
滅亡はまた契約を提示しました。
「死ぬまで痛みを消してやる。代わりに、死ぬ前に世界の滅亡を願え。」
どーして自分が?と、ドンギョン。
「ただなんとなく、そんな気がする。」
と、滅亡。
ドンギョン、この時は、滅亡の手を取りませんでした。
ドンギョンの話を聞いているうちに、滅亡は何かを感じました。
そして、無意識にそっと手を伸ばし、ドンギョンの頬に触れようとしました。
ドンギョンも不思議な気持ちになりました。
2人が見つめ合った瞬間、別々の場所に瞬間移動。
滅亡は自分の家に。
ドンギョンは、エレベーターの中に。
いつの間にか、涙がこぼれている事に滅亡は気づきました。
すぐに少女神のところに向かいました。
「俺に何かしただろ。言え、何をした。」
あなたじゃない、あの子、タク・ドンギョンによ・・・と、少女神。
ドンギョンは携帯の中に知らない番号があるのに気が付きました。
ダイヤルすると、呼び出し音がすぐ近くに聞こえました。
エレベーターのドアが開き、着信音と共に現れたのは、滅亡。
「タク・ドンギョン、お前は誰だ。」
「あなたは、誰?」
切ない・・・
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