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「東ロボくん」、東大合格を断念 苦手科目を克服できず

2016-11-16 10:21:58 | 科学
タイトルは朝日新聞 DIGITAL の見出し.今年の大学入試センター試験模試で,英語のリスニングと国語の古文の成績が学生平均を大きく下回ったため?「ロボットは東大に入れる」プロジェクト (東ロボくんプロジェクト) は終わるのだそうだ.

YAHOO ニュースで湯浅誠が新井紀子氏 (国立情報学研究所(NII)の社会共有知研究センター長) にインタビューしていた.それによれば,AI が文章の意味を理解することは不可能だ.AI の世界は検索と確率だけで成り立っている.AI はキーワードとパターンだけで問題を解いている,と言う.

しかし英語のリスニングと国語の古文が不得意という現象がこれで説明できるだろうか.

自分が英語で会話するとき,特に初めて渡米したときのことを考えると,乏しい語彙を頭の中で検索してキーワードを探し出し,パターンに当てはめることを行なっていたし,今も行なっている.AI がやっていることと同じだ.

相手の顔色とか,その場の雰囲気に助けられることは否定できない.Pepper などの接客ロボットは相手の表情を読み取る「感情エンジン」を内蔵しているらしい.大学入試では顔色や雰囲気は検索とパターン認識の対象にはならないが,それは生身の学生でもロボットでも同じことだ.

さらに国語入試の現代文では東ロボくんは意外に検討している.
まともに考えると現代文の問題には正解はないと思うのだが,キーワードとパターンで押せば,出題者の意向に沿った答えに行き着くのだろう.文学鑑賞に関しては,入試勉強は世間の常識をパターン認識訓練で覚えこませているだけだ.

リスニングも聞き取れさえすれば,設問はそれほど難しくはない.設問を文章として提示すれば答えられそうだ...とすれば,音声認識の問題だろう.
古文ともども,今の勉強法でも努力すれば成績が上がる余地はあるんじゃないの? と言いたい.


最初の記事に戻ると,新井氏はキーワードとパターンで問題を解くやり方では,人間は膨大な処理速度を持つコンピュータには敵わないと言う.湯浅氏はそれを AI 失職問題に発展させている.これには異論はない.
今回の結果と矛盾するように見えても,英文和訳・古文現代文変換などは,実は AI の得意分野のはず,と思う.
なんだかんだと言っても,東ロボくんの成績は総合的には学生平均を大きく上回っている.大学入試とは,もっぱら検索能力とパターン認識能力を見るものということだろう.
コメント
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