■雨の日のサンシャイン / 沢田聖子 (クラウン)
台風の所為もあるんでしょうが、またまた今日も雨ですなぁ……。
気温も低くて、こ~ゆ~時には陽射しが恋しいということで、ついつい本日、思い出して取り出したのが沢田聖子が昭和56(1981)年秋に出した掲載のシングル盤なんですが、もちろん狙いはA面に収録された「雨の日のサンシャイン」であります。
皆様ご存じのとおり、沢田聖子(さわだしょうこ)はシンガーソングライターでありながら、ルックスからアイドルっぽさが強く滲んでいたもんですから、同時期にブレイクしてしまっていた「松田聖子」と字面が似ているので、比較混同される事も度々だったとはいえ、それが不運になるどころか、「松田聖子は死ぬほど嫌いだけど、沢田聖子は最高に好き♪」なぁ~んて公言して憚らない業界人やリスナーが、それなりに表に出ていなくても、しっかり大勢存在していたのですから、レコードの売り上げもLP中心に伸びていたようですし、ライブの集客も好調だったところに出たのが、如何にもヒット狙いという、アップテンポのアイドル歌謡ポップスがモロ出しの「雨の日のサンシャイン」だったという印象は、サイケおやじの勘違い的記憶でしょうか?
しかし、中里綴が提供の歌詞は、これまでの沢田聖子が十八番の「内気な片思い」であり、それに彼女自身が附したメロディが明るさ優先モードであった事は、全く当時の芸能界の流行を意識したと思われても、それはそれで結果オーライだったのかもしれません。
渡辺博也が施したアレンジも、そのあたりを踏まえた口当たりの良さがニクイばかりですし、なによりも沢田聖子の歌いっぷりに迷いが感じられないのは、上昇期の勢いだったはずです。
ところが現実は厳しいというか、このあたりを境にして、失礼ながら沢田聖子はどっちつかずの雰囲気に呑み込まれたというか、今にして思えば、デビュー当初からの内気路線を継続して欲しかったと願うのは、サイケおやじだけでしょうか……。
ただし、それはそれとし、この「雨の日のサンシャイン」は、とても良く出来た胸キュン歌謡ポップスである事にちがいはありませんっ!
と、思わず力が入ってしまい、些か面映い気分ではありますが、ジャケ写のポートレートも素敵ですし、まさにこんな秋の雨の日にはジャストミートの1曲と思うばかりです。