《 昨日の続きです 》
次に天川村広瀬の集落へ
塩野集落から県道53号へ下りて、天ノ川沿いを東へ向かう、それらしき路に入る、狭い路の真ん中には苔の緑ラインがある
ここの路も上り坂でヘアピンカーブ、軽四でも気軽に曲がれない、脱輪しないように注意してユックリ進む
↓ 県道53号沿いの景色
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清流の天ノ川に緑が写り込む
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まだ新しいような感じの吊橋、その横には年代物の地名表示板がある
とにかく渡ってみる
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吊橋より、南の谷から天ノ川に落ちる小滝、
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吊橋から眺める天ノ川
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振り返れば、山の上に広瀬の建物らしきのが見えた、右の方は大きなお寺のようだ
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対岸へ渡る、岩の中に小さな石仏さんがいらっしゃる、槙の木か?まだ新しいのが供えられている
このそばに民家はない、誰かがお参りに来るのだろう
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苔の岩の向こうには清流の滝
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天ノ川、もう少し上流にて
川沿いの県道から、広瀬集落へ上って行く
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少し上ったら、南斜面の視界が広がった、上の方にも道路のガードレールが見える
りっぱな大きな民家、まだ建物もしっかりしてる、でも誰も住んでないようだ
この地は、先に訪れた塩野地区よりも南に面した土地が多く、住環境も少しは良さそうである、でも、どちらにしても不便な山の中の斜面であるが・・・
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建物横の石段を上れば、裏手にも民家
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さらに細い道を上ったら車道へ出た、 車道沿いの建物、放棄歴10年~20年以上か?
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この建物は新しい、地区の集会所なのだ、災害時の避難場所にもなっている
この場所は1921年(大正10年)設置の塩野小学校の跡地らしい、 ・・・ 100年前には、ここに集落があったのだ、小学校ができるくらいだから、近隣も含めてかなりの人が住んでたのだろう。
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手前の下にも民家が見える、その下に天ノ川が流れ、川沿いに県道53号が走る、対面は緑の山また山
↓ 空き家がほとんどでカギも雨戸も閉まっているが、 草木に覆われて玄関の開いてる建物があったので覗いてみた
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ブラザー製冷蔵庫のドアは開いて卵が4個
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隣の部屋はタンスが傾いて、物が散乱、
たぶん床が腐ってるのだろう、部屋へ入ろうと畳に足を着いたらブニュッと沈む、床が抜けそうだ
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奥の仏壇は開いたまま・・・ 布団は敷いたまま・・・
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「 JULY 1989 」 のカレンダーが落ちていた、・・・ ちょうど30年前だ
この集落でも誰にも逢わなかった、ただ一軒だけ、家の前に現役らしき軽トラが停まってるのが見えたのみ、
集落内全域を廻ってないので、詳しく解らないがほとんど無人の建物のようである・・・・
こんな光景を見たら、人の世の無常を感じますねぇ
それ、人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、おほよそはかなきものはこの世の始中終、まぼろしのごとくなる一期なり。さればいまだ万歳の人身(にんじん)をうけたりといふことをきかず。
一生過ぎやすし、今にいたりてたれか百年の形体をたもつべきや、われや先、人や先、今日ともしらず、明日ともしらず、おくれさきだつ人はもとのしづくすゑの露よりもしげしといへり。
されば朝(あした)は紅顔ありて、夕(ゆうべ)には白骨となる身なり。
・・・・蓮如上人の 「 白骨の御文 」 より一部抜粋