Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

前立腺がん 術後放射線治療 私の場合

2016-11-09 08:58:41 | 科学
治療センターから病院宛の「放射線治療報告書」には,「T3bNO 全摘出後 PSA 再燃.腫瘍床を標的とした術後照射」とあった.総線量は 66Gy,照射回数 33.左上の 7 方向から照射した.残る三つの平面図・立面図・側面図が吸収線量分布を示す.
計画標的体積(planning target volume;PTV)229cc,臨床標的体積 (clinical target volume ; CTV) 77cc. 6 MeV の光子線.

治療の効果は? 半年経てば PSA に変化が現れるかもしれません,というおはなし.

さしあたりの問題は排泄器への副作用である.この2枚は膀胱 bladder と直腸 rectum 外壁の吸収線量.例えば下左の図では,66Gy の 20% (13Gy) を臓器体積のの 50% が吸収する,60% (26Gy) を吸収するのは臓器の 40%,100% を吸収するのは臓器の 15% ...と読む.
膀胱も直腸も健康なのに火傷を負い,尿道炎・直腸出血などの症状を呈する.照射を止めてから,照射期間と同じくらいの期間が経てば,ふつうは治ると言う.確かに快方に向かっているようだ.薬も何種類か処方されたが,いちばん効いたのはジャズを聞いたり演ったりして,症状を忘れたことだったと思う.



臓器を適切な位置に保つべく,照射時には直腸を空にし,膀胱をいっぱいにしなければならなかったが,これが辛かった.
上左のグラフは膀胱の壁の線量だが,膀胱の中の尿にはより多くの放射線が当たったはず.これがPTV のかなりの部分だろう.この放射線で滅菌消毒した尿の用途はないものか..と,治療後のトイレで思いをはせたのであった.

放射線量の単位についてこのブログに書いたことがある.照射線量と透過線量をそれぞれ測って吸収線量とするのかと思ったら,計算機シミュレーション頼りであった.
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