中国の経済成長は2003年以降10%を超えるすさまじいものであり、2013年にも日本を追い抜くと見られている。流石に世界同時不況化で減速しているとはいえ9%を超えるという。誰の目にもやがてアメリカのGDPを抜くのは時間の問題である。その経済の中身は、日本をはじめとした海外企業の製造・営業活動+海外の技術やデザインをコピーする製造販売である。中国は莫大な極貧の民を抱え、成長の原動力が絶えることが無い。
中国の製品は毒入り餃子をはじめ悪評高く、中国国内では経済格差が深刻化し、公害は確実に国土を汚染し日本などへの悪影響を及ぼしている。報道されていないものの、中国国内の暴動は各地で頻発しているが強力な軍隊が一夜にして粛清し抑え込んでいる。それでも、中国は驚異的な経済成長をがむしゃらに維持しようとしている。何故か?これはひとえに、軍事力を強大化し、アメリカをしのぎ、世界制覇・世界支配しようとする、戦略・野望のためである。
世界の軍事費はGDP比率が基準になっている。GDPに対する軍事費比率が高すぎると、欧米諸国からの批判を浴びる。従って、中国が急速な軍事強化を進めるためには、経済成長が欠かせない。また、強大化した軍事力と経済力が中国への批判を封じ込める力になる。かくして、経済成長、軍事力拡大、批判の封じ込めという循環が、中国の戦略を後押しする相乗効果となっている。
アメリカが20世紀に犯した最大の過ちの一つが、共産主義国家である中国を世界の工場として強力に後押ししたことだった。その大きな原因が、日本が経済でアメリカに挑戦し、一時的には勝利したことだった。アメリカは同盟国日本の経済力優位を脅威と憎しみでとらえ、一度もアメリカに逆らったことのない中国を盲愛した。然しながら、日本憎し、中国大好きの感情がとんでもない過ちを生むこととなった。中国は共産主義国家である。いざとなったら、何物にも干渉されない。中国へ進出した企業の工場やあらゆる財産は一瞬にして中国国家に没収される。
日本人が何故これらのことに気がつかないか?それは、日本には戦略なるものがかけらさえ存在しないからだ。もう一つ言えば、世界は軍事戦略で動いている。何故、日本に戦略が存在しないのか?それは、日本を支配する官僚組織ほかがその既得権を維持するために、事実を粉飾し、いかさまルールを強行しているからだ。官僚は言う、寄らしむべからず、知らしむべからず。(一般の人間を近づけても、事実を知らせてもいけない)例えば、官僚組織に真の実力主義を導入したならば、現在の官僚組織は一瞬にして崩壊してしまう。情報収集と事実の追求・解明は戦略形成の基本の基本であり、重要な事実が粉飾された日本には真の戦略が成立しない。
中国のその牙は、中国の軍事力がアメリカを上回った時に、むき出しとなり、世界支配へ向けて現出される。中国が軍事力でアメリカを上回り、アメリカを屈服させた時、中国は自国が世界NO1であることを高々に宣言するであろう。そして、中国は台湾の占領取り込みを手始めに、北朝鮮の吸収、韓国、日本への侵略を進めてくるであろう。アメリカは自国を守ることが精一杯となる。これが、クリントン政権下で進められた、同盟国日本叩き、中国の支援による世界の工場化の選択が招く将来像である。