Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

序数と音程の数え方

2008-03-19 09:03:34 | 新音律
拙著に「同じ高さを1度というのはおかしい.0度のはずだ」と書いたら,二三の音楽家からお叱りをうけた.個人的におかしいと思っているだけで,だからどうしろというつもりはないのだけれど.

たぶんヒトが1,2,3,...と数えたはじめたときには0はなかったのだろう.今でも「序数」すなわち,第 1 の,第2の,...と言うときには0は含まない.1世紀,2世紀...とか,長男,次男とか(一回忌の翌年が三回忌なのはなぜだろう).そして英語では3度,5度を third, fifth という.ドイツ語でも同様.輸出されるときは音程は序数だったのだ.

ところが手許の音楽辞典には,音程とは,音の高さの差とある.差がないときを0でなく1と定義するのだから混乱する.当然足し算も引き算も成り立たない.おまけに何度という数字のまえに「長」「短」「増」「減」「完全」などがつくのだからもうお手上げだ.

昔は数え年というのがあって,生まれたときに1才とした.引き算をするとき,0がないと困るように思えるが,数え年でも引き算で年齢差はちゃんと出る.この場合は年齢がバイアスされているにすぎないからだ.

音程の場合は,「度」の前に付いている1,2,3..の数字にまどわされず,まるごとこういう名前と思えば良い.コードでCmajor,Cminor,Cdimなどというときには,そのウラに存在する何度という数字はほとんど念頭にない.こういう名前と割り切っているからだ,
何度と言うときは,数字が大きいほど音高差が大きいという原則があるだけありがたいとしよう.

でも中学校で初めて音程に出くわすと,数学・算数で教わったこととのギャップが気になる.数学とは違うという割り切り・諦めの境地に達する前に,音楽が嫌になるとしたら,問題かも.ちなみに英語では音程はinterval.国際的に問題だ.

吉田洋一「零の発見」岩波新書(1939) の話題は位取りだが,それより低級なおはなしでした.
コメント (4)
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