運が良かったね、寺田医師が担当する事になったのは。眼科医は4人だったか、そうであれば当たる確率は25%。大体、女医に診て貰うのは初めて。寺田医師は僕の眼をしっかり見ているから、正面を向くのは当然だが、ためらいが無い。
毎日、16mぐらいの階段を駆け上がり、駆け降りていたから、脚力は有るし、脈拍数が50台とスポーツマン心臓。健康診断でも悪いところがない。ところが、夏場、車の空調コンプレッサーが壊れ、しばしこの温度に慣れようと部屋の温度を上げるという馬鹿なことをやって、脳梗塞を発症。
脳神経外科でMRI観察。脳細胞が膨張して視神経に接触し、右眼の見えない領域が出来た。自分では、見えない領域が有ることに気が付かない。脳神経外科では進捗を恐れ、一刻の猶予も無いとか、心配していた。脳梗塞では何が起きるか予想がつかない。幸いこちらはOK。同時に白内障になった。そこで、眼科に行くことになった。
白内障手術は15分で終わるという話だったが、確かに時間はかからなかった。痛くも無いし、何が起きているか分からないままに終わった。起き上がると寺田先生が笑顔で話しかけた。右目が信じられないぐらいクリアで鮮明に見えるようになった。
数週間して左眼も手術した。え?世の中こんなに綺麗だったのかとびっくりした。手術前にレンズが遠視用か近視用かと聞かれる、僕はネットで調べ考えた末に中間レンズと答えて、友人に聞き、結局遠視用に変更した。友人は近視だったのに遠視レンズにし、1.5が見えるようになり、近くも見えるという。
まあこんな人は奇跡だ。僕は1.3ぐらいに戻ったか。遠くは問題無いが、小さい字は矢張り眼鏡がいる。眼が天国に来たぐらい良くなったから、白内障を自覚する人は是非、手術をお勧めする。寺田先生の担当になるには?眼科か脳神経外科で推薦してもらう時に指名するんだ。
気楽に話を聞いてもらえる。彼女は頭がいいね。難しい専門用語もパッと出てくる。洞房結節、電気信号を出し心臓をコントロールする器官で僕は忘れていたが、心臓医でもないのに瞬時に言われて驚いた。