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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

東京電力のデタラメさ加減

2012年03月12日 14時51分51秒 | 深刻な問題

 3月11日、東京電力の西沢俊夫社長が福島原発で社員に対して訓示を述べたものの、勝俣 恒久会長は記者発表の席にも出ず、隠れたままで一切の謝罪もなかった。電力会社の会長(代表取締役)は絶大な権限を持っており、社長でも逆らえない。

 勝俣会長は歴代の会長や相談役が維持してきた莫大な既得権を守るために、敢えて京大卒(東大ではない)のイエスマン西沢を社長に据え、盾として操り人形として動かしている。西沢が見事、勝俣の命令に応えて、会長になれるが、これはあくまで東電既得権側のシナリオ。

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 また、東電から電力料金の値上げは当然の権利との発言で、反発を受けたが、東電社内では常識。少なくとも取締役以上を総入れ替えしないと、この遺伝子は治らない。今のところ、巨額の税金投入に伴い取締役総辞職の方向だが、勝俣以下これをひっくり返そうと裏で動いている。

 そもそも、福島原発はお粗末極まりない設計のオンパレード。まずは、津波の5.7mの想定だが、絶体超えられない高さとしてはあまりにも低いし、科学的根拠はどこにも無い。実際、福島原発周辺の最大津波高さは21mに達した。

 世界的には1958年アラスカのリツヤ湾で520mの津波が報告され、日本でも1875年に石垣島で85mという記録があるらしい。計算機シミュレーションでは直径200mの隕石が大西洋に落下すると200mの津波が起きるという。

 古くは方丈記に、「山は崩れて河を埋み、海は傾きて陸地をひたせり」との記述が有る。(テレビ朝日)1185年の夏のこと。海が傾くとは、恐らく、山のような波が来たのだ。まじめに調査しろよ。全電力会社の技術者が笑われる。

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 従って、5.7mという幼稚園生並みの判断で、日本を沈没させるような事故を起こしたことは犯罪行為である。想定外などという言い訳は通用しない。元々、想定に何の確証もない。

 何故こんなことがまかり通るのか。一つは電力会社内の節約志向。理由も根拠もなく、節約が求められる。私も某電力の現役時代、実験設備の建屋高さを1m下げられ、法律に触れないよう設備するのに2か月、メーカと共にもがき苦しんだ。

 次に、上位者が決定した内容は変えられない。当然担当課長が、部長ほか副社長などに「高さを下げて節約できます」と報告し、評価を得ている。電力社内でこれをひっくり返すのは不可能に近い。不可能をひっくり返したら、一生干される。

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 非常発電ディーゼルが津波でやられ、動かなくなったなど、一体、東電にまともな技術者はいるのかと言いたい。どんな状況でも最後の砦である非常用発電機は守られなければならないし、難しいことではない。アメリカNRCは全電源喪失の可能性ありと東電に警告していたが東電は無視し続けた。まともに検討さえしていない。

 ベントの設計もお粗末。3号機のベントに伴い、3号機、4号機の建屋内に水素が充満し、大爆発で建屋が吹っ飛び放射能拡散を引き起こした。欧米では独立配管で、絶体起こりえないことが、訳の分からん節約志向により事故となった。

 スイスの原子力では全電源喪失に備えて、圧縮空気を備え、容易にベントしやすくなっている。また、ベントで排出する蒸気も化学薬品を通して、除染する。これらの訓練も日常的にできている。(NHK) 例えば、船には電源無しでも、エンジンを回すための空気タンクが設備されており、機械屋なら常識。

 スイスの原子力関係者は、ベントの件について何度も日本側に説明してきたが、東電や原子力安全保安院は聞く耳を持たなかったらしい。送電線事故や大型津波などはむしろ、安全性を重視する観点からは想定内だろう。

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 原子力発電所の事故が世界規模の危険性を引き起こすことを考えたら、あらゆる可能性を排除すべきではない。東京電力のあまりの稚拙さが引き起こした人災である。

 然るに、東電の賠償は遅々として進まない。賠償を受ける側は、慣れない膨大な書類を作成し、根拠を示さなくてはならない。貴重な労力と時間を費やする。むしろ、東電の社員が出向き、聞き取り調査して、書類を整えるべきだ。

 自社のお粗末さで、世界規模の災害を引き起こしたのだ。東電は自社を売り渡しても、被災された方々、企業などには復興が容易にできる賠償を積極的に実施すべきだ。上場廃止が常識のところ、既得権を維持しようなどとんでもない。

 最近誕生した復興庁も、逆に復興の障害となっているとしか思えない。平野達男大臣はまずふんぞり返って、威張るところから始まる。申請者が苦労して書類を出しても、形式や表現でどんどんはねる。申請側はそれに時間と労力を取られ、復興どころではない。

 自由で使い勝手の良いとの復興予算のうたい文句は、無視され、官僚のポストと裁量を増やしただけ。被災者へのいじめ材料になっている。詐欺みたいなものだね。キャリア官僚は天下りを含めて4~5億円報酬を得ると言われるが、震災は更にチャンスとばかり焼け太らせる。

 

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 何故、復興庁を東京に置くのか?これでは官庁の既得権拡大のみで、遠くにある被災地の状況など分かりえない。霞が関御殿の快適さを満喫するのか?第二次大戦中の大本営とどこが違うの?

 大臣は、自ら現場に出向き、地方自治体の長や被災者に何をすればよいか、腰を低くして聞き、資金や法律整備、縦割りの排除など、復興の障害を全て取り除くべきだろう。

 追記:東電をはじめ、全電力のトップは発電プラントメーカー選定などに伴い、巨額リベートを受け取っていた。この事実は電力社員も殆ど知らない。これは、渡した側が言っているのだから間違いない。(例えば、会長や社長の家に高価な美術品を持ち込み、後日、美術商が美術品を買いに来る・・という手口)

 トップ人事も自民党がらみの真っ黒黒だから、こんな経営者でまともな判断ができるとは思えない。政府はこの際、電力会社の社外取締役制度、発送電分離などを実現して欲しい。発電所や営業所でまじめに働き、報われていない現場電力社員(大多数が高卒の方々で昇進は限定的)のためにも。

 

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