OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

暗い歌祭り part-3:めぐり逢いの秘密

2017-10-14 20:37:49 | 歌謡曲
20歳のめぐり逢い / シグナル (ポリドール)

昭和50年代の歌謡界には、ひとつの流行としての軟弱系歌謡フォークというジャンルが確かにあって、ソロシンガーにせよ、グループにせよ、殊更恋愛の縺れとか、失恋とか、片想いや失望……等々がゆるやかなテンポのメロディアスな曲調で歌われるという、その黄金律とも云える泣きメロ歌謡に逆説的な癒しが求められていたものですから、今となっては相当に多くの同系レコードが制作され、ヒット盤も多数残されています。

例えば本日掲載のシングル盤A面曲「20歳のめぐり逢い」は、昭和50(1975)年晩秋からジワジワとヒットした、如何にもの代表曲でしょう。

歌っているシグナルは浅見昭男(vo,g)、田村功夫(vo,b)、住出勝則(vo,g)という三人組で、この「20歳のめぐり逢い」は作詞作曲が田村功夫ですから、純然たるグループのオリジナル、しかも公式レコードデビュー曲として、リアルタイムでは大ヒットしたのですから、今日でも曲名は知らずとも、聴けば、あぁ~~、あの歌かあぁ~~、と納得の名曲名唱と思われます。

なにしろ哀愁どっぷりのイントロからアコースティックギターによるアルペジオ主体の伴奏、せつなさ優先のメロディに乗せられた歌詞のやせるなさこそは、聞いているうちに、あぁ…、まだ自分にも優しさが残っているんだなぁ……、等々の感傷性感度の高さは保証付ってなもんでしょう。

また、それでいて都会的なオシャレフィーリングも強く感じられるのは、アレンジを担当したのが後にジム・ロック・シンガーズを主催する惣領泰則というところも格別で、特にサビでのコーラスハーモニーは、素直に惹きつけられて、決して恥ずかしがることはないものと思います。

実は告白すれば、この「20歳のめぐり逢い」にしても以前書いたとおり、サイケおやじが職場の上司の命令によって参加させられた社内サークルで演目にされた事から、本当は好きではなかったこの歌をコピーしてみて、ハッとさせられたのが、そのコーラスパートであり、アレンジャーのクレジットに惣領泰則の名前を発見してみれば、中古ながらも速攻でこのシングル盤をゲットした次第であります。

う~ん、好き嫌いは別にして、大衆ヒットするものには必ずや、その魅力を生成するパワーが秘められている事をしっかり勉強されられましたですねぇ~~。

ちなみにシグナルというグループには、あまり知るところもないんですが、それでもアリスの弟分だったんでしょうか、谷村新司や堀内孝雄のバックバンドみたいな活動をしていた記憶が薄っすらとあるので、実力は認められていたのでしょう。

サイケおやじは、所謂聴かず嫌いってやつです。

ということで、本日は諸事情からちょっぴりテンションが上がらず、あんまり何を聴いても入り込めないという気持ちなもんですから、本当はこ~ゆ~時にこそ、軟弱系歌謡フォークのレコードにでも針を落とすのが真っ当な行動なんでしょうか?

この文章を書くについて、それを実行したというわけです。

うむ、少~~しはねぇ~~~。
コメント (1)
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