■ワイルド7 FAN BOOK (モーターマガジン社)
すっかり老年期を過ごしているサイケおやじの少年時代からの夢のひとつが、ワイルド7のメンバーに入れてもらうこと!
もちろんそれは漫画の中の世界ですから、現実的には完全なる夢想に他なりませんが、もしも!?
という願いが叶うのであれば、サイケおやじは躊躇はしないでしょう。
言うまでもありませんが、自分の命には限りがあって、それを全うするについては運命とか寿命とか、避けられないものがあるんですから、せめて自分の死を演出したいと欲すれば、サイケおやじは進んでワイルド7に入隊し、激烈な死に様で、僅かばかりでもこの世の不条理に抗したいという夢は、やはり漫画の世界であればこそ、長年抱き続けられたものでしょう。
ですから本日、なんとなく入った本屋で邂逅した掲載の「ワイルド7 FAN BOOK」には、忽ち我を忘れて速攻ゲット!
その内容は表紙画像からも概ね知れますが、特筆すべきは、それが聖典全21章のストーリー解説というわけでは決してなく、殊更漫画世界で使われた数々のオートバイというよりも、マシンの実物写真や改造ディティール、また同じく銃火器の現物写真、それが登場人物各々の個性と共に紹介されているところだけでも、あぁ~~、血が滾りますねぇ~~♪
それはそのまんま、些かネタバレになりますが、メンバーの残した名台詞や散り際、その滅びの美学ともいうべき死に様、そして何と言っても登場したセクシー美女の美麗なイラスト等々、さらには悪党&脇役名鑑までもがゾクゾクするほど掲載されているのですから、たまりません。
そしてそれを創り出し、描き出した故・望月三起也の仕事場探訪、また東本昌平との対談までもが読めますので、これではシビレが止まらなくなるのもムベなるかなっ!
このあたりの愛情溢れる編集方針は、流石モーターマガジン社からの発売によるものと思うばかりなんですが、それはそれとして、これを眺めてしまっただけで、またまた聖典全21章を本棚から取り出し、その美しくも激しい物語世界に没入したくなる欲望に苛まれるのは、サイケおやじだけではありますまいっ!
実は、この FAN BOOK の巻末にはカラー生原稿で傑作エピソード「植物園の決闘」が収録されているのも、なかなか粋な計らい思いますねぇ~~♪
ということで、これはきっかけに初めてワイルド7の世界に入り込もうとする皆様はもちろん、長年親しみ、憧れを募らせてきた信者の皆々様にとっても、たまらない1冊でありましょう。
当然ながら、だからこその不平不満が無いわけではありませんが、それは許されざる贅沢として、自分だけのワイルド7の世界を膨らませるエネルギーにするのが、僭越ながら、不肖サイケおやじの神妙な願いであります。