宇宙・生命・日本 1000年後のあなたに語りかけたい

巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

日本は後進国向け教育を継続し益々地盤沈下する

2007年10月27日 18時33分53秒 | インポート

 日本には未来が感じられない。それは教育こそが未来でありながら、日本の教育が旧態然とした知識詰め込み型だからだ。文部科学省も、まるでダメ官僚組織の期待に違わず、決定的におかしい。教育を考える時に、その重要な指針となるのは、国家ビジョンだ。日本の未来ビジョンを実現するために、教育も方向性や内容が決められなければならない。せめて、未来を志向する教育内容が求められるが、その方向性さえも感じられない。

 日本の戦前からの歴史を振り返ると、明確な目標・共通の目標を持たず、ローカルな組織あるいは個人が自らの欲望を膨張させて、暴走してしまう。既得権維持管理社会では、トップはやりたい放題で、ブレーキがかからない。その、欲望が無制限に拡大しそこに闇の世界が結びついたのが、バブルである。

 知識型の教育は中国の古の宦官の登用試験が大きく影響しているとされており、リーダーを育成するものでもないし、そもそも教科書に記載された知識なるものは、精製された過去の情報であって、そんなものをいくら詰め込んだところで、未来を切り開くことができない。何にも増して、高速・大容量通信のインターネットの時代に合うとはとても思えない。それでも、知識詰め込み型の教育が強化されるのは、この知識競争に勝ち残ってきた官僚の既得権を死守すること、ノスタルジア、そして、知識型教育のビジネスが高度に発達し、莫大な利益を生む社会構造となっているからだ。

 アメリカはヴェトナム戦争で、中央に最も輝かしく優れた頭脳の秀才たちを集め、作戦を立て指令を送り戦った。その結果が、アメリカに歴史上初めての敗北をもたらした。第二次世界大戦の日本軍将校たちは、彼らが学校で学んだような戦闘場面が一度も実現せず、ただただミスリードを繰り返したという。近いところでは、バブル崩壊以降、東大法学部のトップを集めた大蔵省が、800兆円を超え国の負債を作りだした。国家的な犯罪でありながら、誰も責任を問われていない。

 豊富な知識、素早く正確な応答、切れ味のよさ、誰が考えても素晴らしい。このような官僚タイプの秀才たちに接し、眺めてもきたが、結論として言えることは、彼らは作文はできても、現実に新たな状況、困難な状況には対応できないということだ。官僚型組織とそのシステムが個人個人を無能力化している面も否定できない。ミリ単位のことには非常にシビアだが、肝心な所に100m単位の穴があいている場合がしばしば見受けられる。実績や情報のあるい範囲ではめっぽう強いが、全体的な見方、バランスを要する判断ができない。

 日本の子供たちを知識ロボットとして作り上げてゆくことにより、どれだけ貴重な無駄を生じていることか。後進国向きの教育を強化することにより、ますます、日本が地盤沈下して行くことは避けられない。

 知識を全面的に否定するつもりはない。基本的な知識は必要最低限覚えておけばよい。今後の教育に求められるのは、情報を収集分析し正しい判断を行う評価の能力、社会や家庭を健全に導くリーダーシップ、そして、現実の課題に即した頭のトレーニング・体力維持の運動トレーニングだと思う。


早大白井総長へ「125周年記念おめでとうございます」

2007年10月21日 11時05分35秒 | 思考空間

 本日(10月21日)の朝刊に早稲田大学125周年の記事が4面の全面で大きく掲載され、トップに白井総長の写真が有った。ふと、白井総長がかつて、つらい思いされたことを書きたくなった。ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。1973年、私が早稲田大学の大学院生として所属したのが理工学部の電気基礎研究室。そこに今も変わらない若々しさの白井克彦助教授がおられた。白井助教授はパターン認識などが専門で、ワボット(早稲田大学が開発したロボット)の音声部門も担当しておられた。

 当時の電気基礎研究室は高木教授、秋月教授、および白井助教授という構成で、その下に博士課程、修士課程の20人程度の大学院生がいた。高木教授は鉄腕アトムのお茶の水博士のような風貌で優しかった。優れた自然科学的なセンスをお持ちの人で、それは驚くようなレベルだったが、週に何回か大学院で科学史を教えておられた。同じ広島出身ということもあり好意的に見ていただいた。

 問題は秋月教授だった。彼には私もさんざん痛めつけられた。ある日、秋月教授が「電気科の事務所の前を私の悪口を言いながら通った奴がいる。それは吉井だろう」と決めつけた。私は声が大きいし、率直にものを言うが、彼の悪口を言った覚えはない。教授ともあろうものが何たること、馬鹿馬鹿しいと思い、何も言わなかった。後に、彼が好感を持ちかわいがっていた先輩が言ったことを先輩自身が私に告白した。世の中はそんなものだ。しかし、それをきっかけに、溝ができ、秋月教授からあからさまな攻撃を受けることになり、卒業後も続いた。博士課程にいた別の先輩は、彼に一言逆らっただけで、博士号が取れなくなっただけでなく、山梨県出身でありながら鹿児島工専へ行かされ、先頃定年を終えた。一言逆らったが一生に関わる信じられない程の律義さであった。

 ある日、秋月教授と白井助教授が、大学院生の机が並ぶ部屋にいた。秋月教授は会議用の大きな机のところに座っていた先輩の院生に向かってこう言った。 「お前ら頑張れよ。頑張らないと白井さんみたいになってしまうぞ」 2mの距離にいた白井助教授の耳に入らないはずはないし、それを承知の上で聞こえるように言ったのだ。おそらく、当時の白井助教授は大いに傷ついただろうし、心に強く記することとなったのではないだろうか。このことに象徴されるように白井助教授は色々御苦労されていた。

 秋月教授は後に電気学会の会長に就任し、九州の分室の責任者となったが、かつての白井助教授との立場はすっかり、ひっくり返った。何しろ秋月教授は白井総長の配下だ。一時は凋落傾向にあった早稲田大学を蘇らせた白井総長の手腕は立派なものだ。誰もがその力量を認める巨大大学の総長としての地位と名声を確かなものにしたのだ。電気工学の研究者としてのまじめさ、率直さで、論理的に判断し、やるべきことをきちんとやってきた成果だと思うし、親しみを感じる。

 白井助教授は良い家のご出身だったと記憶している。お姉さんが新進気鋭の画家で、ちょうど絵が展示されていたので、白井助教授と共に数人の大学院生で見に行った。女性画家は自分を絵の中に描くのだなと思い、白井助教授に伝えると、ふーんと聞いておられた。また、テニスの経験のない私が前衛、白井助教授が後衛で一度テニスもさせていただいた。私は半導体をやりたかったのに、意に反して制御理論の研究をやることになり、ミスマッチングで期待にこたえられずご迷惑をおかけしたが、若かりし頃の良き想い出となった。


2013年に中国がGDPで日本を上回る

2007年10月06日 19時07分37秒 | 思考空間

 2003年、アメリカ投資銀行ゴールドマンサックスの予想では、2016年中国がGDPで日本を抜くと予想し、世界を驚かせたが、その予想は前倒しされ、2013年にも実現するという。日本には国家戦略のかけらさえ存在しないからどうしようもないなという感じである。

 これまでの日本が何であったかというと、自民党国会議員が自分の懐への利益誘導、あるいは選挙のバラマキのために官僚、大企業と組み税金を食い尽し、おまけに巨大借金が残った。日本の発展は二の次として真剣に考えられなかったことが、深刻な影響を与えている。民主党は解散に持ち込むこと以外に主たる目標が無い。これでは救われない。

 この勢いで行けば、早晩アメリカも追いつかれ、抜き去られるだろう。アメリカには中国に対抗するだけの力も失いつつある。中国は世界一の外貨準備高を誇り、アメリカの債券も大量に保有する。軍事的には朝鮮戦争で中国に勝てず、ベトナム戦争では後ろから強力に支援した中国に敗北している。おまけに、中国は共産体制の国で、他国の干渉を排除できるし、トップの一言で何でもできる。

 日本がバブル期に、経済でアメリカに挑戦し、アメリカのロックフェラーセンターなどを買いあさり、自らの利益だけの暴走になったことで、決定的にアメリカの不信感を生んだ。アメリカの巻き返しはすごかった。アメリカは日本のバブルに穴をあけ、日本を叩きながらビジネスを自国に誘導してきた。おまけに、世界の工場を日本から中国にシフトさせた上で、ここでも莫大な利益を上げてきた。同盟国どうしでありながら、不信感は埋まらず、溝が拡大したことは特に日本にとっては不幸なことだった。

 中国の野望は、経済だけでなく、軍事的にもアメリカを凌ぎ、世界的に圧倒的な支配力を発揮することだ。日本は中国の属国になるかもしれない。これは決して、杞憂ではない。