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日本メーカー経営陣はアイリスオオヤマのマーケットインを研究すべきだね

2016年05月02日 10時14分23秒 | 戦略
 この数年、アイリスオオヤマという聞き慣れないメーカーが人感センサー付LED照明や安価なIH調理機などを販売し、テレビのCMにも出るようになった。当初韓国メーカーかと思った。この3月から日経の「私の履歴書」に大山健太郎社長が原稿を寄せている。

 僕は正月以来、時間が無く新聞を積んどくだけ。この連休で、本日、何とか3月18日分まで読み、最終頁のアイリスオオヤマの記事にお目にかかった(以前は同じ「私の履歴書」でニトリが、破天荒で面白かったね)。

 


 2代目の大山社長が経営破たんの危機を乗り超え乍ら、マーケットインの重要性を悟るようになた部分は日本メーカー(経営が何たるか分かっていない)のトップが読むべきところだろう。

 小さな2流メーカーだった韓国のサムソンが、日本企業の逆を行き、徹底して顧客ニーズを吸い上げる方法で世界一になったのはつい最近の事である。LGも今や世界一のテレビメーカーである(スマホはアップル、掃除機はダイソン)。日本の電気メーカーからヒット商品が出なくなり久しい。

 何度も書いたが、日本メーカー、取り分け電気メーカーは全社プロダクトアウト型で、自分達が良い製品を製造すれば売れると信じている。しかし、肝心要(かなめ)は良い製品とは誰が決めるものかと言う点だ。惰性であり、趣味とか自己満足のためやってる。ビジネスではない。

 シャープや三洋の身売り、東芝の切り売りなど日本有数の電気メーカーは次々海外等の買収を余儀なくされた。自動車メーカーもマツダ、日産をはじめ同様の傾向が有り、いずれも経営難に陥り、海外の支援を受けるに至り、紆余曲折が有った。

 自動車メーカーが韓国企業に越されなかった大きな理由は、部品の共通化が進みにくかった事、下請けの城下町体制が強かった事、車が方程式や理論で開発できない技術を含み多面的で高度(電気製品はテキストと数式の世界)で簡単には追いつけなかった・・等で、助かってた。

 実は営業素人&機械音痴の僕が新規に自動機械や生産ラインなど製造業を立ち上げ、大企業中心に受注して収めた戦略が、徹底して顧客ニーズに合わせて開発するだった。スタッフはみな嫌がったね。量産品禁止命令が出ていたので、量産品が開発できなかったのは残念だった。

 もし、量産品をやっていたら、ひょっとして、一部でアイリスオオヤマと競合していたかもしれない・・と思わないことも無い。正直、今でも量産品をやりたかったなとの思いはある。確かにリスクはあるが、大型機械(毎回開発で神経が持たなかった)も同様で、結果的には量産品の方が楽で発展性も有った。

 パナソニックもソニーも、日立も東芝も、サムソンが自社の技術者をヘッドハンティングして急成長していることは十分分かっていて、それでも、従来通りの経営を続け、サムソンが世界一になるのを眺めていたなんて、信じがたい。まともに考えると頭が破裂しそうだ。サムソンに学ぶべきことは山ほどある。

 事実を的確にとらえていないし、打つべき手が何も打たれていない。何よりも動きがめちゃくちゃ遅い。重要な問題であっても、論理的に判断すれば短時間で結論は出せる。僕は大抵5分以内だったな。日本企業の現状では大胆な方向転換、戦略が必要となる。金をかける事には慎重に、それ以外は果敢に実行し、間違っていたら修正すればよい。

 アイリスオオヤマは日本の大電気メーカーがやらなかったことを、いや本来やるべきであったことをやりつつある。拍手を送りたいね。


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