Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

電子黒板亡国論

2017-05-23 07:24:04 | 読書

サブタイトル 「ICTで頭が、よくなる? バカになる?」
戸松 幸一,創元社(2017/4).

著者は学習塾「沐羊舎」代表.
ICT は Information and Communication Technology の略.この場合は電子黒板とタブレット教科書.
しかしこれは,はしがきにあるように,「学校は ICT を使って何ができるのか/できないのか」ではなく,主語を変えて「ICT は教育をどのように変えるのか/変えないのか」さらにこれから「子供たちはどう学んでいけばいいのか」を悩ましく論じた本であって,タイトルのように威勢が良くはない.

下手に内容を紹介するより,目次を引用したほうがよさそう.

◇はじめに
◆1章◆未来の学校の夢―黒板が変われば教育が変わる
◆2章◆タブレット教科書は「アクティブ」か―「学び」の場、「教え」の技
◆3章◆ゲーム教育の可能性―「遊び」と「学び」がひとつになる
◆4章◆SNS化する社会―子どもも大人も、もういない
◆5章◆先生はもういらない―ひろがる「教えの場
◆6章◆新たな競争システムへ―高大接続改革のビッグデー
◇おわりに

という構成.例えば5章の小見出しを列挙すると

いつか先生もAIに/先生の「ヒューマンプレミアム」度/カリスマ講義の衛星配信/受験サービスの地域格差/入試対策の機会平等/衛星からビデオ・オン・デマンドへ/低価格化するeラーニング/NPOの無料予備校/教室=「教えの場」×「学びの場」/教えることのプロフェッショナル/「反転授業」がつたえるもの/テクノロジーと教育/技術が先か、人間が先か/公教育廃止の理論/学校知を問い直す/「教育論=学校論」を超えて聖職とブラック職のあいだ/教師たるもの五者たれ/背中で語る

である.始まりは ICT 論だが,終わりは現代教育論.
果たして学校は必要かも,問題にされる.
子供の立場では,学校には知識を得る場だけでなく,友達を作る場でもあり,それがいじめのような否定的な問題を起こすのだが,そのあたりはこの本の範囲外であった.

図書館本.

この出版社から分かれたのが,ミステリでおなじみの東京創元社だそうだ.

☆☆★
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