■風が泣いている / ザ・スパイダース (フィリップス)
今日は朝から日本海側の某市へ出張して来ましたが、現地は台風の吹き返しってやつでしょうか、半端ない強風で、思わず口ずさんでしまったのが、スパイダースが昭和42(1967)年に大ヒットさせた「風が泣いている」でした。
皆様ご存じのとおり、この「風が泣いている」は職業作家の浜口庫之助が作詞作曲した、外部からの提供作品だったんですが、前年にはやはり同じく浜口庫之助が書いた「夕陽が泣いている」のメガヒットによってスパイダースは広く認知されるスタアバンドになった事を思えば、柳の下になんとやら!?
なぁ~んていう不遜な推察も易いはずが、しかし流石は天才・浜口庫之助!
その歌詞に印象的な、ゴゴゴォ~~、という歌い出しのフレーズからして、当時のロックのリズムでは代名詞となっていた「ゴーゴー」、さらには英語の「GO GO」を風の吹きすさぶ「ご~ご~」というイメージに重ね合わせるという、実に巧みな職人技は子供にでも直感として分かる素晴らしさでありました♪♪~♪
しかも曲調には親しみやすいフォークロック系の泣き節があり、バックに薄く入っているストリングスの響きからは切迫感が滲み、そして決定的だったのは、それでいてスパイダースとしてのエレクトリックなロックバンドサウンドがきっちり聴けるんですから、たまりません♪♪~♪
リードを歌う堺正章のボーカルから発散されるソウルフルな哀愁も良い感じ♪♪~♪
このあたりの制作方針、殊更編曲は林一と大野克夫の仕事だと云われていますが、おそらくはストリングスアレンジは林一、リズムアレンジ等々のバンドサウンドの要は大野克夫の担当かと思うのですが、いかがなものでしょう。
ちなみに当時のスパイダースはテレビ出演でも、またステージライブでも、この「風が泣いている」は必須の演目だったんですが、きっちりレコードと同じイメージで歌と演奏を披露していたのは、そのストリングスのパートをオルガンで再現していたからのように思えます。
ということで、明日はちょいと遠出しますので、レコードのご紹介は休載させていただきます。
うむ、今年も残りが2ヶ月という瀬戸際感が身に滲みているのでした。