インフレは風邪のようなもの、デフレは骨格を痛める。今世紀初頭、日銀や財務省は一貫してインフレ対策を継続していた。為替は一時、1ドル50円を目指していた時期も有った。為替介入により110円から120円ぐらいに戻ったが、デフレの危機は存在していた。
そんな中で、日銀に黒田総裁を着任させインフレ基調を取り戻させたのは安倍首相だった。日経平均が8000円を割るような株価暴落も今や昔の話だ。安倍首相しかできなかった。経済成長は課題として残ったが、最悪の状況は脱した。
トランプ大統領との密接な関係に象徴されるように、安倍首相は外交に力を入れ、世界をリードする場面があり、日本の存在を世界に知らしめた。その努力とエネルギーは称賛されるべきものだ。
今回の暗殺は、右寄りと言われた安倍首相(僕は政治的には中立と考える)に関し全く予想外の出来事だった。突然、元統一教会との関わりがスポットライトを浴びる事になった。報道によれば統一教会の支援を受けて当選した議員は多く、統一教会は特に自民党を支えてきたのだ。
オーム真理教の麻原彰晃 は死刑になったが、統一教会は数々の深刻な問題が発生しながら、政治力を得て、存続し続けた。選挙応援は自民党の大きな武器になった。深刻なのは統一教会の犯罪摘発を抑えてきたことだ。信者やその家族の悲惨な、あるいは残酷な状況は現在も続いているという。
国会追及を抑えただけではない。司法や警察に何らかの政治力を及ぼしたことは否定し難い。影響は、信者に留まらない。日本社会に大きなひずみをもたらし続けてきたことは間違いない。
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