■人間はひとりの方がいい / 森田公一とトップギャラン (CBSソニー)
どうやら今回の衆院選の帰結も見え始めたところで、本日のジャストミート曲は森田公一とトップギャランが昭和51(1976)年に出した掲載のシングル盤A面収録「人間はひとりの方がいい」であります。
もちろん、これは曲タイトルどおり、あえて分類すれば、所謂厭世ソングという事になりましょうか、とにかく阿久悠の綴った歌詞にはネクラの居直りが存分に!?
人間はひとりの方がいい
失う悲しみを知らなくてすむから
人間は愛さぬ方がいい
裏切るせつなさに泣かなくてすむから
こ~ゆ~キメが、この歌のメインテーマと思われますから、普通に生活しているリスナーにとっては、何時かあの日のやりきれなさを回想させられる誘発剤になるかもしれませんし、オンタイムで落ち込んでいる場合であれば、捨て鉢な気分をそれなりに慰めてくれるという、逆説的な愉悦の歌になりましょうか……。
それを自ら附した軟弱歌謡フォーク系のメロディに乗せて、ピアノで弾き語る森田公一の歌唱には意想外とも思える力強さがあるあたりは、流石にヒット曲作りのツボを知り抜いた職人の技を感じてしまいますし、程好い泣きのフレーズを聞かせるギターや多重デジタル系(?)のコーラスワークとか、好き嫌いは別にして、なかなか良く出来たシングル曲だと思います。
そして実際、当時はラジオや有線からも頻繁に流れていましたから、今となっては、ど~してここまでネクラな歌がヒットしたのか? と不思議に思われるお若い皆様もいらっしゃるでしょう。
サイケおやじとしては、そのご質問に対し、「時代の空気」としか答えようがないんですが、それだけ我が国の社会全体に猥雑とも思える勢いがあった反動というか、浮かれた挙句に裏切られたり、思惑どおりに事が進まなかったりする時、何故自分は世の中の流れから疎外されるのか……?
そんな、決して簡単には解決されない自己埋没的疑問に苦しんでしまうのも、また生きている証だとすれば、この「人間はひとりの方がいい」を聴いて、自己憐憫に酔ってしまうのも、悪くはないんじゃ~ないでしょうか。
ということで、本日もテレビなんかじゃ~、衆院選挙諸々の駆け引き等々が無責任な制作方針で垂れ流されておりますが、そのBGMに、森田公一が切々と歌う「人間はひとりの方がいい」を使ってくれる粋な(?)計らいって、ないんですかねぇ~~~~。
もちろん、この世に生を受けた以上、人間としては他人とも関わりがあってこそ、楽しみも増える機会が多いはずですし、逆に孤独だからの楽しみだって存分にあるのですから、やっぱり現世を楽しまなければバチアタリになるような気がします。
さて、本日の前原君は、この歌をど~、聞くのかなぁ~~~。