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オ・セヒョンに、目的はスニャンかと言われ、ドジュンは肯定しませんでした。
「もしかしたら、もっと大きくて大切なものかも。」
オ・セヒョンは言いました。
「金の流れより先に知るべき事がある。金の主人は人間だ。人間を理解してこそ市場を理解出来る。投資の定石だ。」
新車発表会を前に、オートレースに出場したスニャン自動車。
ライバルのデヨングループも参加していました。
調子よく快走するスニャンの車を見ながら、優勝すれば、新車発表会に花を添えられるとヤンチョルも機嫌が良かったのですが。
ファヨンが突然気分を台無しにするような発言をしました。
元々スニャングループの中で自動車は足を引っ張るような成果しか上げられていないようです。
なのに、何故執着するのかと、ヤンチョルに言ったのです。
実は、ファヨンは夫の政界進出をヤンチョルが後押ししてくれないことに不満を持っているのです。
ヤンチョルは怒りのこもった声で言いました。
「これからもお前はチン・ヤンチョルの一人娘だ。それ以上望むのは贅沢だ。」
ファヨン、呆然としてしまいましたが、すぐに勝気が沸き上がりました。
だったら、娘がお飾りじゃない事をお父さんに分からせればいいと。
トップを走っていたのに、ライバル社であるデヨングループの車に抜かれた時、ヤンチョルは思わず乗り出して不機嫌な表情になりました。
周囲にいたヨンギやドンギは、ヤンチョルの顔色を窺って、言葉が出ません。
ドジュンがコーヒーを差し出しながら、ヤンチョルに言いました。
「まだ3周残ってます。こんな言葉があります。ゴールするまで終わりじゃない。」
ヤンチョル、気持ちが少しだけほぐれました。
その時、よりによってデヨングループのチュ会長が5人の息子たちとやって来ました。
散々、嫌味を言うチュ会長。そして対抗するヤンチョル。
ドジュンは、自伝の中で、そして歴史に記されている2人の偉人を目の前に見て、ある種の感動を覚えていたようです。
ヤンチョルは、ソウル大学に首席で入った孫だと、ドジュンを紹介。
ドジュンから聞いたばかりの言葉も添えました。
「ゴールするまで終わりじゃない。」
この場ではヤンチョルが勝ったと思ったのですが、なんと、直後、スニャンの車にトラブル発生。
連絡を受けたヨンギが慌ててコックピットに走りました。
ヤンチョルが来ているのに、リタイアなんてさせられないと無理を言い、そのまま継続して走行を命じました。
しかし、結局、炎を吐きながら停止、リタイアする羽目に陥ってしまったのです。
ヤンチョルは、チュ会長に嫌味を言われても、返す言葉が出ませんでした。
おまけに、ヨンギが問題を解決したと得意げに報告してきた内容は、マスコミをお金で黙らせるとか言う姑息な手段。
チュ会長が言ったように、自分には後継者と胸を張って言える息子が一人もいないと感じた瞬間、ヤンチョルはヨンギの頬を叩き、その場を出て行きました。
それっきり、行方が分からなくなってしまったのです。
新車発表会があると言うのに。
ヤンチョル抜きで発表会を開こうと言ったヨンギ。
ドジュンが反対しました。
「新車はおじいさんが社運をかけて開発した力作です。なのに、おじいさんがいなかったら、マスコミはおかしく思うでしょう。一身上の都合でと言う言葉は、マスコミの想像力をかきたてるだけです。」
おじいさんを連れて来ましょうとドジュンは言いました。
彼だけが、ヤンチョルの行き先を知っていました。自伝に書いてあったからです。
スニャングループの始まりとも言える場所です。
そこには、スニャングループの前身“スニャン運輸”の古いトラックが収納されていました。
ヤンチョルは、その古いトラックではなく、高級外車のエンジンのチェックをしていました。
「誰も知らないのに、何故ここにいると分かった。」
と、ヤンチョルは驚いてドジュンに言いました。
お前も私が自動車に執着することを馬鹿にしているのかと、ヤンチョルは怒鳴りました。
ドジュンは、ヤンチョルが持っていた懐中電灯を受け取り、手元を照らしてあげました。
そして、言いました、バカになどしていませんと。
「スニャン自動車はエンジンだと思ってます。おじいさんをここまで走らせてくれた原動力でありエンジンです。」
ドジュンは、ヤンチョルがスニャンを興した過程を話しました。
ここまでの大企業に成長したのは、スニャン運輸がエンジンとして働いて来たからだと。
チェ検事の政界進出を反対しているのも、これまでの経験から、政治とはつかず離れずの関係で居なければならないと言う教訓を得たからでは?と。
ヤンチョルは、ドジュンの話に心を動かされました。
改めて自分の来し方を思いました。
そして、ドジュンと共に、新車発表会に戻ったのです。
ヤンチョルは、大勢の客を前に、挨拶をしました。
そして締めくくりました。
「スニャン自動車は、スニャンのエンジンです。」
ドジュンの言葉をパクったのです。
感動的なスピーチでした。
ドンギがドジュンに話しかけました。
製鉄会社がスニャン自動車には絶対必要だとヤンチョルは思っているが、パワーシェアーズにどうやって勝つんだ?と。
何か、意味ありげです。
ドジュンは答えました。
とられるなら、デヨングループより、パワーシェアーズの方がマシでは?と。
実は、ドンギはドジュンがパワーシェアーズのオ・セヒョンと繋がっていると見ていました。
ドジュンの運転手はドンギのスパイだったのです。
ドジュンを尾行していた運転手は、オ・セヒョンと接触していたのでは?と思える状況を目撃していたのです。
突然、デヨングループも、製鉄会社の買収に名乗りを上げて来ました。
それも、パワーシェアーズが提示しているより大きな金額で。
現金化できる資産は無いと見ていたので、ヨンギたちは驚きました。
すぐさま、資金の提供先を調べるよう、ヨンギは部下に命じました。
はっきりとしたことは分かりませんでしたが、一つ気になる事が判明しました。
ファヨンが代表を務めるデパートの資産の一部が現金化されていることでした。
ファヨン、今が自分の存在を父にアピールするチャンスだと考えていました。だから、ヨンギに資金援助しようと考えたのです。
ドンギは、ドジュンがオ・セヒョンと組んでいると思いました。
で、イ秘書室長を通して、ヤンチョルに2人が接触していると思われる状況を報告したのです。
ヤンチョル、初めてドジュンに疑いを持ちました。
その疑いを確認しようとしました。
ドジュンに言いました。何故私がここまで上り詰めたか分かるか?と。
「私に反旗を翻した者は絶対に許さない。それが血を分けた兄弟や子供だとしても。」
そして、以前土地で儲けたお金をドルに替えた理由、使い道を問いました。
ドジュンは言いにくそうに話しました。
「ニューヨークに父さんと行った時、映画に投資しました。」
答えを緊張して待っていたヤンチョル。
思ってもみない答えに、失望の色を隠しませんでした。しかし、ほっとしてもいたんじゃないでしょうか。
オ・セヒョンの部屋に花駕籠が届けられました。
持ってきたのは、ホテルでアルバイトしていたソ・ミニョン。
花駕籠に添えられていたカードに“レーチェル”とあったので、てっきり女性への誕生日プレゼントだ誤解しました。
でもこれはオ・セヒョンに部下から贈られたもの。
嫌味を言ったソ・ミニョンはバツが悪いったらありゃしません。
そのまま部屋を出ようとしたのですが、引き返して来ました。
誕生日プレゼントに・・・とホテルのレストラン招待券を渡しました。
実は、これが大きなプレゼントになりました。
花駕籠に盗聴器が隠されていたのですが、それをソ・ミニョンが招待券の裏にメモして知らせたのです。
ドジュンとオ・セヒョンは一芝居打ちました。
いかにも製鉄会社を買収しようとしているような会話をしたのです。
盗聴器を忍ばせたのは、ヤンチョル?それとも、ドンギ?
どちらにしても、その音声はヤンチョルに届けられていました。
すぐさま、ヤンチョルはオ・セヒョンを呼びました。
そして、パワーシェアーズに資金提供したのはドジュンかと問いました。
オ・セヒョンは、正直に言いました。
ドジュンに資金提供をしてもらったが、今は関係を解消している。そして、ドジュンの投資先はインターネットで本を売る小さな会社だと言いました。製鉄会社ではなく。
「全産業のエンジンの役割を果たすとドジュンは言うのですが、ありえない。だから、解消しました。」
ヤンチョルは、信じられません。てっきりドジュンが製鉄会社を買収しようとしていると、自分に反旗を翻したと思い込んでいましたから。
オ・セヒョンは続けました。孫を疑っても仕方がないと。
「父親の悲願だった事業を息子が邪魔して、長男の計画に弟が水を差す。それが財閥一家ですから。」
その時、ヨンギが飛び込んで来ました。
自分にまかせてはいられないと、ヤンチョルが直接オ・セヒョンと話し合おうとしていると考えたのです。
ヤンチョルはそれに構わず聞きました。計画に水を差しているのは?と。
「デヨンに資金提供しているのは、スニャン家の方では?」
ドンギでした。
ヤンチョルは、これを知っても、何も手を出しませんでした。
ヨンギに任せたのです。
ドンギを止めることもしませんでした。
結局、ファヨンの資金援助を受け、ヨンギは製鉄会社を買収することに成功したのです。
ドンギはバレているとも知らず、お祝いのケーキを持って帰宅しました。
ヨンギは、そのタイミングで全て知っていると告げました。ヤンチョルも知っていると。
ドンギ、心底びびりました。
家族そろった食事の席で、ヤンチョルはヨンギを後継者として認め、遇しました。
ヨンギ、感動で涙がこぼれそうでした。
これ、全てドジュンの読み通りでした。
オ・セヒョンが言った“投資の定石”。人間を理解してこそ市場を理解出来ると言うと言うのを実践したまでだと、オ・セヒョンに言いました。
そして、製鉄会社を取られたのではなく、スニャンに莫大な負債を抱えさせたのです。
ところで、ドジュンが投資したインターネットで本を売る小さな会社・・・。Amazonでした
大儲けです、ドジュン。
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