昔読んだ文芸春秋だったか、そのエッセイが想い出される。作家としては筆が進む勢いが欲しいだろう。粗い文章でも、筋が良ければ、それを元に直していけば良い。創造とはかくも難しいものだ。
僕も、実は、電気学会の論文(進化論)を1月5日の19時ごろまでに出さなくてはならないから、プレッシャーになっていて、スタートさせるために山のように有った宿題を何とかこなし、今朝から書き始めたがどうもうまく書けない。
10時からのコアタイムで書き始めた内容が気にいらない。昨年出したのを眺めながら構想を練って、ある程度進んだところから、焼酎を舌に乗せる程度づつ口に含んで、そしてキーボードを叩いた。僕は三島由紀夫でもないし、天才でもないので、何度も手直しする反芻型だ。
三島由紀夫はちょっと考えているような時間をおいて、後は一気に書き上げ、手直ししなかったらしい。若くして、切腹せず、少し長生きしたら、必ずノーベル文学賞はとれたに違いないという凄い文章を書けたのだから、感心するしかない。
僕は、才能が無い上にせっかちで、兎に角、見通しが立つところまでは雑でも一気に書きたい。お蔭様で、なんとか行けそうだな というところまで書けた。あとは数日で最後まで書き上げ、今年中に手直しし、5日までに図表などを入れれば完成。
酒って言うのは人生の大切な友達だね。
我々の世代で白い巨塔の山崎豊子を知らない人はいないと言っても良い。いつまでも、いつまでも書き続けて欲しかった。
白い巨塔は大学医学部の権力構造を白日のもとにさらしたものだ。回診時の大名行列はすっかり有名になった。東大から始まった大学紛争も、もとはといえば医学部問題が発端とされている。
実は私も大学で3年勤務したので、白い巨塔を想い出した。客員教授として、大学発ベンチャーを推進するため、工学部の教授と医学部教授の話し合いの場を持った。ところが、部長職の医学部教授の傲慢な態度は目に余るものが有った。
同じ教授ながら、工学部の教授を完全に見下ろしている。まともにしゃべらない。私とは最後まで目を合わさなかった。もう、驚くしかない。全員がこのような態度ではない。要職にある教授がそうなのかもしれない。親切な教授もいたし、助教授などは協力的だった。
医学部のボス教授は配下の教授、助教授(准教授)、講師、助手など大勢の人間に関して生殺与奪の権限を持つ。医学部、大学病院、公立病院、民間大病院などのへの配員で人事を動かす。巨額の資金も動かし、企業人は揉み手で出入りする。
学長も頭が上がらないんですね。一般の人は社長のイメージが有ると思うんですが、学長は投票で決まるので教職員には頭を下げる立場。特に医学部は教職員の数が多い上に、ボス教授を頂上とした一枚岩。医学部の支持は命綱です。大学改革も医学部の前で止まってしまう。
山崎豊子は女性ながら、正義感と反骨心の作家だった。地道な調査を重ねて、社会の不条理、理不尽さなどを書き続けた。真に惜しい人を亡くした。今の日本に勇気・気骨ある人は少ない。
伊丹十三はマルサの女でやくざに狙われ、刃物で切られたし、最後はやくざに殺されたのではないかとの疑念も有る(警察は事実関係をきちんと解明すべきだった:警察は雑なところが有る)。私も何度かやくざ、チンピラ、訳の分からない連中とやりあったことが有るので、共感が有り、勇気ある人は永久に生きていてほしい。
http://blog.goo.ne.jp/takejj_1953/e/04254d457c5cfc7ec80830e6a690c833
たまたま、山崎豊子は、グループホームに入っている母と年齢が一緒った。母には代わりに少しでも長生きしてもらうよう、歩行訓練を継続してゆきたい。