Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

吉原手引草

2009-04-25 08:22:27 | 読書
松井今朝子 幻冬社文庫(2009/04).2年前の直木賞受賞作の文庫化.

*****内容(「BOOK」データベースより)*****
廓遊びを知り尽くしたお大尽を相手に一歩も引かず、本気にさせた若き花魁葛城。十年に一度、五丁町一を謳われ全盛を誇ったそのとき、葛城の姿が忽然と消えた。一体何が起こったのか?失踪事件の謎を追いながら、吉原そのものを鮮やかに描き出した時代ミステリーの傑作。選考委員絶賛の第一三七回直木賞受賞作。
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一気読みさせられたが,最後はあっけない.
受賞後,こすずめさんがおっしゃったとおりでした.
でもエンタメ小説としては星4つくらいの価値はあるかな.

見世番・遣手・楼主・床廻し・幇間・女衒・指切り屋・女芸者などの証言という形で進むあたりは,ちょっと「薮の中」を思わせる.ただし各々の証言が互いに矛盾するといった複雑な構成ではなく,とくに後半ストーリーは前進あるのみ.
ミステリーだったら用意周到な伏線があるはずだが,それはない.多分作家はミステリーのつもりはないのだろう.

現代人は落語・人情噺でしか聞いたことがなく,江戸の同時代人にとってもよくわからなかった(らしい)吉原システムが,わかった気にさせられた.
コメント (2)
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