宇宙・生命・日本 1000年後のあなたに語りかけたい

巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

電力会社で経験した出鱈目

2012年08月29日 12時00分51秒 | 深刻な問題

 私が子会社(メーカー)で新規事業を立ち上げ、課長で本店営業部に戻った時(本当は次長のはずだった)、そこにいた部長(上司)はかつて私に「お前なんかどうでもええんや」と突き放したバックだけ大物だった。出向中の後半は毎週1回以上、社長への報告に出向いたが、営業部に戻ると、部長に自由に話が出来たのは挨拶の時の1回だけ。次長から、今後、部長に会う時は私の許可を得て下さいと釘を刺され、数メートル離れた部長のところへ行くことは殆どなかった。

 電力会社は副長(課長の下)でも少額決済できるなど相当の力が有るが、課長なのに、部下無し、権限なし、予算無し、何をするにも次長の許可がいるという状態に押し込まれた。飲み会の時、若い社員が「次長!いつもゲームでピコピコしているのが聞こえますよ」と言った。要は、次長は私の見張りだった。或る時、次長は私に聞こえるように「私はこんなに暗い人間ではないんだけどなー」とぼやいた。

 彼はそのお陰で?異動し、部長、取締役と昇進した。最近、関連会社の社長でテレビに出ていた。まだ現役である。

 昼飯時、常務にばったり会い、来いとのことで、子会社常務に相談したら率直に全部話せと言われた。アドバイスも有り、バックだけ大物には常務に呼ばれたと連絡し、日程調整して伺った。そこで、常務に状況を話し始めたら、「そんなバカなことが有るわけない」と一蹴され、何も聞いてもらえなかった。事実は小説より奇なりと言うではないですか。

 月曜日朝、課長以上のミーティングが開かれ、通産省から天下りしてきたO担当取締役のところへ全員が集まる。その席で、バックだけ大物は自分の父親があのカミソリと言われた後藤田元官房長官の後援会長だった事を明言し、全員に、睨みを利かすよう見渡した。

 わしのバックには後藤田がいる。怖いものなしや。お前らわしに逆らったらとんでもないことになるで、と脅したようなもの。本当のところは、上司(元官僚OB)がいる前で、無礼な発言を演出し、私にプレッシャーをかけたかったのだ。後にバックだけ大物が取締役になると課長以上ミーティングは廃止された。

 後藤田議員は元警察官僚で自民党の中でも恐れられていた。その影響力は確かにメガトン級だった。長い間、社長を初めトップ人事に力を及ぼし、当然その影響は全社に及ぶ。電力会社は政治力によって木の葉のように揺れるんですね。電力会社は予算が巨大で、トップを掌握すれば極秘情報も入り、選挙応援を得、政治家としてはおいしい。一方、電力会社は電子力から電信柱まで、政治家の協力無しには成り立たない。

 私が出向する前に遡る。子会社の〇△販売サービスのK社長が営業部へ打合せに来た。同社は△〇冷機センターへ資金を貸し付けていた。新任K社長は会計担当役員の提案を受け、多額の貸付金をチャラにしてでも切るための打合せだった。(5000万円までの欠損は子会社社長が決済できた)△〇冷機センターは支援が無いと手形を落とせず倒産する。(△〇冷機センター、〇△販売サービスはその後、名称変更された)

 △〇冷機センターは支店の開発に協力し、二人がわかめ冷風乾燥(電気動力)、青のり冷風乾燥で社長表彰を受けていた。私は電力需要を積極的に増やすため、△〇冷機センターとの共同研究を始めたばかりだった。担当の私は呼ばれなかった。K社長が打ち切りを発言した時、私は割り込んで「待ってください」と言った。K社長は「何を待てというのか」と激怒した。

 部下(バックだけ大物寄りだった)が小さな声で、頑張って下さいと言った。彼は支店にいたので△〇冷機センターの協力が必要なことを実感していた。

 バックだけ大物(当時課長)は私を呼び、手を引けと言う。夜、課の懇親会で、バックだけ大物はやってくると高圧的に怒鳴りだした。座がシーンとなる。酒の席で大声を出されるのは気分が悪い。手は引きませんと言い放った。正直、自分のサラリーマンの芽は摘まれるかもしれないと感じた。幸い当時の部長(支持部長)は手を引くように言いながらも理解してくれていた。

 それからが大変だった。△〇冷機センターに行くと全員青い顔。△〇冷機センターは電力会社に協力するのだから間違い無いと、全体で1億円を楽に超える負債を作っていた。兎に角、考えられるところは全部回って、頭を下げた。後に、ある中堅商社支店長にお会いした時、当時のことを言われ、この会社にも頭を下げたのかと思った。どうにもならない。倒産の危機で、噂が立った企業は助からない事が分かった。例えば、取引は急に現金のみになる。毎月の給料支払い額は莫大。

 必死で考えた。ふと、支持部長に営業部着任の挨拶した時「燻製をやったらどうか」と言われたこと(すっかり忘れていた)を想い出した。中東に行った時、燻製が美味しかったとのこと。△〇冷機センターに燻製の製造装置(冷凍機で冷却しながら燻製)について相談すると燻製は難しいとの返事。私は臆せず、技術系代理店に頼み、土曜日、自費で関西方面を回り事例を見学した。行けると思った。そこで、△〇冷機センターにスペックを伝え、汎用に近い試験機の見積もりを出させ、起案した。

 支持部長は悩んだ末に、判を押してくれた。(予算計画が無かったので3部長決裁)そこで、〇△販売サービスを通じて発注し、△〇冷機センターは受け取った手形を割り引き、引っ掛かっていた手形を落とした。かなりの変化球だが、これしか救済方法はなかった。そうこうするうちに、最初に取り組んだ宗田節のカビつけ(カビの喜ぶ条件を人工的に作る)が成功した。現地に行くと、大勢が集まり喜んでくれた。研究所が本鰹に成功し、宗田鰹を手掛けていたが大量で密度が高く、うまくいかなかった。

 直後、バックだけ大物に呼ばれ叱られた。現地営業所の課長が勝手に来るなと怒っているらしい。要は手柄を自分のものにするのに、邪魔なのだ。営業所には全面的に協力し、発表は営業所名でやるのに訳が分からない。かびつけは1か月以内に12台ぐらい、数年で40台ぐらい売れたか。

 A型営業所(市レベル)に2件以上の開発を目標に、目まぐるしく各地を回った。成功する毎に、事例集を作った。平均1.5件のところで、出向となった。企業との共同開発を進め、多くの開発を実施し、その度にニュースリリースした。引継ぎを考え、パンフレット、マニュアル、技術資料を整備した。

 △〇冷機センターは立ち直り売り、開発を積極化し、売上も向上した。(後に鹿児島でも同様の大型設備が導入された)〇△販売サービス社内でも、△〇冷機センターを傘下のメーカーとして活用する動きが強まった。私は△〇冷機センターと相談し、電気利用技術開発センター(正確な名前は忘れた)を建設した。多数の試験機に許容されるメンテナンス費を払い、土地代、リース代を賄って頂いた(当初)。その近くに〇△販売サービスも事務所を構えた。

 今だから言うが、各営業所の社員を〇△販売サービスに1~2名ぐらい出向させた方が良いと提案していた。電力会社の椅子に座っていて需要開発は進みにくい。支持部長から返事は無かったが、この構想は実現された。もし、△〇冷機センターが倒産すると出向者はたちまち頼りにするメーカーが無くなってしまう。〇△販売サービスは多額の貸付金を失わず、逆にドル箱を得た。

 開発センターに営業所から各地の魚介類、野菜、材料が運び込まれ、毎日のように試験を繰り返した。シイタケの人工栽培に成功し、ある日出向くと装置が多数並べられ、ちょっとした地元産業となっていた。乾麺の大型製造ライン(工場)は出向する前の最後の開発で、5件ぐらい導入された。電気乾燥は季節・天候に左右されず、素人が高品質に製造できる。乾麺社長は職人の心配をしていた。今でも各地を回ると突然お礼を言われ驚くことがある。

 △〇冷機センターが立ち直った後に製造販売した装置の電気容量は、10年ぐらい前で3800kwを超えていた。私が開発した需要の50%以上を占める。(当然、3800kwはカウントしている。メーカー出向時も電気利用装置などを開発し製造販売した)今後も増え続ける。こんな有効な電力需要開発法はない。

 しかし、バックだけ大物にとって後藤田をバックにした自分に逆らい、しかも解決したことは神経を逆なでしたようだ。私に関して左遷の噂が飛び交った。営業所の係長が、青森の六ヶ所村へ飛ばされる噂が出ていると言い、確かめてきた。バックだけ大物に聞いたが何も言わない。バックだけ大物は酒の席で、「わしはきついぞ。お前を真綿で絞めるように絞め上げてやる」と言った。毎日席に呼ばれ色々叱責された。

 叱っているところを全員に見せる。あら探しを課の全員に命じている。ある者は、私が手紙を書いていると、強引に手紙を取り上げ目を通した。アルバイトの女性の発言までが材料だった。夕方になるとバックだけ大物は全員を引き連れて飲み屋に行く。そこで女性社員も含めて毎晩どんちゃん騒ぎ。私は一人で遅くまで残業。ある日、バックだけ大物が来て、わしは仕事の邪魔をするのが好きなんやと言い、飲み屋に来いという。

 一度だけ行くと、私の部下が仕事に関してバックだけ大物にあれをしたい、これをしたいと言っている。バックだけ大物は田中角栄のようによっしゃよっしゃと返事する。私の立場は無い。バックだけ大物が来て以来、裏切られることは当たり前になった。

 ところで電力会社の営業部は独立した多額の接待費、会議費を持っている。これらの半分以上は顧客というより社内向けに使われる。副長が色々作文して、飲み会を設定する。接待費を残すため、領収書の人数を増やして会議費にする。バックだけ大物は大柄で、酒好きで大量の接待費、会議費を飲んだ。体中から電気料金の文字が透けて見える。

 バックだけ大物のやることは凄かった。産業需要に関して、工場などが申し込んできた電気容量(営業はしていない)を営業成績にするよう指令を出した。全営業所はせっせと粉飾データを作った。理由を聞くと、「こうでもせんと営業部門が評価されん」との返事。その数字やグラフは支店・営業所会議に出され、取締役会に報告され、マニュアルに印刷された。全社員はその粉飾データが掲載された対話マニュアルを持たされていた。

 バックだけ大物は悪質だった。その悪質さとは、高い地位にありながら逆にそれを利用して嘘の情報を流すこと。学歴エリートは大体、最初に聞いた情報を信じる。本当と嘘を巧みに混ぜる。私に関する悪質情報は大量に流された。支持部長からも聞いていた。支店営業所には悪情報が流れ、にらみも効いていたから支店へ異動できず出向するしかなかった。酒の席で常務(後に副社長)から、清濁併せ呑むというが君は濁々飲むんだねと言われた。

 電力会社では事実関係を徹底的に調べない。しかも、最初に耳にした報告や噂が信用され易いから、意図的に悪情報を流されるとたまったものではない。加えて人事部は弱い。また、正義感を持って解決するような人物は到底トップにはなれない。露骨に部下いじめしている次長を見ぬふりしていた某氏が社長になったと、いじめられていた当人から聞いた。だから、敵を作るなと言われる。

 別の副社長の支持部長に対する話ぶりでは、支持部長へ根拠の無い怒りと不信感を持っていたので(恐ろしい、信用できないと言っていた。立派な紳士でそんな人ではない)、バックだけ大物に後ろから銃で撃たれたと感じた。バックだけ大物の方が100倍恐ろしい。支持部長は携帯電話会社に社長で出向したが、ちゃんとお目付け役がつきマークされていた。電力会社では噂だけでも致命傷になる。結局、社長を辞めざるを得ないようになったらしい。

 営業部では最初にマイコン型電気温水器の開発に取り組んだ。開発チームにオブザーバーで参加していたが、毎回、お話ばっかりで、まるで前に進まない。そこで、白板にエンドからの逆スケジュールを作って見せた。すると、既にスケジュールが相当遅れていることが分かり全員驚いた。そこから、進み始めた。その後、担当管理職となった。指示部長から早くしろと言われるが、以前から検討されていた2タンクの追い炊き方式が技術的に解決しない。

 追い詰められ、私の独断で2タンクを止め、通常のマイコン方式で行くことにした。普通、温水器はマイコンでも残湯量を考えながら手で設定するが、私は積水のようなお任せが良いと考え全自動にした。材質はほうろうからステンレス(YUS190)にした。これは私が大日本インキの協力を得てFRPのタンクをとことん追いかけた副産物だった。つまり、私の出した材料費比較でステンレスが意外に安く、前任の副長が抵抗するメーカー(関連会社)を説得した。FRPタンクは執念を燃やして実現を模索したがコストの壁を破れなかった。

 指示部長はお冠だったが何とか開発でき、お客様に販売できるようになった。ところが、バックだけ大物は私に対してマスコミ発表を禁止した。こんなことは多分、全電力会社でも例が無い。電気温水器(原子力対策)は電力会社が営業する最重要な戦略商品で、営業所所長の評価にも温水器台数が大きく影響する。今から思うと、新聞発表すれば、トップも注目し、私の評価は上がった。バックだけ大物はそれは何としても避けたかったのだろう。

 私が営業部に戻るとバックだけ大物は△〇冷機センターの存在が邪魔と考えたようだ。部長だったバックだけ大物のところへ〇△販売サービスの社長が来て、△〇冷機センターをどう叩くか報告しているのが聞こえた。営業部長や若手のエースを〇△販売サービスに引く抜き、代理店とメーカーの協力関係も切ったようだ。△〇冷機センターの社長は泣きっ面だった。見かねて私のせいですと謝った。

 ずっと後、有力者に同行していた時、後藤田元官房長官の後を継いだ後藤田 正純議員に、2回ほど会う機会が有り、私もちょっとだけ、立ち話しした。勿論、有力者の手前も有るし、過去のドロドロした話など出さない。複雑な気持ちではあった。若くてハンサムで気さくな人でした。女優の水野真紀との結婚が報道されていたころじゃなかったかな。     続く。

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本当の戦略とは何か

2012年08月26日 16時54分03秒 | 国際・政治

 最初に日本に戦略が無い証拠を指摘します。①日本には国民と世界(とりわけアメリカ)が共有する国家ビジョンが無い。従って②国の目標と教育がリンクしていない(国家目標を達成する教育になっていない)、③日本にはスパイ防止法が無く、政府内にアメリカを中心とした諜報機関が浸透し、しかも、エシュロンなどにより政府をはじめ全国民の電話・FAX・メール情報がジャジャ漏れ。

 加えて、官僚が日本を支配しながら、官僚には重要度の高い情報について事実が無い。不都合なことをごまかし、嘘をつき、隠ぺいしている。また、教科書や実績のないことは扱わず、都合の良い情報を選択するので、狭い範囲の薄い内容となりミクロしか見えない。戦略を形成出来ない上に、諸外国が戦略を機能させる中では逆戦略(格好のカモ、餌食)となる。

 民間レベルで言えば、日本民族は江戸時代の農業中心から、製造業に移行してきた段階であり、決められたことを決められたようにやることはできても、世界状況の変化には対応できない。例えば、製造することには熱心でも、相手(世界の顧客)がいることが十分理解できていない。

 日本ではビジネスとは、自分で納得できる製品を作ることであり、それは必ず売れるとの確信に満ちている。営業は製造分野で役に立たない劣等な人材が担うと考えている。この考えが180度逆さまであることにトップをはじめ誰も気が付かない。

 従来の事務屋はインターネットや計算機が発達した現在、全く存在価値を失っているにもかかわらず、何としても技術屋を従えて、トップに立とうとしている。そのためには手段を選ばない政治力学の出世レースを展開する。

 一般レベルで、論理性あるいは論理的思考やそれに基づく判断が根付かない。気遣いとか空気を読むのは間違いではないが、程度による。若い世代と接すると、間違いでもでもいかさまでも、それをごく自然に受け入れてしまう。恵まれている一方で就職やポストが少ないことが影響しているのか。

 ◆毎年、夏になるとNHKをはじめとして、戦争の特集などが放映されます。そこで明らかになるのは旧日本軍の無謀な戦線拡大、人命軽視に加えて戦略性の無さです。日高義樹の最新著「何故アメリカは日本に二発の原爆を落としたのか」でも日本軍の戦略性が無かったことを述べています。日高は長くアメリカのハドソン研究所に所属し、アメリカと日本、両国を客観的に知り得る立場にあります。

 余談ですが、かつて「21世紀は日本の世紀」と予想したハーマンカーン博士もハドソン研究所にいたので、当時、胸を躍らせた私にとって、同研究所は思い出深いものがあります。

 日本軍の下士官以下は勇猛果敢、極めて優秀でした。それで、日本軍は開戦から半年はアメリカ、イギリスなどに対して優位に戦い快進撃できました。しかし、ミッドウエイで致命的な敗北を喫すると、失敗や敗北を想定していなかった軍上層部は機能不全に陥り、なす術なく後退を続けます。日本軍は守りの意識が無く、備えもできていなかった。東京空襲では反撃もできず、50万人が亡くなっている。

 翻って、東京電力の福島原発を見ると、背景は異なるが全く同じような状況が繰り返されている。安全神話を国民に刷り込み、安全対策を怠った。元々BWRは欠陥が指摘されていた方式だった。然るに、スリーマイルやチュルノブイルの事故は日本では起こりえないとタカをくくり、全電源喪失対策を見送り、過去の津波記録を調べもせず最大高さを5.8mに設定し、原子炉の冷却装置を勝手な判断で中止させ、放射能をまき散らした。本来は切腹ものです。

 日本の電気メーカーは全社併せても韓国のサムソン電子1社に勝てない。一時期は日本トップメーカー10社の利益合計よりサムソンの利益が1ケタ多かった。液晶テレビや太陽光発電で躍進したシャープは、台湾メーカーになりつつあり、しかも存亡の危機。現代自動車はトヨタを追い越す勢いである。ここで、日本は現在に至るも戦略が無いことが明確になる。

 それでは戦略とは何なのだろうか?恐らく、日本では戦略の意味が理解されていない。官僚が使う戦略とは、単に予算を取る時の枕詞で、深い意味は無い。私は戦略研究学会の正会員であるが、論文を読んで、文芸春秋の記事との差を感じない。学会に質問すると、引用のあるところが違うとのこと。

 私は新しい進化論を提唱し(場違いな電気学会に3回ほど発表)、生物が戦略的な進化を遂げてきたと考えた。意外に思われるかのしれないが、実は生物進化は人間の戦略の原点であり、しかも、人類のそれをはるかに上回る。勿論、両者に違いがある。人間社会に当てはめた場合、生物とは決定的に異なるのが情報が間接的であり、かつ情報伝達は多種多様で幅広く伝わり、誤情報が多く含まれる。

 両者に共通するのは、コアに優れた評価システム(評価方法)を持つことの重要性。この評価システムこそが戦略を形成する神髄だ。情報の収集と分析、適切な目標の設定、有効かつ合理的な方法の選択や創造、経過や結果のチェックとフィードバック、全てのプロセス、ステップで優れた評価システムが機能しなければならない。

 日本社会は上に行くほど働かず、実行能力が無くなり、責任が小さくなる。それに反して権限、地位、報酬が増えるというという不思議な構造を持つ。目的達成ではなく、組織を維持するためのネガティブフィードバックをかける。ネガティブフィードバックは数学で安定性が高いことが証明されている。これで既得権維持構造が強固になっている。

 日本型構造は目的を達成してはいけないから目的を曖昧にする。きれいごとに終始し、不都合なことは誤魔化す。切れ者官僚は特に重要な場面で嘘を上手に混ぜる。事実が少ないだけ、戦略性を形成しにくい。本当のことを言い続けたら日本の社会では絶対に権力構造の階段を登れない。都合の良い、ばれない嘘を採用し、都合の悪い事実を封印してしまう。

 日本企業も戦略性に疑問符がついた。その顕著な例は、日本メーカーの製造重視、営業軽視の姿勢である。あのトヨタでさえ、世界状況や顧客の要望に関係なく、おらの車を作ろうとする。アメリカではピックアップに進出しGMを追い詰めた挙句に痛い目にあった。かつてトヨタは満足を売ると豪語し、製造技術にこだわる日産やマツダを笑っていたが、今や現代自動車に笑われる立場だ。

 かつて鳩山首相が戦略局を作るというので、複数方面から「戦略の基本の基本は幅広く関連情報を集め、事実を究明すること」と提案したが、仮に本人に届いたとして理解できたかどうか。

 日本は歴史的に何でも受け入れる寛容さがある。ただ受け入れるだけではなく、過去の思想や技術やベースとなるものを総動員し、咀嚼し、融合させ、完成度を高めた創出を繰り返してきた。世界中を原点とする造形物が日本で極致を極める。従って日本は世界に欠かすべからざる民族だ。しかし、それには時間がかり、また、方向性や目標が有ったわけではない。まじめに、こつこつ処理してきたのだ。

 日本はいまだ、その職人的製造レベルから抜け出したわけではない。その日本全体を記憶エリート、イエスロボットの官僚が支配し統率しているしている。彼らは実行・実現能力を持った上で、あるいは評価された上で地位を得てきたわけではない。だから、教科書や実績に従い、実体の無い作文の世界を出ない。責任も負わない。元々、戦略とは無縁の世界にいる。

 戦略形成にはまず、論理的な思考方法(思考力)を身に着ける事、次に事実を徹底的に追及する手法を開発するところから始めなければならない。国内企業ではトヨタのように製造現場でトラブルの原因を徹底的に追及してきたケースはある。しかし、それがより上の組織では実践されていない。特にトップの経営判断においてなされていない。

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NHKが回答できないヒッグス粒子報道への質問

2012年08月22日 15時50分22秒 | 宇宙

 NHKのクローズアップ現代で取り上げたヒッグス粒子の放映に関して3つの質問を書状とFAXで送ったが、未だに回答が来ていない。無理もない。広島NHKの藤本さんにも申し上げたが、NHKも困ったでしょうねという感じ。

 NHKには優れた科学担当もいるだろうし、日本中のスーパー科学者とも当然連携がある。十分な確信を得て、これがヒッグス粒子だ!という紹介だったのだろう。分かり易かった。私にとっては、逆にヒッグス粒子に対する科学者の考えや期待が分かったので、矛盾点が明確に見えてきた。

 その以前、アメリカ研究機関の発表(NHKが報道)に関して質問を出した時には、国立天文台からの回答を送って頂いた。アメリカの天文台かNASAだったか、「宇宙の端に位置し、宇宙誕生から6億年後の天体を発見した」と発表が有った。

 私は、誕生6億年後の天体が宇宙の端に位置する事などあり得ないと指摘したところ、「宇宙は等方性で端が無い、宇宙は光速を超える速度で膨張できるから矛盾しない」との書面が来た。自ら宇宙の端と発表しておきながら端が無いとする。宇宙が光速を超えて膨張するなら物質もそれに乗って光速を超える。あまりにも馬鹿馬鹿しい回答だったので反論を見送った。

 今回、NHKへ、ヒッグス粒子に関して指摘した疑問は次の3つだ。

①ヒッグス粒子はこの宇宙をぎっしり埋め尽くしており、この構成が頑丈で容易に崩れないという(従って陽子を超高速に加速し衝突させるしかなかったとの説明)・・・そうであれば、現在光速に近い速度で膨張している宇宙に充足させる膨大な量のヒッグス粒子はどこから供給されるのか?

②宇宙の膨張速度(光速に近い)を考慮すると、宇宙の重力は、それこそ天文学的な加速度的で増加している事になる。然るに、ノーベル物理学賞を受賞した研究者によると宇宙の膨張速度は益々加速されている。内側に引っ張る力(宇宙の重力)が加速度的に増える中で、外への拡散速度も加速度的に速くなる・・・こんなことが有り得るだろうか?

③アインシュタインはエーテル説(宇宙をエーテルが充満しているとした)を完全否定できたとしている。私は、宇宙が発見されていない微粒子で満たされているとする、エーテル説に近い考え方を持っており、このブログでも何度か発表してきた。ヒッグス粒子は私の提唱してきたエーテル粒子そのものではないか?

 果たして、私の質問以降、ヒッグス粒子に関して、NHKから華々しい報道が無いというか、ピタッと情報提供が止まった。

 これまた、私事だが、NHKのサイエンスゼロには、私にとっての反ビッグバン理論の切り札の1枚である磯部琇三博士(先ごろ他界)の著書「宇宙の誕生の疑惑」を贈呈してある。磯部博士は宇宙観測の第一人者だったが、多分この著書で出世を封じられた。東大卒ながら国立天文台の助教授で職を終えたのである。

 ウィキペディアで磯部琇三博士を調べると、数多く著者が紹介されている中で、この「宇宙の誕生の疑惑」は脱落している。磯部博士は気負うところも無く、淡々とまじめに、ビッグバン宇宙の問題点を指摘している。宇宙物理学者にとってはまさしく目の上の「たんこぶ 」だっただろう。イカサマ科学が多い中で、磯部博士は中立、正直、優しい人柄が感じ取れる。

 宇宙が加速度的に膨張速度を増している事実もビッグバン理論(ホーキング博士によれば宇宙は膨張からやがて収縮に転じる。膨張速度は逆に減速してるはず:数学理論ではそうならざるを得ない)では説明できない。私は素人だが、どう考えても、ビッグバン理論は新しい発見がなされるたびに、破綻の度合いが大きくなってるとしか思えない。

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