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サイケおやじの生活と音楽

下世話こそ、男と女のキーワード!?

2017-10-17 19:28:47 | 歌謡曲
男と女 / サンタクララ (ラジオシティ / ビクター)

カラオケのひとつの楽しみとして否定出来ないのが所謂男女デュエットでしょう。

ですから、レコード会社はそのあたりも見込んでの制作方針に基づき、古今様々なデュエット歌謡を提供してきた歴史を鑑みれば、聴いて楽しみ、また歌ってみたい衝動を誘う楽曲こそがヒットに結びついていたわけですが、もちろんそれだけが男女デュエット曲の魅力じゃ~ないことは言うまでありません。

つまり、リスナーがそれなりに歌えなくとも、聴くという行為において楽しく、気分が高揚させられれば、それはそれで成功作になるという好例のひとつが、昭和55(1980)年秋にヒットした本日掲載のシングル盤A面曲「男と女」でしょう。

それはファンキービートに煽られて演じられるラテン歌謡とソウル演歌の幸せな結婚であり、実際イントロから炸裂するラテンバーカッションとチョッパーベース、キャッチーなホーンリフにファンキーなキーボードに導かれたアップテンポのAメロからサビでは一転して演歌節が滲む下世話な風情がたまらなく最高ぉぉぉぉ~~!

とにかく、そのAメロをパワフルに歌う女性ボーカル=のこ、サビでゆるやかに言い訳歌謡を披露する男=トシロー、そしてバックの演奏パートは共々にカッコ良過ぎて唖然とさせられるほどで、しかも続くクライマックスでは男と女がそれぞれの事情と本音をソウルフルに掛け合うという、まさに愛情と憎しみの裏表こそがガチンコで歌われた、本当に曲タイトル「男と女」に偽りは無しっ!

いゃ~~、こんな情話節の歌なのに、何度聴いても爽快な気分にさせられるは、のこがほとんど朱里エイコ系のボーカルで押しまくるところに、男の本音をぶっつけてくるトシローの歌謡曲保守本流の節回しがあればこそ、バックの演奏パートの上手さと楽しさが最高のコラボレーションを結実させたからにちがいありません。

ちなみに作詞作曲は斉門はし羅、編曲はファンキー大原・原田良一とクレジットされていますが、実は同時期に出たLPや続くシングル曲を聴くかぎり、この「男と女」は突出した出来栄えですから、これがウケなかったら不思議と思うばかりなんですが、現実的には小ヒットに終わり、サンタクララと名乗るトシロー&のこがテレビに出演したのも、深夜の時間帯が多かったというのは、この「男と女」が誰にでも歌える楽曲では無かったという一点に集約されるのかもしれません。

しかし、それはそれとして、これほどカッコイィ~~男女デュエット歌謡曲も珍しいほどですから、再発CDも出ている現在、皆様にはぜひともお楽しみいただきとうございます。

最後になりましたが、サンタクララは本当に活動期間が短く、トシロー&のこは既に引退されたという噂もあり、またそのキャリアも定かではない中にあって、トシローは以前にジャズボーカルをやっていとか、鶴岡雅義と東京ロマンチカに在籍していたとか、そんなこんなの情報が少しだけは知られているようで、だとすれば妙に納得させられてしまうのも、この歌のサビの魅力の秘密なのでしょうか。

また、のこがジャケ写ポートレートで男物のシャツを着ている佇まい、なかなか下世話で良いですねぇ~~♪

極北と言えば、それまでかもしれませんが、イクところまでイッてこそ、男と女の歌謡曲!?

大好きですっ!