電力会社では政治力の影響が大きく、自民党衆議院議員の推薦を受けた者が常務以上になった事を何度か書いた。「大物もどき」は父親が後藤田正晴官房長官の後援会長だと自ら公言するような品の無い人間だったが出世街道を驀進していた。
この大物もどきが先頭に立って推進させたのがオープンプラネット(O.P)と名付けた通信システム(配電線等利用で計測やサービス)だった。初期には私も外野席から支援した。開発チームが関連会社を招いて説明会を開き、参加を呼びかけたが、動く企業が無かった。
私は出向先で新規に製造事業を立ち上げ、戻ってきたばかりだったが、元出向先の出席者に確認しこのままでは動かないと判断、同社常務に電話し、上からプッシュした方が良いと伝えた。間もなく同社が開発を受注してプロジェクトが動き始めた。
オープンプラネット(O.P)は大きな予算が組まれ、展示場が作られ、宣伝も派手に実施された。本店の課長以上が集まる水曜会(パーティーのようなもの)では当時の副社長が「オープンプラネットは我が社の希望の星だ」みたいなことを宣言した。
相当盛り上がった。しかし、電力関係の開発では全電力が採用しないと普及しない。とりわけ東電をはじめとした中央3社が重要だが、東電と関電が反対で行き詰まってしまった。私は部外者乍ら見かねて東電のキーマンに会って状況を聞いた。
「O.P発表時は確かに画期的だった。その後、東電は高速方式を開発した。O.Pは低速で不便なため東電の技術者が受け入れない」との返事。私は帰社して報告したが、動きは無かった。かくしてO.Pは失敗に終わる事になる。
新規事業を立ち上げてきた私から言わせれば、東電の高速方式を受け入れ共同開発すべきだった。私なら判断に5分もかからない。後はいかに上層部を説得するかだ。事業立ち上げでは大変な事は常時起こる。間髪を入れずに適正な判断をしないと重大な手遅れになる。
関係者などの話から、少なく見ても40億円ぐらいが吹っ飛んだ。しかし、この時の大物もどきを含むリーダー二人が、常務と副社長に大出世したのだから、驚き桃の木山椒の木だ。
普通の企業では起こり得ない事が当たり前に起こるのが電力会社。つまり、この開発プロジェクトを推進するには提案書なる作文が書かれ、社長以下取締役全員が判を押している。失敗を追及すれば雲の上の方々全員が責任を問われる。そこで誰も責任をとらず有耶無耶になる。
こういうことを書いていると、またやくざから電話が来るかもしれない。安佐南警察署とは連携していなくてはね。
続く
この大物もどきが先頭に立って推進させたのがオープンプラネット(O.P)と名付けた通信システム(配電線等利用で計測やサービス)だった。初期には私も外野席から支援した。開発チームが関連会社を招いて説明会を開き、参加を呼びかけたが、動く企業が無かった。
私は出向先で新規に製造事業を立ち上げ、戻ってきたばかりだったが、元出向先の出席者に確認しこのままでは動かないと判断、同社常務に電話し、上からプッシュした方が良いと伝えた。間もなく同社が開発を受注してプロジェクトが動き始めた。
オープンプラネット(O.P)は大きな予算が組まれ、展示場が作られ、宣伝も派手に実施された。本店の課長以上が集まる水曜会(パーティーのようなもの)では当時の副社長が「オープンプラネットは我が社の希望の星だ」みたいなことを宣言した。
相当盛り上がった。しかし、電力関係の開発では全電力が採用しないと普及しない。とりわけ東電をはじめとした中央3社が重要だが、東電と関電が反対で行き詰まってしまった。私は部外者乍ら見かねて東電のキーマンに会って状況を聞いた。
「O.P発表時は確かに画期的だった。その後、東電は高速方式を開発した。O.Pは低速で不便なため東電の技術者が受け入れない」との返事。私は帰社して報告したが、動きは無かった。かくしてO.Pは失敗に終わる事になる。
新規事業を立ち上げてきた私から言わせれば、東電の高速方式を受け入れ共同開発すべきだった。私なら判断に5分もかからない。後はいかに上層部を説得するかだ。事業立ち上げでは大変な事は常時起こる。間髪を入れずに適正な判断をしないと重大な手遅れになる。
関係者などの話から、少なく見ても40億円ぐらいが吹っ飛んだ。しかし、この時の大物もどきを含むリーダー二人が、常務と副社長に大出世したのだから、驚き桃の木山椒の木だ。
普通の企業では起こり得ない事が当たり前に起こるのが電力会社。つまり、この開発プロジェクトを推進するには提案書なる作文が書かれ、社長以下取締役全員が判を押している。失敗を追及すれば雲の上の方々全員が責任を問われる。そこで誰も責任をとらず有耶無耶になる。
こういうことを書いていると、またやくざから電話が来るかもしれない。安佐南警察署とは連携していなくてはね。
続く