宇宙・生命・日本 1000年後のあなたに語りかけたい

巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

民主党にはアメリカ民主党との密接な連携を期待する

2007年06月30日 16時54分01秒 | 思考空間

 アメリカの下院外交委員会は6月26日、従軍慰安婦問題で日本の首相が公式に謝罪するよう求める決議案を賛成多数で可決した。この決議に拘束力が無いとはいえ、次期政権を奪取が確実視される民主党の日本政府に対する不信感が多いことを示している。1980年代以降のアメリカとの関係から今後について憂慮せざるを得ない。

 日本政府は共和党とは蜜月を重ね、民主党クリントン政権ではその反動のように叩かれている。しかも、世界の工場を日本から中国に移しただけでなく、クリントン大統領は自ら中国に出かけ肩入れしたことにより、中国がアジア地域の経済大国になることが確実視されている。それに相応してアメリカをも脅かす軍事大国になることが懸念されている。共和党ブッシュ大統領とは小泉首相以来良好な関係となっているが、そのブッシュ大統領の支持率は歴史的な最低レベルにあえいでいる。

 安倍坊ちゃんの積極性、実行力には期待するところもあるが、何分この男の勢いに任せた横暴さ、デジタルな頭の固さ、センスのなさ、情報収集や客観的な分析を伴わない戦略性のなさには危険性を感じる。米下院の決定は近い将来の日本との関係を予感させる。米民主党から見ると、にっくきブッシュ大統領の味方は同じレベルの敵に見えるのかもしれない。

 日本は第二次世界大戦、バブル経済(経済戦争)を通じて無謀にもアメリカに対して意味のない戦いをしかけ、取り返しのつかないダメージを受けている。私はアメリカに対して臆することなく、卑屈にならず、主張すべきは主張し、良きパートナーとして世界をリードすべきと考えるが、官僚組織とそれに乗っている自民党はあまりにも自己中心的で世界が狭い。

 日本民主党は大きなレンジの戦略として、米民主党との連携を密にし、同じビジョンを描くべきであろう。現状では日本と米民主党とのつながりが希薄すぎる。民主党どうしが連携すればその空白を埋める事が出来る。日本民主党は何を目指すのかを明確にすれば、国民の支持を得られるであろう。それにより自民党政権が倒れた場合の受け皿を確保できる。ただ現状は、あまりにも戦術的なところに重点が置かれ、どのような方向に日本や国民を導こうとしているのかが見えない。

 私はアメリカが中国に対して、少なくともオリンピックまでは経済成長を容認するがその後は引き締めてくるのではないかと考えている。私が考える最大の経済戦略は為替レートであり、もし、元を現在のドルペッグ性から、相場の状況に応じた変動相場制に移せば、中国は現在のような経済成長を維持することが難しくなる。それどころか、かつて日本が経験したように極端な元安と元高に振れると、一時的には経済がガタガタになってしまう。ただ、日本と中国が決定的に異なるところは、中国が共産体制の国家であり、強力な軍隊と諜報機関を持っていることである。世界の常識やルールを無視しても自国の利益を優先した政策を実行する可能性が高い。中国の野望が成功すれば、やがて経済力と軍事力でアメリカを凌ぐ超大国がアジアに生まれることになる。


ランクル200への期待

2007年06月24日 16時32分22秒 | 

 ランクルファンにはお馴染みのランドクルーザーという月刊誌が発行されている。本屋で時々、立ち読みするが、やはり熱いファンは80、70,60などの所有者であることが分かる。ワイルドに河原や野山を走り、解放感を味わい、メカに手を入れて独自の世界を実現するところに魅力があるのだろう。これに対して、トヨタにオンロードの性能アップを要望してきた私はちょっと亜流なのかもしれない。亜流であっても、今後のランクル、特にディーゼルの進化には興味をそそられる。

 近くの広島トヨタ(西風新都)に行くと、営業の高崎さんが次世代ランクルの情報を提供してくれる。トヨタからは情報を出さないので、雑誌の記事を紹介してくれる。私は喫茶店代わりに厚かましくコーヒーを飲みに行くので、多分嫌がっていると思うけど、おくびにも出さない。

 ランクル100の次世代モデル呼称は150と言われたが200、パワーはライバルとの関係から当初380馬力と予想されたが、ややトーンダウンして300馬力前後となるらしい。肝心のディーゼルの情報は全くない。ランクル100が出た後、しばらくトヨタの担当者とメール交信していたがその時はランクルをガソリンに特化し、ディーゼルをなくす方向であると伝えられ、ちょっとがっくりきた。しかし、ヨーロッパは省エネタイプのディーゼル全盛であり、進化したディーゼルを期待したい。

 できれば、ランクル200のエンジンは8気筒、5000cc、2,500気圧程度の超高圧インジェクション(コモンレール)で窒素排ガスの問題をクリアし、8人乗り3ナンバーとし、250馬力程度を実現してほしい。ランクル100ディーゼルは、出だしのアクセルが重く、少し踏み込むと煙が出る。スケールは今より大きくても良いが、小回りが効くよう4WSとできればベスト。油圧による車高アップは15cm以上、解除(最初の位置に戻る)を時速65km以上にしてほしい。逆にダウンは不要。(現状は上下9cm、時速50km以上で解除)その他の性能機能は現状よりアップすることで十分。現状でも高速を滑るように走る、スムーズさと安定性には満足している。クルーザーという名を冠する車であることを認識できる。

 先日ハマーを見に行った。この手の車はそもそも、非日常性を特徴とするので、セダン車に似せる必要はなく、ハマーはそれにぴったりあてはまる。ランクル100がクラウンの兄貴のようなのがちょっと引っかかる。ハマーは角型直線的で、元軍用車であることを感じさせる。H2はともかくでっかい。価格は800万円程度。H3は同じデザインでランクル100より小さいか。難点は左ハンドルであることか。今後、南アフリカでの生産により、右ハンドルの出る可能性があるというから、期待が持てる。

 ランクル100の良さは、購入当初、感激という言葉で表現できるほど実感できた。それまでの80ディーゼルと比べて、静粛性は格段に向上し、パワーアップした。1600回転ぐらいでアクセルを踏み続けると、実になめらかで心地よい走りとなる。一旦、2000回転以上で踏み込むと、力強い加速で周りの車を後ろに置いてゆくことになる。特に時速80kmから120kmぐらいまでが、TEMSの本領を発揮する。ほかのドライバーに申し訳ないなと思うほど、豪華で快適なドライブを実感できるのである。

 ランクル100のファンは、更なる進化を期待している。

 


小泉~安倍首相の通信簿

2007年06月23日 17時45分40秒 | 思考空間

 私は小泉元首相が厚生大臣の頃、毎月3,000円づつ献金をしていた。実際には、2回送った後、丁寧な手紙で、「おこころざしだけで結構です」と書かれた返事が来たので、これはだめだと思って献金を止めてしまった。後に達筆の手紙の送り主が飯島秘書であることが分かった。日本では議員が金を配って票を買うとの認識があるが、これはあべこべで、個人献金は理想形である。欧米ではひも付きでない個人献金が主体となっている。それにも拘らず断ってきた。この姿勢は理解し難いし理念が感じられない。バックに大手銀行などがいるので、小額の献金は処理が手間でうっとうしいと思ったのだろう。

 当時の小泉議員に注目したのは、財政投融資、あるいは特別会計の問題点を指摘していたからだ。私は日本を形成するメカニズムについて関心があり、日本をウオッチしてきたが、財政投融資なる言葉は、その私でさえ、初めて聞くことになった。その後、自民党をぶっ壊すと宣言し、田中真紀子の支援を得て大旋風を起こし首相になった。小泉首相について評価するのは、国民に隠していた特別会計を表にさらし解決すべき課題として定義したこと、およびイラクに自衛隊を派遣したことである。

 イラクへの自衛隊派遣は知識人の反対が多かった。しかし、もし、自衛隊を派遣していなかったら、現在も日本経済は低迷していただろう。バブルを間接的に崩壊させたアメリカは、諜報機関を駆使して日本経済をコントロールする手段を得た。アメリカは日本を徹底的に利用しつつ自国や旧英連邦の経済発展を実現し、同時に日本を叩くという同盟国にあるまじき行為に出たし、もっと決定的なのは世界の工場を日本から中国にシフトさせた。アメリカがおかしい、ブッシュがおかしいというのは簡単だが、現実的な選択として、アメリカと協力関係を維持しない限り、日本の経済成長OKの判断は出てこない。

 小泉首相の取組は郵政民営化などのピンポイントで物足らないものだったが、首相がトップに立ってリードするという前例を作り日本の転換点を作った。公約通り自民党をぶっ壊さなかったが、結果として金権体質の橋本派などは崩れてきた。改革のパイオニアとして100点満点の70点をつけたい。因みに、私の基準で60点以上の合格点をとれる首相は3分の1以下である。

 安倍首相は人気抜群な点を買い、各ジェネレーションをすっ飛ばして小泉元首相が起用した。次々法律を整備してゆく実行力には注目していたが、やがて、あの若さながら古い体質の政治家であることが露呈してきた。戦略性も感じられない。発言が軽いし、目標がしっかりしていないからブレが大きい。ドタバタ劇は彼の得意技となった。彼の言う、美しい国日本とは、多分、彼の育ってきた恵まれた環境を語っているのだろう。日本のどこを見ても美しさは昔のことではないか。彼が率先して富士山のゴミを拾いに行けば、いかに日本が汚いか分かるのいではないか。

 前にも述べたように自民党は、農家・医師会・大企業などの自動投票マシーンを持つ上に、公明党の支援を受けて本来なら盤石な態勢だ。利権と政治ががっちり噛み合っている。自民党は強力な集票マシーンとして動いていた土建業界が失速したものの、公明党が十分その穴埋めをしている。その自民党が、社会保険庁の問題で、今回の参議院選は安倍首相にとって逆風となっている。国民の怒りが尋常ではないということである。安倍首相は矢継ぎ早に、参院選挙に向けた手を打ちパフォーマンスを見せている。安倍首相の真価が問われるのは、逆風の中での今後の指導力であろう。今少し、動向を見てみたい。


バラマキODAをやめ団塊世代の親善大使を大量派遣せよ

2007年06月23日 16時05分25秒 | 思考空間

 日本の国と地方を合せた借金が1100兆円に達し、返済のあてもなく、経済成長は先進国の最低レベル、地方では破たんした夕張市をはじめ青息吐息の状態でありながら、相も変わらず、気前よくODA(Official Development Assistance-政府開発援助:開発途上国に対する援助)をばらまき続ける政府の感覚は何なのか。

 外務省の官僚がODA配布先の国に出張するときは赤絨毯での送り迎えと厚遇を要求したという。20歳代のエリート官僚が、頭を下げる出迎えを見渡しながら反り返って歩く様子がうかがい知れる。

 日本のODAがどの程度役に立ったか。官僚の作文では粉飾されているが、大手ゼネコンのひも付き予算であり、発展途上国の独裁者などの懐を潤し腐敗を助長してきた。金には顔も心も無い。どこに消えたかも多くが分かっていない。国民に対して、詳細かつ具体的に報告できないような補助金は、文字通り暗闇に消えたというべきで、結果的に支援や発展に貢献していない。

 今やODAの最大の供給先は中国であり、同国が受け取る17億ドルのうち11億円を日本が負担している。中国の軍事費は表向きでも日本を追い抜き、実際はその2~3倍と言われるその軍事費に回され、中国からアフリカなどへの援助金鞍替えされているODAを何故ストップできないのか?日本の製造業のほとんどが中国に工場を立地し人質に取られている上に、中国の利益のために働いている政府関係者が多いということを物語っている。

 私はバラマキODAを即刻中止し、今後大量の定年を迎える戦後生まれのスーパージェネレーション(戦後の貧しい時代に生まれ、激しい競争の中で生き抜き、日本を支えてきた世代)を発展途上国に大量派遣すべきだと思う。大切なのは単なる支援ではなく心の触れ合いであり、相互の文化と歴史を語り合い認識することだろう。外務省の官僚を厚遇するのではなく、名も無く本当に頑張った彼らを厚遇し、一人一人を日本親善大使として各国に送り出すべきだ。予算は知れている。

 ODAと同様に問題なのは国連への拠出金だろう。全体の予算の20%づつをアメリカと日本が負担し合計で40%に達している。片やアメリカは経済規模が日本の2倍以上の巨大国であり、かつ常任理事国である。中国の阻止を受けて常任理事国入りが多分永久に拒否されており、職員中に占める日本人が4%に甘んじている中で何で巨額の税金を投入し続けるのか?少なくとも日本の拠出金は常任理事国の中国やロシアの半分以下でなくてはならない。

 もし、中国が日本の立場なら、国連予算をゼロにすると宣言し、見返りに常任理事国入りを見返りにするだろう。国連脱退もちらつかせるかもしれない。色々な中国人と接してきた結果、彼らは平気で約束を破るし、子供でさえ駆け引きしてくるのを知り驚かされた。とても日本の常識が通じる相手ではない。中国人が悪いというのではない。長い歴史の中で支配され続けてきた結果、身に付けたものだろう。いずれにしても日本は完全に舐められている。

 日本では東大法学部をはじめとした知識エリートである事務屋集団が官僚組織のトップグループを形成し、日本の発展を阻害している。長い間眺めてきた結果、知識エリートは論理が希薄でバランス感覚や正常な判断力が欠如していることが分かった。しかも、日本中の親たちが、人間性や正義や社会貢献に目をつむり、偏差値神話を熱く支持し、知識ロボットを大量に排出させ続けるため、いびつな既得権維持管理組織をさらに強固なものにしている。

 知的エリートは頭が良いように見える。事実、教科書がある範囲では素晴らしく頭が良いし正確で回転も速い。ところが、新しい問題には歯が立たず先送り棚上げし、バランス感覚を欠き、論理性が希薄だからまともな判断ができない。一方で、独善的な欲望の塊でもある。言ってみれば、壊れた知能ロボットだから、無茶なことが平気で出来る。1100兆円の大借金を作ったのは誰あろう、東大法学部をトップで卒業した知的エリートたちであり、社会保険庁の粉飾で掴み金を懐に入れ、腐敗助長のODAをばらまき、巨額の国連予算を負担し続ける。

 近い歴史の中でも、第二次世界大戦で軍部の知的エリートたちは決定的な判断ミスを連発し、貴重な人命を散らし、日本全土を焦土に化した。(失敗の本質) スーパー官庁である大蔵省が完全に管理していた銀行がやくざと組んで地上げを繰り返し、バブルを演出した。これらのことをよくよく考えなければならない。


生命誕生と進化の謎

2007年06月17日 17時28分14秒 | 生命

 生物の専門家でない人でも、人間が単細胞生命体から進化したことはご存じだと思う。ところが、何故、物質から単細胞の生命体が誕生し、遙かな時間を経て人間に進化したかは、科学が高度に発達した現代でも多くが謎である。宇宙物理学者によれば、宇宙には生命体を形成するに十分な物質が存在し、非常にまれな偶然が重なった結果、最初の生命が誕生したとしている。生命誕生の必然性を主張している。

 確かに宇宙にはアンモニアなど大量の有機物質の存在が確認されているから、偶然と偶然が重なれば生命が誕生するようにも思える。ところが、有機物質と生命体との間には埋め難い大きな距離がある。例えば、非常に複雑な機械を想像して欲しい。残り1%で完成という高度で複雑な機械が偶然出来たとしよう。そのこと自体が奇跡であるが、この機械に様々なパーツを無作為に提供し、様々なショックを与え続けたら、完成するどころか壊れるチャンスのほうがはるかに高い。長きにわたって世界の研究室で、生命の研究が継続されているが、生命体に近い物質は合成できても、動かないし機能しない。いまだに生命体を創造するには至っていない。

 最新の進化説は、大雑把に言えば、遺伝子が何らかの影響で書き換えられることにより新たな生命体が生まれ、競争原理が働くなかで優位な種が勝ち残るというもの。ところが、この説では進化が高度化という一方向を目指したこと、獲得形質(経験し影響を受けたことなど)が遺伝されていること、生物進化全般に感じられる戦略性の説明にならない。

 遺伝子に放射線が当たり、あるいは環境の影響などにより変化があるとすれば、遺伝子は非常に複雑で高度な構造なので、さらに複雑な方向へ移行するよりは、むしろ破損したり、レベルの低い構造に移行すると考えるのが妥当であろう。

 私は電気学会で2回にわたって、物質に循環論理の評価システムが形成され、物質から生命体を生み、単細胞から人間までの進化への駆動力になったとする仮説を発表した。ちょっと場違いではないかと指摘する人もいた。ただ、電気学会(年会費を払っている)は発表し易かったし、発表すれば私のアイデアが公の記録に残ると考えてのことだった。

 有機物質が生命体になるのは、例えは適切ではないかもしれないが、石ころなどを規則正しく繋いで1000kmの長さにするようなもので、何もなくてそのような現象が起こるはずが無い。天変地異であれ何が起ころうが、物質には目的や方向性はない。

 私は、物質から最初の生命体までの進化、最初の生命体から人間までの進化を導き駆動力となった共通の「しかけ」が存在すると考えた。先の例で、物質のつなぎ方並べ方を評価し、評価を実行するシステムが存在したとすれば、非常に難しい話が単純になる。そこで、有機物質に循環論理の評価システムという、自己の存続を評価し、自己の存続する条件を採用、それ以外を不採用とするシステムが形成されたとするのが私の仮説である。評価システムが有機物質に形成され、自己を保存する新たな組み合わせを採用し続けると変化は高度化を目指し、やがて生命に至り、さらに進化が継続することが推定できる。

 循環論理とは聞きなれない言葉で、ほとんどの人が御存じないと思う。私が勝手につけた名称である。このように説明すれば多少分かってもらえるかもしれない。私たちの生活は朝起き、食事し、歯を磨き、働き(あるいは勉強し)、睡眠するというサイクルを繰り返している。つまり元の状態に戻ってくる。これを循環と呼ぶ。また、我々の血液は、心臓から体の各部に送り出され、戻ってくる。一方で、新しい血が生まれ、古い血は再生される。これらも循環(ループ)である。生命体の体には様々な循環がある。(多重ループ)もしも、物事を論理的(論理とはあいまいさを無くした客観的な表現としておきましょう)に投射出来る平面(スクリーンのようなもの:論理平面と呼ぶ)があるとしたら、その論理平面では生命体の体に様々な多数の循環が見られることになる。

 2回目の発表に私は細胞の修復を取り上げた。細胞が破損した場合に、何かが破損の状況を検知し、元の設計図(遺伝子)と比較しながら修復しなければならない。そこに必ず、比較や判断という評価機能が存在する。何かがこのように修繕しなさい、あるいは、完全には修復できないがこれでも良いかと比較評価しているのである。電気学会の発表ではパソコンのCPUを中心に置き、周辺にデーター変換装置やセンサーなどを繋いだ図で説明した。修復を取り上げたのは第1回目の発表の時、座長が、循環論理の評価システムが存在するとして、何が評価システムを使って判断するのかと質問し、答えられなかったからその回答である。すなわち、細胞などの修復では、知能のように比較評価する機能が存在することを示したのだ。

 原始の地球は今以上に厳しい環境であった。破壊的な環境下で、生命体に評価システムが存在しなければ、修復もできず生命体が一瞬たりとも生きてはいけない。

 昔読んだ、戦争と平和の中だったと思うが、肉体労働が3世代続いた子孫は、骨格ががっしりし、手や指が幅広いと発言するくだりがあった。あなたの周囲を見渡しても、農家の出身の人は骨太で指が太いはずだ。これは、獲得形質であり、3世代以上を経るうちに、肉体労働に適する体になったのだ。これは現在の進化理論では説明できない。

 物質と生命体の間の距離については、子孫の誕生のことが指摘できる。最初に誕生した生命体はその瞬間から、エネルギーの素となる食物を摂取し、分解し、取り込み、排泄するだけではない。もっと重要なことは、細胞の中に子孫を生む機能・しかけを持っていなければならない。この、子孫を生む機能に関して、非常にハードルが高い。たくさんの生命体が誕生し、その中でたまたま、子孫を生む機能を持つ単体が表れたのではない。全ての生物はたった一つの細胞から進化したことが報告されている。

 複数の大学の研究者とも議論した。循環論理という聞きなれない言葉ながら、誰もこれを否定できなかった。何故なら、現実に生命体は様々なループ(循環)で形成されており、多重ループとなっている。これらのループを論理的に記述すれば、循環論理になる。循環論理は欧米の伝統的な弁証法の考えとは異なるものである。弁証法は二つのサイドに立って、議論しながら真意を得るとする手法で、例えば裁判では検事と弁護士が被疑者の否定と肯定という立場で議論し、最後に裁判官が判断する。二つのサイドの議論が真実をあぶりだすと考えられている。ところが、裁判は必ずしも事実究明を保証するものではない。

 循環論理では事象やテーマに関して、関係するすべての要素の関連性をチェックする。そして、全ての関連が事象やテーマに関してイエスの繋がりとなるなら正しく、どこかでその繋がりが切れるなら正しくないと判断する。全ての要素を繋ぐ関連がイエスであれば、必ずループを形成することになり、正確なチェックがなされていれば事実を保証しているのである。

 私は自己保存を目的とした循環論理の評価システムが物質を生命体に進化させ、その後の人間に至る進化を誘導する仕掛けとなり駆動力となったと考えている。それでは具体的に、何がどのように作用し変化したのか?

 これは今後の課題であるが、例えばある種のタンパク質はコピー機能(コピータンパク質と呼ぼう)があるとされており、コピーは論理的に見れば自己保存でもある。その上で、また別の種のタンパク質が、たんぱく質などの組み合わせを記録し、またその記録が元のタンパク質の組み合わせを復元できる(記録タンパク質と呼ぼう)とする。これらコピータンパク質と記録タンパク質の両方の機能を持ったタンパク質が出現すれば、生命体に至るタンパク質の素となったと考える事が出来る。

 両方の機能を持ったタンパク質とは原始的な遺伝子とも言える。ここで、循環論理の評価システムは明らかにタンパク質の集合体側にある。従って、遺伝子だけの研究では生命体の実態は分らない。最も大きな謎は、何故遺伝子がタンパク質などの意集合体を記録できるようになったかだ。

 生物の進化と発展の推進力が循環論理の評価システムンではないかと仮定し、考察を進めてゆくうちに、実は人間社会の発展についても同様のメカニズムが効力を発揮するのではないかと考えるようになった。循環論理の評価システムが意味することは、優れた評価システムとその結果を実行することが、人間社会を発展させることができるということである。話は異なるが、自己発展プログラムは長い間の課題であったが、循環論理評価システムの仕組みを応用すれば、自己発展プログラムの開発も夢ではない。


急がれるべき情報戦略

2007年06月09日 19時15分24秒 | 思考空間

 トヨタ、キャノン、シャープなど日本有数の企業が世界的競争力を持つに至った背景には、その優れた企業哲学、および企業戦戦略が原動力になってきた。同時に危機を克服させてきた。しかしながら、同じ国でありながら日本政府には国家戦略が存在しないし、存在する要素が無い。過去に語られた国家戦略とはただの言葉遊びであって、戦略のかけらも無いのである。国家戦略には、幅広い情報収集力・ルート、情報の内容を評価・分析するシステム・機関が存在し、その上で日本の目指すべきグローバルな国家ビジョンを描かれ、国家ビジョンを実現するための戦略が形成される必要がある。当然ながら、戦略を迅速かつ確実に実施する組織・機関も要する。この中で日本政府に、決定的に欠けているのは、事実を正確に評価分析する努力と手法である。一言で言えば、日本政府が事実を粉飾し、事実を失っているから発展の駆動力が無い。

 日本を管理支配する官僚組織は、自らの既得権を維持拡大するために、事実を隠し粉飾させている。最大の国家機密は、実は日本のスーパーエリートたるトップ官僚が欠陥知能集団であることかもしれない。知識エリートは教科書の存在する領域では知識と作文の能力を発揮できるものの、新たな事態・困難な事態では、ほとんど対応できない。官僚は自ら、新しい問題を生じると棚上げ・隠ぺい・先送りすることを認めている。官僚の頭が悪ければ、被害は少ないが、下手に頭が良いから、間違った方向へ積極的に進むことによる被害は甚大である。

 ベルリンの壁とバブルは同時期に崩壊し、それと共に、世界の社会常識・経済メカニズムは大きく変わってしまったが、日本の官僚組織はその変化(教科書なき状況)に対応できなかった。経済対策と称し、いたずらに税金をばらまき続けて、1000兆円を超える巨大債務を作ることになった。それを失われた10年という表現で誤魔化している。

 官僚の評価が実力主義でも実績主義でもないことは国民誰もが知っている。それでは何を評価しているのか。関係者以外には誰にも分らない。はっきりしているのは東大法学部出身者がトップを取り続けるためのいかさま評価が実施されていることだ。池田隼人は京都大学卒業でありながら、官僚組織でトップに上った数少ない例外と言われた。もし、東大法学部卒に本当の実力があれば、有力企業のトップはことごとく東大法学部であってしかるべきだがそうはならない。

 日本が低迷している理由は一言でいえば、国家戦略が無いことに尽きるが、何を急ぐべきかと言えば、それは情報戦略である。世界中からの幅広い密度の高い情報を収集すること、情報を選別・評価・分析する手法やシステムを構築すること、そして重要な国家情報が洩れることを防ぐための法律や機関が整備されることが求められる。新聞報道にもあるように日本の重要機密はどんどんリークされている。共産圏のスパイは日本で容易に情報を入手できる。一方で、アメリカは官僚組織をはじめ日本のトップクラスの組織にエージェントを確保し、権力構造をほぼ完全に掌握できている。当初、アメリカは日本を動かすために政治家へ働きかけていたが、結果が出ないために、官僚に電話し直接指示するようになった。これで、たちどころに目的を果たせるようになったという。アメリカの高官などから指示された官僚は、イエスを3回ぐらい言って動くとか。(冗談)

 アメリカは戦後の日本を支え、惜しげもなく資金やノウハウを提供してくれた。しかし、現在アメリカの全員が日本の味方ではないし、アメリカ政府は自国の利益を最優先させる。日本政府がアメリカの利益を優先させるように動くのでは困る。それでも、アメリカは同盟国であり、許せる部分もあるが、共産国が機密情報を持ち出すのは、日米同盟などの根幹を揺るがすことにもなりかねない。以前、スパイ防止法が潰された経緯があり、この手の法律が無いということは日本がスパイ天国であり続けたことを示している。現実に、政府内には中国のエージェントが多数存在していると推定される。一方、新宿を支配する中国マフィアの大元が中国政府と言われて久しい。日米同盟が破綻した場合、一夜にして日本は中国の支配下になる危険性をはらんでいる。これらの観点から、スパイ防止も含めた法律施行など総合的な情報戦略が早期に求められる。

 私は、進化・発展を理論的な面から研究しようとする数少ない人間だが、日本の発展のために必要なことを一言で言うとすれば、それは「幅広く情報を収集し、徹底的に事実を究明する」ことだ。このために、国家的な情報戦略を要する。残念ながら、日本はこの国家戦略のスタート部分で、決定的に遅れている。


社会保険庁の巨悪でも転覆しない日本政府

2007年06月03日 17時37分35秒 | 思考空間

 年金の支払不明数5,000万件以上、年金データの入力ミス2割・・とはただ事ではない。加えて、支払の証明責任は支払者(国民)となっており、5年の時効が設定されていたわけだから、社会保険庁がそもそも国民からお金を騙し取り、官僚が懐に金を入れるため設立された政府機関であったことは疑いようもない。実際、設立当時の関係者はそれを匂わせるような発言をしていたようだ。手元に資料が無いので入手次第紹介したい。

 5,000万件は現在の受給該当者2、880万人の2倍近い。安倍首相は2、880万人分を1年で正確に調べなおすというが、実動出勤日を年間250日として、1日当たり11.5万件である。1人1日あたり100件調査した場合でも、1,150人を要する。正確さを要求されることを考えると、1人が1日100件の調査するのは不可能で、現実的にはこの数倍を要する。ある民間の試算によると、5,000万件を調べなおすのに1,000億円以上かかるという。

 2割のインプットミスは常識では考えられない。例えば、私の知っている民間の例では、元データから読み方を含めて何度もチェックが入り、同じデータを3人のプロが打ち込み、データを突き合わせる。ミスがあればたちどころに分かる。ミスの多い人は当然配置換えになる。また銀行では、1円でも合わなければ、全員が家に帰れなかったといい、今でもその姿勢は変わらないらしい。もし、1%もインプットミスがあればその金融機関は存続できないだろう。国民の大切なお金を預かりながら、明らかに意図的に、粉飾していたのだ。民間の金融機関は僅かなミスで存続が危ぶまれるが、社会保険庁はミスをすればするほど自分達の掴み金が増える。

 これでもって、支払証明の責任は支払い側にあったし、5年で時効になるとなれば、黙っていても大金が社会保険庁に内部留保される。自分たちが好き放題に使うためのプール資金となっていたのだ。もし、今回の事件が他の先進国で起きたらどうだろう。多くの国民が立ち上がり、政府の転覆をはかる可能性がある。少なくとも、トップの存続は難しい。現状で安倍首相はびくともしない。何故か?自民党の体制は盤石、その上、日本国民は何が有っても文句言わず耐えて行くよう管理されているのだ。

 かつての冷戦時代、日本は対峙する東西の前哨戦の場所でもあった。ソビエトは学生運動に資金を提供し、裏から動かしていたし、片や、自民党・政府機関はアメリカのロボットとして動いていた。東西のスパイたちも日本中にあふれていた。結果的に、日本政府はアメリカをバックに左翼活動をほぼ壊滅的に抑え込むことに成功した。同時に大企業とその下の受注関係にある無数の中小企業を許認可、税制、補助金などにからめて管理下に置き、国民をも管理することができたのだ。例えば、ほとんどの日本のサラリーマンは実質的な発言の自由を与えられていない。国民をここまで管理することをアメリカが意図したわけではないが、結果的にはその状況を利用することになった。

 おまけに田中角栄は、自民党が自動的に選挙に勝てる仕組みを作った。今でも、ほとんどの農業地域(潤沢な補助金漬け)では世話人が自民党の誰に投票するかを指示し、皆さんは言われるままに投票している。選挙となれば、鉢巻した農家の人々が応援に動員される。この状況は大阪など都会の周辺でも変わっていない。医師会は有力な資金源であり、強力な自民党支持組織である。引き換えに医師は信じられないぐらい優遇されている。電力会社では、特別管理職以上が本人の意思とは無関係に、自民党を支持し献金することになっている。かつて、自民党が割れ、危うくなった時、手を組んだのが宗教組織の創価学会をバックにした公明党だ。日本の現状では公明党以上に選挙の組織力を発揮する党は存在しない。弱体化した自民党を公明党が強力に支えている。このような盤石の態勢があるから安倍首相はびくともしない。

追記: 松岡大臣の自殺は不可解であるが、大臣ともなればかなり密度の高い正確な情報が入手できる。公正取引委員会の告発により地元熊本を含め、東京地検が緑資源機構を調べ始めたことにより、逮捕が現実のものとして認識されたのだろう。情報を開示して、辞任する手もあったが、安倍首相が徹底的にかばってきた背景もあり、また事ここに及ぶと安倍内閣に対する影響が大きくなりすぎるため、それは許されなかった。完全にデッドロックに乗り上げた形で行き詰まったのではないか。

 またしても巨悪の情報を隠ぺいしたままでの幕引きがなされ、日本の政治は大きく後退した。私が指摘したいのは異常なまでの安倍首相の開き直りとかばい方だ。松岡大臣が言うのならともかく、安倍首相までが事務費に関して適正に法律の範囲で説明したと答弁し通るような状況は、共産圏国家、独裁国家と日本ぐらいだろう。民主主義を侮辱しているとしか思えない。明らかに、松岡大臣は安倍首相の命令するとおりに発言していた。任命者としての責任以上に安倍首相のこの責任は大きい。