ほしおさなえ著 東京創元社 (2003/12)
図書館で借りたのは単行本だったが,2007年に創元推理文庫入りした.カットは文庫のカバー.
*****内容(「BOOK」データベースより)*****
「みんな飛び下りて死んじゃった。なんでだろう?」中高一貫の女子高で、高三の生徒が屋上から墜落死した。先輩の死を不思議に思った海生は、友人の双葉と共に真相を探りはじめる。様々な噂が飛び交う中、国語教師も墜死した。小説家志望だった彼は、死んだ女生徒と小説を合作していたが、何故か死の直前に新人賞受賞を辞退していて…。すべてに一生懸命だった少女たちの物語。
**********
2002年鮎川哲也賞の最終選考に残った作品...ということは選考されなかったということで,確かにミステリとしてはイマイチ.この人が怪しいというのが何となく分かってしまうのだ.
学園を舞台にしたミステリが多いのは,作者も読者はみんな学校に行っていたせいだろうか.若い作者にとっては,失礼ながら,作文の延長みたいなものなんだろう.中高一貫の女子高だと,最高学年は教師と抱き合ったりするが,最低学年はませた小学生程度のはず.でもここでは最低学年はそれらしく書けていない.
主人公(といえるのかどうかわからないが,とにかく冒頭で墜落死する登場人物)の性格はあまり類がないようだ.次々と気軽に! 人が死んで行くのもすごい.
小説の中にまた小説があるという構造だが,中にある小説が3つもあって複雑すぎる.オースターの「鍵のかかった部屋」という小説(白水社から翻訳が出版されている)が下敷きということを,作中で明記してあるのも変わっている.コピペで手軽に文章を改変するというのは現代ならではだ.
さきの「吉原手引草」は題名が良かったが,「ヘビイチゴ...」という題名のために,この本に手を出さない人もいそうな気がする.
それやこれやで,小説より著者自身に興味が行ってしまった.
ほしおさんのHP http://homepage1.nifty.com/kyupi/index.html には,作品そのものがたくさん載っている.ミステリと銘打たない短編や詩のほうがボクにはぴったり来るように思えた.
図書館で借りたのは単行本だったが,2007年に創元推理文庫入りした.カットは文庫のカバー.
*****内容(「BOOK」データベースより)*****
「みんな飛び下りて死んじゃった。なんでだろう?」中高一貫の女子高で、高三の生徒が屋上から墜落死した。先輩の死を不思議に思った海生は、友人の双葉と共に真相を探りはじめる。様々な噂が飛び交う中、国語教師も墜死した。小説家志望だった彼は、死んだ女生徒と小説を合作していたが、何故か死の直前に新人賞受賞を辞退していて…。すべてに一生懸命だった少女たちの物語。
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2002年鮎川哲也賞の最終選考に残った作品...ということは選考されなかったということで,確かにミステリとしてはイマイチ.この人が怪しいというのが何となく分かってしまうのだ.
学園を舞台にしたミステリが多いのは,作者も読者はみんな学校に行っていたせいだろうか.若い作者にとっては,失礼ながら,作文の延長みたいなものなんだろう.中高一貫の女子高だと,最高学年は教師と抱き合ったりするが,最低学年はませた小学生程度のはず.でもここでは最低学年はそれらしく書けていない.
主人公(といえるのかどうかわからないが,とにかく冒頭で墜落死する登場人物)の性格はあまり類がないようだ.次々と気軽に! 人が死んで行くのもすごい.
小説の中にまた小説があるという構造だが,中にある小説が3つもあって複雑すぎる.オースターの「鍵のかかった部屋」という小説(白水社から翻訳が出版されている)が下敷きということを,作中で明記してあるのも変わっている.コピペで手軽に文章を改変するというのは現代ならではだ.
さきの「吉原手引草」は題名が良かったが,「ヘビイチゴ...」という題名のために,この本に手を出さない人もいそうな気がする.
それやこれやで,小説より著者自身に興味が行ってしまった.
ほしおさんのHP http://homepage1.nifty.com/kyupi/index.html には,作品そのものがたくさん載っている.ミステリと銘打たない短編や詩のほうがボクにはぴったり来るように思えた.